− その37 秘湯モゴィティンラッシャン温泉を目指し、いざ行かんっ!(4) −
というわけで到着したこの温泉ですが、まずはこの長い名前(モゴイティンラッシャン。モグアティンラッシャンとも)についてご説明申し上げましょう。アルファベットで表記すると「Mogoitiinrashaan」となるそうなのですが、具体的な意味としては
ということだそうです。「ひび割れからお湯が出ている場所」ということですね。実際、何か所もの源泉から熱い湯が出ておりました。
「あれぇ、変わった人たちが来たねぇ」と、デールを着たおばさんがお出迎え
まずは入浴前に、源泉をチェックすることにいたしました。湯小屋のすぐ近くにある源泉を見てみると‥
ふむふむ、3箇所ほど、岩の下あたりから湯が湧いている場所がありました(ちなみに上の画像では上段の2枚は同じ場所でのもの)。ちなみに源泉温度は75度くらいで硫黄泉、ちゃんと硫黄の匂いもありました。
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なお、日本でも「並び合った源泉なのに効能が違う」ということはよくある話ですが、どうやらここもそうらしく、「こっちは胃に効く」「こっちの湯は腎臓によい」というような効能の違いがあるそうです(どの湯がどれに効くのかは忘れてしまいましたが、確か胃にいいのが1つ、腎臓にいいのが2つでした)。
というわけで、流れ出したそれぞれの湯を見比べてみると‥
うむ、たぁーしかに!湯の流れの色が全然違うのがわかります。ほんの数mしか離れていない源泉なのにやっぱり何とも不思議なものです。やるなハンガイ山脈!
さて続いては入浴。実はこの温泉には湯小屋が2つあるんです。
ちなみにこの湯小屋への温泉供給システムが何とも面白い仕組みになっていました。先ほどの源泉ですが、70度を超す熱湯ゆえそのままで入浴することは出来ません。そこで流れ出た湯をそのまま地面に流し、適温になるあたりの場所に湯小屋を構築、集められた湯は最後にペットボトルを加工した「じょうろ」で中に流し込むという仕組みなんですね。うーん考えられてます。
われわれがここに着いた時には先ほどの「先客さん」が入浴中だったのですが、さて空いたよということなのでいざ小屋の内部へ。
小屋の内部は脱衣スペースと、ちゃんとバスタブまであってかなり本格的です。ただ小屋そのものは隙間だらけで、特に天井は(採光を考えてのことでしょうが)かなりの隙間が空いており、雨が降り出したら結構濡れてしまいそうです。
しかし折悪しく、先ほどまで晴れていた空はにわかにかき曇り、それほど遠くはないあたりで雷鳴がとどろき始めました。と、ここでゾルさんが悲しい一言を!
しかし、確かに山の上の方にはいやらしい感じの雲が迫りつつあり、雷鳴が近づいてきているのも事実です。ここで駄々をこねると本当に帰れなくなりそうなので、「しからばダッシュ入浴しかあるまい!」と決意しました。急げや急げ!
しかしキビシイ問題がもう一つありました。それは‥
わかったわかった、ここはもう「かけ湯」で何とかせいってことね(もうやけくそ)。というわけでこの時撮った画像が下の一枚というわけですね。たまり始めた頃に出るのは何とも悲しかったなぁ‥。でもまぁ入ったことには違いないか。
嬉し悲しの一枚(笑)。
というわけで10分ちょいで急いで出てきたわけですが‥。ん?みんな何だかさっきまでとは違った場所で何かやってます。気のせいか雷鳴も少し遠くなったような気が‥。
何をやっているのか見に行ったら、実はもう一箇所源泉の湧き出し口があって、そこが岩盤浴にちょうどいい場所となっていたわけですね。
湧き出し場所のすぐ上に、ちょうど大人一人がゆっくりと寄りかかれる感じで石造りの「座椅子」がしつらえてありました(左上画像)。でこの座椅子の真下を流れるお湯はこんな感じ(右上画像)。石の上には硫黄分が結晶化して付いていました。うーむ、こりゃいい感じ♪
どちらも「座椅子」に座っている画像。岩はかなり熱く、じわじわと効きそうな感じです、ハイ。
で、岩盤浴エリアでああだこうだとしているうちに、気がつけばお湯から上がって20分くらい経っていたような気がします。結局雨の襲来はなかったし、もっと長く入っていることも可能だったわけですがもはや後の祭り。くっそぉあの雷雲め、われわれに意地悪をするためにやってきたとしか考えられないっ!(大立腹)。
おっとここにも源泉発見。まだまだ他にもありそうです。
というわけで最後の最後にあたふたはしましたが、少なくとも腰湯までは出来たし湯も味わったし、まぁこういうこともあるさということで今回の秘湯探索、無事?終了となりました。ふぅ。
何だか日本の山の中にいるような気になってきます。