− その17 とりあえずテレルジ「亀石」へ −
さてさて翌日は陸路にてテレルジへ。9:30出発ということで朝はのんびりNHKの朝のニュースなどを見ながら出発準備と相成ります。この時期モンゴル(サマータイム中)と日本とは時差が全くないため、まさにリアルタイムで7時のニュースを見ることができてしまうのですが、やっぱり何だか不思議な違和感があるなぁ(笑)。というわけで韓国製のワゴン車で出発!
モンゴルの道路は幹線とはいってもダートであることが多いようなのですが、やはりUB周辺の道路はかなり手が入れられているらしく(交通量も多いしね)、テレルジ方面への道路は完全舗装。いやぁ快適♪、とはいっても日本国内の「鏡のような舗装」は期待しちゃだめですがね。
こちらはUB市内の画像ですが、このような確信犯的横断者は日常茶飯事です。というか、こうしなきゃ渡れないほど車優先社会なので‥
しばらく幹線道路を走ったあと車はテレルジ方面への支線に入りますが、こちらも舗装で問題なし。少しずつ坂道を上っていきます。
うーん、何だかNZみたい。
登りつめた峠の頂上には「オボー」と呼ばれる石積みがありました(ここのオボーは日本人が良く訪れるテレルジへの往復路にあるので、他のサイトでも同じような写真が見られるかも知れません)。オボーとはモンゴル人の民間信仰が生んだ「天との架け橋」のようなものらしく、様々な意図からいろいろな意味を持ったオボーが作られるようです。その中でもわれわれ旅行者が一番目にするのが「道のオボー」といわれるものでしょう。指導標というかケルンに神性が宿ったものと考えるとわかりやすいかも知れません。
このようなオボーを通り過ぎるときは、周辺で石を拾っておき、その上で「オボーよ大きくなれ、私の富も大きくなれ」と唱えつつ時計回りに3回まわるのがルール。この「時計回りに3回」というところに仏教的なにおいを感じますが、この辺の作法はたぶん何らかの形で融合したんじゃないでしょうかね。
なお、オボーの頂上部には青い布が巻かれていますが、モンゴルでは青=神聖な色とされているからなのでしょう。このあたりにも「天」を敬うモンゴル人の宗教心がうかがえます。ただ、このオボーには見られませんでしたが、もっと地方にあるオボーなどにはなぜか石積みの中にウォッカの瓶などが紛れ込んでいたりして、何だか「こんなのを積んじゃっていいのか?ゴミ同然じゃないか?」と思ったりすることもありました。何といっても空き瓶なんだから‥。もっともこれにも訳があるのかもしれませんけれど。
そこから峠を下るとすぐに橋。橋のたもとにはなぜかゲートがあり、そこでいくばくかの「通行料」を支払うことになっているようです。ここで徴収される料金はこの橋の維持管理費(または新しい橋の建設費?)にあてられるそうな。そういえば、地方各地からUB市内に車で入る場合、市内との境界あたりの上り車線には日本の高速道路に見られるようなゲートがあり、ここでも「通行料」を支払う必要があります。この通行料も、市内の道路整備費に充てられるそうなのですが、その割には道路はちっとも良くならないそうで‥つまり「(記述自粛)」ということなのでしょうね。どこの国もまぁ似たような状況だというべきでしょうか(笑)。
ついでに書けば、途中にはもう一つゲートがあったのですが、ドライバーさんは「ストップ」の看板を無視してぶっちぎってしまいました。なぜなのかとゾルさんに聞いてみたら‥
ん?公式なものじゃないって‥?これまたよくよく聞いてみると、地元の人が「何らかの理由で」勝手にゲートを作って料金を徴収しようとする場合があるのだとか。もちろん法的な根拠はないので今回のように無視して通過しても特に問題はないとのことなのです。もちろんそのゲートが公式ではないという事実を知っている地元車は全て通過するのみ、しかし時には地元の事情をよく知らない車が通る、その車からは通行料が取れる、というのが狙いのようですね。何だかアリ地獄みたい。
しかしそんな私設ゲートって何のために設置されているのか?これまた聞いてみたら、「理由はよくわからないが『小遣い稼ぎ』の意味合いもあるのかも知れませんね」とか。なるほどねぇ。
ちなみに通行料金を取った橋の床は木造でした。たぶん骨組みも木造なんでしょう。
ちなみにこのあたりでは車相手の商売として「手作りジャム」が売られていました。メイン国道沿いでも同じようなジャム売りさんが見られましたから、ちょうど「今が旬、出来たて」を売っていたわけなのでしょう。今考えれば、買ってくれば良かったなぁとちょっと残念。
モンゴル編 動画ライブラリー(25) |
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橋を渡ってからしばし川沿いの道を進んでいくと、次第にあたりには露岩が増えてきます。と、突如車は予告なく停車。ゾルさんいわく、「この岩に登ってみましょう」。は、はぁ?(笑)。一瞬「これが今日最初の訪問地である亀岩なのか?」と思いましたが、実は全然関係のない岩なのだとのこと。でもまぁ、それもまた面白いかな、ナントカと煙ってことばもあるしね。
というわけで登ってみました(一番上までは行かれません)。途中には右写真のような岩屋もあり(マウスオンで別写真に変わります)。
さて、この「ニセ亀石」からもうしばらく進んだところで、ようやく本物の「亀石」に到着です。なるほど、これは確かに亀だ、表現にいつわりなし!
ちなみにこの亀石、かなり大きな岩山です。とはいえどのくらいの大きさなのか上の画像からはピンとこないでしょというわけで、同じ場所からズームで矢印部分だけを撮影してみました。マウスオンすると拡大しますのでご参考までに。
さて、直下に車を停めて、今度こそ亀石を登ることに。これまた頂上までは登れませんが、上写真の場所までは行かれるみたいなので。
まずは下部の斜面を登っていきます。
ひとしきり登った場所からは岩の裂け目を歩いていきます。すると先はどんどん狭くなり‥
しまいにはこんな岩の割れ目をも抜けていかなければなりません(ホントの話ね)。
好きこのんでこんな場所で写真を撮ったわけじゃありません。岩の割れ目を抜け出てきたところなんです。
というわけで、先ほど人々が集っていた場所にようやく到着っ!
モンゴル編 動画ライブラリー(26) |
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さて苦労してたどり着いた「上からの景色」はといえば、正直いって想像していた程度のものでしたが(笑)、それでもまぁ気分は十分によし。反対側の斜面からは、はるか遠くに「山肌にへばりつくようにして建っている」チベット寺院を見ることもできました。なお一般には開放されていないそうで残念。
何だか「ゾウの鼻」を思わせるチベット寺院
さて、石というか岩から下りてくると、ちょうど一台の消防車らしき車が到着しました。うーん、何だか懐かしい感じの車だぞと思ってよく見てみると‥やっぱりここにも来ていたのね日本の特殊系中古車!
何だか地方の消防団が管理していそうな車だと思ったら‥あれまぁあんた、出身は茨城だったのね(マウスオンで画像が変わります)。
このあとはしばらく周囲をうろうろ。この周辺ではヤクもそれなりに多かったりします。
観光客をあてこんで建てられたとおぼしき建物には「Super Market」と書かれておりました。
さて、これで亀石訪問はおしまい。いよいよ近くのツーリストキャンプに行ってチェックイン、そして乗馬タイムとなるはずです。ここに来るまでの道中にはかなり沢山のキャンプがありましたから、たぶんその中のどこかへ向かうのでしょう。というわけで来た道を戻りつつ「この先に見えているキャンプだったら景色も良さそうだしいいな」「うーむ、次に見えているキャンプはパスしたいぞ」などと妄想をかき立てておりましたのですが‥。
あれ、あれ、あれれ?車はとにかくひたすら来た道を戻り、先ほどの橋も再び渡りかえし、あれれ峠のオボーも通過して戻って来ちゃった。いったい自分たちの宿はどこなんだろう?