− バガンの町をうろちょろと(1) −
さて、バガンの宿を探すべくまずはタクシーか何かをチャーターしなければなりません。こういう時は粘り強い交渉がものをいうんだよなぁ、OMさん出番だぞと思っていたら、何と市内までの足は協定料金が決められていたのでした。面白いことにタクシーでも馬車でも、スピードは違えど同じ料金(1500K)。見ていると、やはりタクシーの方からどんどん客が付いていきます。そりゃとりあえず宿までというのなら早いほうがいいものなぁ。入域料$10を支払い、OMさんとTakemaもタクシーで出発です。宿の予約はしていませんから、まずはバガンエリアの中心地ニァゥンウーへ。
し、しかぁし!オフシーズンのはずなのに、なぜだかどこの宿も満員だらけ!OMさんおすすめのアウンミンガラーホテルは値切っても$13/night。しかも3泊する予定なのに最終日はもう既に予約でいっぱいだから2泊までしか受け付けられないとのつれないお返事。その他主なホテルやゲストハウスを一つ一つあたっていきますが、どこも駄目だぁ。どうしてこんなに混んでるの?さらには、サイトをリンクさせていただいているあづま川さんおすすめの(というか旅行記を読んでいて「こりゃ良さそうだぁ!」と思っていた)ニューパークゲストハウスは、宿の名前をメモってくるのを忘れていてどうしても思い出せず断念至極だったりしましたっけ。
気がつけば先ほど出発したフェリーのJetty付近までまた舞い戻りながら更に探します。タクシーの運転手さん、文句も言わないでよく付き合ってくれたもんです。ん?そういえば彼は宿との交渉には出て来なかったぞ。ということはマンダレーと違ってバガンでは紹介料システムをとっていないのか?
結局、最初の言い値が「3泊でも1泊$12!」だったGolden Express Hotelに言い寄って(あ、言い寄ったのはOMさんね。彼女は今、私の専属ガイドなのですから!)、1泊$10×3で何とか泊まるところを確保しました。しかし、安宿ではなく値段的にも見かけ的にも中級にあたるこのホテルに泊まったことが、かえってTakemaには幸運な結果となったのでした。
ミャンマー国内に3ヶ所(ここ、インレー湖、カロー)のホテルを持つチェーンホテルのようです。ちなみにパンフレットを見る限りここが一番立派なのかな?(右写真にマウスオンすると何とプールまで出てきます。もっとも3泊4日の滞在中、誰も泳いでいる姿を見なかったんですが(笑))
そうそう、ここに泊まることを決めた直後にOMさんがこんなことを提案してきました。「この運転手さんは所定の金額で本来の2倍以上の距離を走ってくれました。彼は追加料金を取るとも言っていませんし、誠実な人のようです。そこで、明日はこのタクシーをチャーターしてちょっと遠くの方を回り、明後日は馬車で近場を回るというのはどうでしょうか?」
ここバガンでは3泊するわけですから、ティーボーのようにがつがつと急いでいろいろ回る必要はありません。さすがにチャーターとなると馬車よりタクシーの方がはるかに高いのですが、自分は写真に凝っているわけでもなければ(雨期で天気も良くないしね)遺跡にこだわっているわけでもないので、特にどうしたいという要望はなし。よって、それならそれでいいかと考えました。とりあえず「それでいいですよ」と答え、明日はワンボックスタクシーでゼータク遊覧と相成りました。
ちなみにこの日はそろそろ夕方&曇天ということで、どこにも出かけずに宿でゆっくり休憩。この宿の回りにはほとんど建物がないのですが、宿の客その他をあてこんでかすぐ隣に串焼き居酒屋(!)があるので、そこで食べりゃいいやということにしました。よく考えれば「少食&酒飲み」のTakemaには願ってもない施設でしたなぁ。
さて部屋に入ってエアコンをつけ、シャワーを浴びてさっぱりしたところで、Takemaにはどうしてもやらなければならないことがありました。それは‥
このミャンマー旅行記をお読みの方にはご存じの方も多いと思いますが、ミャンマーではクレジットカードがほとんど使えません。使えるのは超高級ホテルなどのごく限られた場所だけです。で、両替できるキャッシュも限られており、どこでも両替できるのはUS$だけ、それもヤンゴン以外の都市では多少レートが下がります(マンダレーのような大都市ではそんなに大きな差はないようですが)。というわけで、今回の旅行ではカード払いなど一切考えず、「いつもニコニコ現金払い♪でやっていくしかないな」とあらかじめ心づもりをしておりました。
しかし今回、Takemaは出発前から大失敗を犯していたのです。「現地では特にお土産を買う予定もないわけだからそんなに使わないだろうし」と考え、それでも一応予備金を考えてUS$キャッシュをそれなりに多めに持ってきたつもりではありました。しかし、‥
(大恥)
そう、アライバルビザやダゴンマン号の予約その他でお世話になった「Myanmar Travel info Online」さんへの支払いはミャンマー到着後に直接US$キャッシュで行ったのですが、到着日に料金を支払った後に残ったUS$紙幣の妙な薄さに「あれぇ何だか変だな?」と不思議な感じがしていたのは事実です。でも自分の計算ミスにはとんと気づかず、「ま、ちゃんと計算して持ってきたんだから大丈夫だよな」と妙に信じ込み、結局その時に事態を把握できなかったTakemaだったのでありました。
首都ヤンゴン滞在中(とはいえ1泊2日だけだったけど)に手持ち残金の少なさに気づけば、旅行社のオフィスに連絡して何とか善後策を講じてもらえたかも知れません。でも、首都以外ではその手も使えませんし(マンダレーでも)、さらに田舎のティーボー滞在中にMr.Charlesにそれとなく日本円からチャットへの両替を聞いてみたら、「ここでは無理、マンダレーでも日本円ほか各国通貨はほとんど両替してもらえないだろうし、もし可能ということであってもとてつもなく安いレートに甘んじなければならないだろう」ということでした。
そしてここバガンまで来たところで、財布の中身はさらに心細くなってきたようです。よって、いやぁな予感と共に残金を数えてみる必要に迫られたのであります。「いぃちま〜い、にぃまぁい、さ〜んまぁい‥」。そしてその集計結果が出てしまいました。
予想通り、残金はかなり乏しかったのであります。今後の出費予定をざざざっと計算してみたところ、「普通に飲み食いするとして(ただし夕食時には瓶ビールを飲むことを計算に含めましたが)、このままだと出国時にはUS$10くらいしか残ってない!」という結論が出ました!
日本国内じゃあるまいし、「最後は1000円ちょい残りでぎりぎりセーフ!」というのはあてになりません。もちろん節制はするにしても、このあとのシェアタクシーtoインレー湖への値段が予測以上のものであるとすれば一気に吹っ飛んでしまう額でもあります。この計算にはOMさんへのガイド料(食事と移動の足代は払うが宿代はOMさん払い+ガイド代)も含めてありますが、いずれにせよ異国の地で「半分路頭に迷う(=ビールも飲めずに禁欲旅行するしかない@Takemaの定義)」しかないのか?
そういえば以前ホーチミンでデイパックの置き引きに遭った時もこんな感じだったなぁ、でもあの時は現地で日本円が両替可能という予想外の三振振り逃げ逆転サヨナラランニングホームランがあったんだけれど、今回は何かないかなぁ、さすがにちょっと無理だろうなぁ‥などと思いつつ、OMさんとの夕食の待ち合わせにロビーまで出てきた時、「奇跡第一弾」が目に入ってきたのでした。それは‥。
そう、カウンター上にはプラスチック製の小さなプレートが置かれていました。そしてそこにはこれまで国内外を問わずあちこちで見てきたようなマークが。そう、オレンジ色の●と黄色い●が重なったような感じの、これまで幾度となくお世話になったあれは‥そう、
「カードが使える?このホテルで?」。半信半疑ながらレセプションのお姉さんに聞いてみると、何と問題なく使えるとのこと!ただしサービスチャージが15%加算されるとのことでしたが、そんなのな〜んも問題ないもん気にしないもんね!ということは、まずはここの宿代分の現金US$30が浮いたぁ!さらに、この宿で注文する限りビールはほぼ無尽蔵に飲めるというあまりにも重大な現実も確定!よぉっしゃ、いいぞぉ!(狂喜)。
ちなみにこの宿で使えたのはマスターとVISAの2種類だったような気がします。しかし今考えてみれば、レセプションに頼み込んでチャット通貨のキャッシングを頼んでみても良かったかもしれないなぁ(99%不可能だったとは思うんですけれどねが)。
というわけで、この日の夕食はルンルン♪。とはいっても、ここバガンからインレー湖までのシェアタクシーがいくらになるのか、それこそ折衝の結果がどうなるかによっては途端に塗炭の苦しみ状況になるかもしれません。というのは、ちょっと聞いたところによるとインレー湖までのシェアタクシー運賃は最近のガソリン高を背景に高騰しつつあり、自分が計算していたUS$70ではもうほとんど無理だろうとのことなのです。Kさんとシェアするとはいえ(それを含めて計算してある)、まだ予断を許さぬ状況であることに変わりはありません。OMさん、値段折衝頑張ってくれぇ!
というわけで、部屋に戻って屋久島焼酎「三岳」を飲み始めました。残量が少なくなってきたので節制するつもりが、このホテルには何と部屋に冷蔵庫があるので(やっぱり設備的には中級とはいえないな)、製氷皿に作っておいた氷を入れてロックで飲むとこれまたウマウマ(いつものパターン)。ついつい一人でたくさん飲んでましたっけ。さ、明日はバガン周遊です。