− その32 みたびUBへ戻るぞの巻 − 

13:00の出発に向けて12:00から昼食となります。と、何やらボール状の皿にてんこ盛りになった骨付き肉のかたまりが出てきました。コ、コレハもしかして‥

何でも、そのまま焼いたのではなく、真っ赤に焼いた石を使って蒸し焼きにしたのだそうです(というか、モンゴルの人は肉を直接火で焼くことはあまりしないのだそうだ=煮るとか蒸すとかで料理することが多い)。この蒸し焼き、羊の調理法としては一番美味しいやり方だそうです。食べている最中に石焼きに使った石の一つを持ってきてくれましたが、まだ熱さを保っていましたから、料理そのものもつい先ほど出来たばかりなのでしょう。あれ、もしかしてこのお肉もあの韓国人ツアーのおこぼれなのか?(その可能性は高そうな気がするなぁ)。



うはうはとかぶりつくTakemaの図。味付けがさっぱりしていて美味しかったのだ。

食後、荷物を整理していよいよフブスグル湖ともお別れです。出発は13:00。名残惜しい気持ちも(かなり)ありますが、こればっかりはどうしようもないんだよなぁ‥。



こちらのゲルともサヨウナラ。いやぁそれにしてもいい天気だぁ。

来るときには全く見えなかった道路沿いの景色を眺めつつ帰路につきます。今度は道路上の凹凸が見えるからか、同じ揺れでも何だか楽に感じるのは気のせいなのか、それとも今回は助手席に座っているからなのか?

森の中を登っていく道沿いには、ヤナギランとおぼしき花が咲き誇っておりました。日本でもヤナギランはもともと晩夏に咲くものですから、それをそのままあてはめれば「もう夏もそろそろ終わり」という時期なのでしょう。そのあと秋は駆け足で通り抜け、すぐに長ぁい長い冬がやってくるんでしょうね。

やがて道が峠を越えると、枯れ川(雨の時だけ水が流れるみたい)の脇や河床を進む道となりました。ちなみにこのあたりには遊牧民のゲルも何も全くありません。ここで車が故障したりしたら大変なことになるんだろうなぁと思ったりする一方で、ドライバーさんはででこぼこだらけのジャンピングロードのまっただ中、ロシアンジープを華麗に操るのでありました。

河床の道を進んでいくうちに、荷車に丸太を何本も乗せて運んでいく人たちを発見。もしやと思ってカメラを向けたら、車の動力は‥やっぱりヤクでした。
モンゴル編 動画ライブラリー(46)

「がんばれガンバレ頑張れ」

ヤクくん、荷車を一生懸命引っ張ってますねぇ。

Wmv形式、483KB、10秒

道が枯れ川から離れて草原の中を登り始めると、随分と景色のいいところに出ました。道ばたにオボーがあるところを見ると、ここがこのあたりで一番見はらしがいい休み場なのでしょう。となれば、天気もいいしここで一旦休憩っ!

眼下には見渡す限りの草原と、そしてフブスグル湖から流れ出す唯一の河川であるイギン川のおおらかな流れが見通せます。ちなみにこのイギン川の終着点は何とバイカル湖なのだとか!さらにはこの川には、日本ではほぼ幻となってしまった魚、イトウが沢山生息しているのだそうな。

ちなみに上の画像の右下あたり、支流沿いに見える白黒の点々は放牧中の家畜たち。こんなところで育った家畜は何とも大らかに育っているんだろうなあ(上写真にマウスオンすると拡大します。さすがに光学12倍ズームはすごいもんだ)。

さてここでせっかくだから記念写真をということになったわけですが、すでに10日間ほどずっとわれわれに同行しているゾルさんも、われわれのおなじみ系写真ポーズにすっかり魅せられてしまったか(うそつけ)、同じポーズをしてくれました。ありがとさんでございます。



大地にしっかと足を踏ん張り、両手を広げるのがTakemaの基本ポーズですが、 by Takema(左)
手を広げたまま、片足を徐々に上げていき、身体がだいぶ傾いたところで、 by ゾルさん(中央)
最後に腰をぐぐっと捻ればおしんこどんの定番ポーズになるわけです(笑)。 by おしんこどん(右)

気を取り直して続きとまいりましょう。このあとは川からも離れてひたすら草原のど真ん中、360度どこを見渡してもずぅっと緑の海の中を進みます。しかしよくぞまぁこんなところを夜通し走ってきたもんだと、ドライバーさんの努力に感謝。時には大きな穴や川渡りだってあるわけですから‥



オフロードバイク乗りだって疲れてしまうこと請け合いです。

というわけで単調な道を走っているうちに、草原の中にかなり大きい鳥が何羽かいるのを発見!



上のほうでちらりと自慢した光学12倍ズームでもこれが限界っ!

ワシだかタカだとは思いますが、先ほどネットで検索してみた範囲では和名=クロハゲワシではないかと思われます。全長は1mを超え(羽を広げた長さは当然それ以上)、食生態としては小動物の死肉を探して食べているのだとか。なるほどこの時も3羽ほどが集まっていましたから、もしかしたらあのあたりに動物の死骸があったのかなぁ。

再び車を走らせ始めると、彼らの警戒範囲内にまで接近したからか飛び立っていきました。周りに大きさを比較できるものはありませんでしたが、それにしても大きい鳥だったなぁ。



大きな羽をはばたかせて去っていきました。まぁすぐに戻ってくることでしょうが‥。

しばらく行ったところでまたもストップ。道ばたとはいえ草原のど真ん中に木製のベンチとテーブル、そしてすぐそばには三角テントが立てられておりました。これは何かと聞いてみたら、何と「アイラグ(馬乳酒)屋さん」というのだから驚きました(こんな草原のど真ん中で!)。



ちなみに草原のど真ん中です、ハイ。

ここは「ちょっと休憩したい or のどが渇いたドライバーさんおよび同乗者のためのちょっとした休息場」というところですね。いわば

というべきなのでしょうか。うーむ、あまりにもモンゴルらしいぞ。というわけでわれわれも見学ということに(というか、ドライバーさん自ら車を停めたのだから当然見学するわけなのです)。

ドライバーさんは店番をしていた人に一言告げ、すぐさま出てきたアイラグをぐびぐびっと。僅かとはいえアルコール分が含まれた飲み物だという概念は(あたりまえですが)ここでは通用しません。このドライバーさん、たぶんこのお店の常連客とみた!(笑)。あ、われわれもちょろっとだけご相伴にあずかりました。



ん?子どもだけ?「店員さん」はどこに?

ところでこのお店の「店員さん」はといえば、何と二人のまだ幼い姉妹だけ。まぁ親は親でいろいろと仕事があるのでしょうが(エルステイで見ていた限り、遊牧民の毎日は結構忙しいんだと実感しましたし)、昨今の日本の状況を思えば平和というべきでしょうねぇ。

というわけで、彼女たちと一緒にインスタント&デジタルカメラで記念写真を撮りました。ゲルに戻ったあと、あの写真を大切にしてくれるといいなぁ。
場所は全然違いますが何年か前に仕事でマレーシアの田舎の村に泊まった際、帰国後に記念写真を引き伸ばしてご家族に送ったのですが、その後あちらからは何の音沙汰もなし(というか、そんなときにお礼の連絡をするのが当然の礼儀であるという日本の常識は世界的に見れば珍しい部類に属するようです)。んでもってこちらもそのままにしていたわけですが、先日同じ村を訪問した関係者が「ある家でTakemaの写っている写真が額入りで飾られているのを見ましたよ!」と伝えてくれました。連絡のあるなしはともかくとして、ちゃんと気持ちは伝わっていたわけです。そんなことって案外多いのではないでしょうかねぇ。
その後車は順調にダートを走り抜け、無事にムルンの空港に到着しました。道路が舗装だったのは空港敷地内に入ってから駐車場までの数十mに過ぎませんでしたが、低速とはいえ「滑るように移動する」舗装のありがたさを実感した次第でございました。



ムルン空港。昼間に見るとこんな感じだったのね。

往路(深夜)は3時間20分で走り抜けた道のりを、復路は結局4時間かけて戻ってきました。真っ暗闇のほうが40分も早いとはどうしたわけでしょ(笑)。しかも「(空席が出て)1本前の便に乗れるかも知れない」ということで早めに着くように来たのに、その便はフルブッキング。結局予定通りの便(20:30発)でUBに帰ることになったわけでした。まぁ、何が起こるかわからないモンゴル国内の移動ですからしょうがなかったかな。



ようやく!UBに3度目の「帰省」です。

UBの宿に戻ったのは23:00ころ。お風呂に入って(♪)就寝したのはいうまでもありません。さぁて強行軍のモンゴル旅行も最終段階、明日からは陸路カラコルム(ハラホリン)に移動です。

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