− その12 バヤンザク(1) 恐竜化石の里へ −





またも、わだち以外になぁんもない平原を進みます。こんな場所でも放牧されてるのね。エサはほんのわずかな草?

さて、午後2時に午後のメインディッシュ、バヤンザクへと向かいます。バヤンザクは恐竜の化石が発掘されることで知られる場所だということですが‥うーん、片道55km(ちなみにおしんこどんメモには65kmとあるので、もしそっちが本当ならもっとキビシイのね)はやっぱり遠いなぁ。しかし昨日のモルツォグ砂丘、午前中のヨーリンアムとでロシアンジープにも(半強制的に)慣れてきたような気がします。要は覚悟と体力さえあればそんなにしんどくない?(笑)。

さて、走り出して15分もしないころ、ドライバーのシャガさんが突然モンゴル語で何かを叫ぶと同時に車を停めました。ゾルさんいわく、「ずっと先にガゼル(野生の鹿)がいます」とのこと。

まだ距離的には彼らの警戒エリア外ということなのでしょう、車を降りても逃げようとしません。‥というか、それだけ遠い距離だともいうんですが(苦笑)。まぁ逃げられては元も子もないので、この地点で何とか撮影を試みました。光学12倍でも全然遠いので、デジタルズーム4倍と併用して何とか撮ったのが下の写真ですね。



何とか3頭いるのがわかります。後方にいるのは子供かな?撮影後、無意味に足を上げて喜びを表現するTakemaです。

モンゴルでも家畜以外の大型ほ乳類にはなかなか出くわすことがないので、この出会いはラッキーでした。そういえばヨーリンアム付近にも野生の山羊が(数はかなり少ないながら)生息しているということでしたが、結局は全く生息の気配すらなかったしなぁ。

それからはもうひたすらゴビの平原を、地平線目指して進むのみです。しかし、地平線っていつまでたっても近づいてこないのね(あたりまえ)。しかしさすがにそろそろ着かないかなぁと思っていた頃、わだちが小さな丘の上を目指すように上り始め、上りきったところがいきなり「目的地周辺」でした。



バヤンザクの展望台はこんなところ。

ここバヤンザクはゴビの大展望が有名、いやいや、サブタイトル通り恐竜の化石が出る場所として一部の専門家の方には有名な場所のようです(もちろん門外漢のTakemaは調べるまで知りませんでしたが)。この赤い地層は平原の下に広がる古い地層なのでしょうが、ちょうどこのあたりは地形的に大きな段差があり、それ故浸食と共に土壌に埋もれていた化石が出やすい場所なのでしょう(もっとも化石が出る場所はここから少し離れた場所らしいですが)。ま、われわれは恐竜化石の発掘に来たわけではありませんからここで十分。はるか古代に思いを馳せるには十分すぎる場所ですしね。



あたりはこんな感じ。斜面を真剣に目で追いましたが化石らしいものは見つかりませんでした(あたりまえ)。



はるか遠く、こんな場所にも遊牧民のゲルがありました。水を汲む井戸はどこにあるのでしょうね。

さて、ここには「いつ来るともわからないお客」を待つ露天のおみやげ屋さんがありました。そういえばナミビアでも、珪化木(木の化石)が露出した保護地域のすぐ外に、アメジストを売る似たような雰囲気の露店があったっけ。あそこもまぁ気長な商売だったよなぁと思いつつこちらの商品を見てみると‥



こちらが珪化木(化石)。売り子のおいちゃん、暑いのでご覧のような格好での接客モードです(笑)。

「せっかくだから一つは欲しいよね。」これがわれわれの偽らざる心情でした。そこで、化石には少々うるさいおしんこどん(毎日仕事で顕微鏡をのぞいてます)、見る目は確かですから(ホント?)、結果として見れば見るほど悩んでしまったようでした(大笑)。いやぁなかなか「これ!」と決められません。そのうち、(もともと商売っ気のない)旦那さんは、ドライバーのシャガさんと「別世界」へ。ん、ちょっと待て、あまり気にしていなかったけれどよく考えてみれば‥



そりゃ雨が滅法少ない場所だというのは確かですよ。そしてもちろん、この場所に何を持ち込もうとそれは全くの自由ではあるのですが、なぜここにビリヤード台?周囲の風景とのギャップが何ともたまらず、かぁなり嬉しくなったTakemaでありました。思いおこせば、ネパールはポカラのペワ湖畔にあった卓球台にも同じような思いを抱いた記憶がありますが、あそこは町中、ここは「お客が来なけりゃ(一緒にやってくるドライバーさんと)ゲームもできない」場所ですからねぇ。よく考えればすごくゼータクな設備なんですよね(何だか改めて感動)。

ちなみに、旦那さんとシャガさんと、どちらが買ったのかは存じません(笑)。ましてやどちらのお財布が潤ったのかについてはTakemaの知らない世界であったことを申し添えます(じぇったいトゥグリク札が行き交ったと思うのですが(笑))。

結局おしんこどんは小さめの珪化木(上写真でおしんこどんが手に持っています)を、すぐ横で売っていた女の子のお店で買いました。ただ多分同族経営(=親子)でしょうから、お金の動き的には同じことだと思われます。ちなみにおまけで小さな水晶を付けてくれましたっけ。ありがとう。

さて、これで帰ると思ったら大間違い!(実は「さぁて帰るぞ!」の気持ち満々だったのですが)。昨日のモルツォグ砂丘で「明日はラクダに云々ですからね」というのをすっかり忘れていたわけです。しかしこれが、思いもかけない難行苦行!(大笑)。やっぱりラクダは楽じゃない!(本音)。

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