− その30 棚ぼた系モンゴルの夕べ −

さて、おじさんの指さす方向へと足を進めていきますと、何やら林の奥の方に人影がちらりほらりと見えてきました。何かの準備をしている様子。こ、これは?



木を組み合わせたタワーに火を付けています

明らかに、これから何かを始めようとしている様子です。と、湖の方から、デールをびしっと着込んだ正装の男性が何人か歩いてくるのが見えました。となると、こ、これはもしかして

というわけで急いでゲルに戻り、改めてデジカメとライトを持参して「会場」に戻ります。と、続々と観客の皆さんが集まってきました。実はこの方々は韓国の団体ツアーの皆さんで、どうやらこのコンサートはこの団体さんの(ツアー費用に入っている)企画なんでしょう。

しかしそうなると、同じ宿に泊まっているとはいえ完全なる部外者であるわれわれが勝手に鑑賞して良いものやらちょっと気になります。というわけで遠慮して皆さんの後ろ側から立ち見で拝見することにいたしました(見る気満々ですな)。

焚き火もすっかり豪勢な炎となり始めた頃、いよいよコンサート開始です。曲の中には南ゴビで聴いたものも含まれていて、時には「あ、この曲は聴き覚えがあるなぁ」などと思いつつ、屋外コンサートをのんびりと楽しみます。



途中、火が豪勢になりすぎて歌い手の皆さんが避難したりしてましたっけ。

モンゴル編 動画ライブラリー(42)

「野外コンサート」

暗すぎて、歌手の方は炎の脇にぼんやりとしか見えませんが、声は聞こえるはずです。

Wmv形式、324KB、9秒

なお、公演中にツアーの皆さんに対してお菓子と飲み物が配られ始めました。‥と、私たちにも?「いやいや、私たちは違うんで‥」と固辞しようとしましたが、ツアーのお客さんとおぼしきその女性は「いやいやいいのよ、是非あなた達もどうぞ!」とにこやかな顔で渡してくれようとします。そうまでおっしゃっていただけるのならということでありがたく頂戴いたしました(ジュース二本と韓国製お菓子二つ)。聞けばこの皆さんは韓国のキリスト教会のグループなのだそうで、いやぁさすが、慈悲というか奉仕の精神に長けていらっしゃいます。

ちなみにこの時以来このグループのうち何人かの方々と仲良く(顔見知りに)なりまして、「アンニョンハセヨーっ!」と挨拶を交わすようになりました。そういえばUBでも偶然お会いして、お互い「うわおぉっ!」と握手&ご挨拶いたしましたっけ。結局このコンサートは夜23:30までしっかり続いたのでありました。

というわけでこの日はダブル棚ぼた系アトラクションとともに終わったのでありました。うはぁ、無目的系盛りだくさんだったなぁ。

そして翌朝のことです。何やらゲルの外、昨日羊の解体が行われた場所のあたりから「ゴォーッ!」とバーナーを使っているような音が聞こえてきました。行ってみるとやはりバーナーの炎だったのですが、何を焼いているのかと思ったら、何と昨日の羊の頭部でした。聞けば、羊のほおの肉は絶品なのだとか。うーむ、徹底的に食べ尽くすのね。

さ、今日の午後には早くもフブスグルを離れる強行日程なんですが、午前中は何しようかなっと。

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