ちなみにこの国道は、マンダレーとヤンゴンを結ぶ大動脈なんです。
さてそんなわけで空腹1名+満腹3名を乗せたレーベーは市内からどんどんと南に向けて快調に走ります。しかし、「あー、こりゃいいな快適だ」と思っていたのもつかの間、何やら進行方向にキラキラと光るものが‥?うわ、洪水で道が水浸しです!そうかぁマンダレーヒルから見た、「あの洪水エリア」に向かっているんだから考えてみればあたりまえだと気づいたのはまさにこの瞬間でした(笑)。しかしここには幸いなことに「Detour=回り道」と書かれている(らしい)看板があり、ほこりだらけのダート道ではありましたがまずは事なきを得ました。
しかしそこから行くことしばし、今度は長さも深さも(?)先ほどとは比べものにならないほどに豪快な「池」が我々の行く手を阻んでいたのでありました。
洪水のエリアに目をやると、そこには「強行突破を試みたがあえなく途中でエンジンがストップし、にっちもさっちもいかなくなっている」先人の車が何台も見えます。しかもその多くは四駆のピックアップ、つまりはこのレーベーMAZDA B600よりははるかにエンジンの位置が高い車なのです。ちなみに乗用車タイプの車は一台も見かけません。おそらくは「こりゃ無理だ」と諦めて引き返したのでしょう。
となると自分ながら、「ここは回り道もないし、この車じゃどう考えても突破は無理だし、あえなく撤退せざるを得ないだろうなぁ」と考えます。ちなみにOMさんにとってもこれほどの洪水を見るのは初めてらしく、「こんなにひどい洪水は初めて見ました」ということでしたから、やはり今年の雨期パワーは例年になく気合いが入っているというべきなのでしょう。
し、しかぁし!何やらイェマイ&レイミーのお二人は、あたりにいた人々としばし話をした後でおもむろにボンネットを開け(これまでエンジンは至極快調だったのに)、なにやらビニールのようなものを引っぱり出してガサゴソと始めました。
こ、これは彼らのプライドをかけた行為だったのか、それとも「ビールをおごってもらっからなぁ」という義理からだったのか、本当のところはわかりません(ま、さすがに後者じゃないでしょうが)。ただ、こちらに「どうしますか?」の一言もなく「突破するぞ!」の決断を下したお二人にはただただ感謝するばかりです。それに‥面白くなってきたぞぉ!
なるほどその手があるわけね(両写真ともマウスオンすると画像が替わります)
よく見ていると、洪水の中をトラクターが行き来しています。とはいっても洪水だから水遊びをしているというわけじゃなくて(あたりまえ)、どうやらパワーと車高の高さを利用して車両の牽引をしているようなのです。水たまりのど真ん中で立ち往生しているのはどうやら「そんなもんに頼らなくても自分たちだけで何とかしてみせるぜ!」と無謀さをみせたつわものどもの夢のあと、というところなのでしょう(ただし、単独での強行突破に成功する車がいるのも事実です)。
われらがB600は最初から自力は無理ですから、この牽引に頼ることにしたというわけです。B600のエンジン下部をビニールカバーで「防水」し(もとよりどれだけ効果があるのかははなはだ疑問ですが)、牽引ロープもセット完了、というわけでいざ行かん水の王国っ!
こんな感じで進むわけですね(これは他の車の写真ですが)。
よっしゃやっぱり動画編!(8・9) |
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いやぁ、やったやったやりました!周りの通行人も「え、レーベーが通過していく?」と驚くほどに無謀だったらしいこの試みですが(笑)、無事通過に成功しました!エンジンも‥おおっ始動します!水の浸入も何とか防げたようでやったねイェマイくん!
「俺たちが手助けしてやったんだゼィ」とごきげんのトラクター関係者。その脇をおそらくヤンゴン行きらしい静岡鉄道バスが通過していきます。
そんなこんなで何とか難所を通過することが出来たわけですが、実はこの洪水エリアこそ最初の目的地アマラプラへの分岐箇所であったらしく、ウー・ベイン橋(160年前に作られたいまだ現役の木造橋)を初めとしたアマラプラには行かれませんでした。うーん、当地で椰子のお酒を飲むつもりでもあったのにぃ(この望みは後日無事叶えられました)。ちなみに、このあと他の旅行者(アイルランド人)から聞いた話に寄りますと(その人は舟で回ったという)、アマラプラ周辺に住む人々はみな水没した家から僧院やパゴダに避難しており、建物の内部は完全に避難所と化していて、見学どころではなかったといいます。なるほどそりゃそうだよなぁ、ひどい場所になると家の屋根まで水に浸かっていたし‥。さらに(これは別の日本人から聞きました)、かのウー・ベイン橋は、ちょうど橋の踏み板より少し上くらいまで水が来ていて、一部は踏み板も外れていたとかいうことでした。いずれにせよ、観光どころではないアマラプラだったわけですね。
さ、洪水の「最深部」を無事通過した後は(実は復路でまた通るんですが)、いよいよザガインヒル目指して進みます!