− その3 「この道はヤンゴンの食卓に続く動脈なんだ」 −

さて車は再び走り始め、まずはインレー湖までの中間点手前のメィッティーラを目指します。道は多少細いながらもずっと舗装ですが、路面状態は決してベストとはいえません。まぁミャンマーの地方道路にベストを求めちゃいけないんでしょうね。イメージ的には1995年以前のタイ北部、幹線から延びる脇道@かろうじて舗装、と同じという感じでしょうか(こんな例えでわかる人がいるとも思いにくいですが、他に思いつかないんで勘弁して下され)。

メィッティーラまで、交通量は非常に少ないんですがとにかく長い!さらには沿線にほとんど家が見えない!かなり乾いた気候のようで、雨期にもかかわらず地肌が露出している場所も多かったですし、決して肥沃というわけでもなさそうです。まぁ高原地帯だからそれは仕方がないのか。ところどころで放牧も行われていたようです。

この国に来るまではミャンマーというと米どころのイメージしかなかったのですが、実はこのような牧畜の大地や高原のエリアも多く見られるわけで、来てみて初めてわかることってやっぱり多いですね。うーん何ごとも勉強だぁ。



交通の要衝ターズィにて昼食。Kさんのお腹はやはりまだ完調とはいえなかったようで、
ランチはとっても控えめ。しかしTakemaはいつもの通りミャンマービール♪ごめんなさい(笑)。

豚肉チャーハンとビールで思い切り満腹になったあとは、いよいよインレー湖を目指して再び坂を登り始めます(ターズィは低地なので暑かったんです)。ところでターズィの町の前後はきれいな並木道になっています。しかし並木を植えた頃には考えられなかったモータリゼーションの関係か道は細く、拡幅工事が各所で(峠道を含めて)行われておりました。しかし、整備が完了するのは一体いつ頃になるんだろう?峠道はそのほとんどがいまだにダートで、雨も降っている関係でところどころかなりマディになっています。

そして、そんな中インレー湖方面からはさっきから野菜を満載したトラックがひっきりなしに下ってきます。屋根はもちろんのこと、車体の下側の隙間にもとことん詰め込んでいるようですが、泥がたっぷり付いてしまうだろうに、売り物になるのかなぁという感じです。聞くと、これから夜の国道をひた走って明日一番のヤンゴン市場に卸すのだそうな。積んでいるのはキャベツやブロッコリー、カリフラワーといったところで、つまりは「高原野菜の出荷」ということのようです。これから行くインレー湖やその手前のカローあたりは標高が1300mくらいありますから、まぁ日本でいう「嬬恋キャベツの出荷風景」という感じなのでしょうね。

そんな中、目の前の坂の途中で停車している日産ディーゼルインタークーラーターボトラックを発見!

満載の積み荷はカリフラワーのようです。しかもまぁ過積載はともかくとして一つ一つのカリフラワーを何ともきれいに積み上げていること!(左写真にマウスオンすると画像が変わります)。左写真では見にくいかもしれませんが、荷台の下にも沢山のブロッコリーが詰められています。

そしてなぜにこんな所で停まっているのかといえば、どうやら前輪がパンクしたようですね。でも車体の下に人が入りこんでいるところを見るともっと他のトラブルなのでしょうか?いずれにせよ、ここでのんびりストップしていては明朝の競りに間に合わなくなることは明白です。うちらの運転手さんによると、「ここでトラブルを起こしている状況だと、このトラックがヤンゴンの市場に到着するのは明朝の8-9時になってしまうだろう」とのこと。とすれば市場の競りに間に合わないのでは?せっかく新鮮なカリフラワーなのに、このままだと安く買いたたかれてしまうのか?そう思うと早く故障を直してね、そして深夜ぶっ通しの運転頑張ってねと願わずにはいられません。

いずれにせよこのトラックに積まれたカリフラワーは、明日か明後日か何らかの形でヤンゴン市民の食卓にのぼるはず。山岳ダート路とはいってもここはれっきとした食料運搬の大動脈なのだと実感しました。う〜ん、中学社会の教科書みたいなまとめ方だぞ(笑)。



カローの手前あたりでこちらも給油。



これまたどこかで見たことのあるようなバスが通過。第二の人生の方がしんどそう(笑)。

しかしこの道中ヤシ酒とポッパ山でのんびりしたからか、ヘーホー空港の分岐を越えてからしばらくしてあたりはすっかり夕闇に閉ざされまくりました。うわ、完全に真っ暗な道の中、ライトの死角からひゅっと出てくる徒歩や自転車のびっくりトラフィックが多いこと多いこと。こりゃ自分だったらこんなスピードでは絶対に走れんなぁと思いつつ、結局今日の目的地であるニァゥンシュエ(インレー湖畔の町)に到着したのは19:30。出発からほぼ12時間、まぁ何とか間に合ったという感じでした。

でも確かに途中で休んだとはいえ、走行中はかなりのスピードで来たのは確かな話で、もっとのんびりとしか走れず、さらに途中停車も多いローカルバスでほぼ同距離のタァゥンジーまで10時間@地球の歩き方による、というのはまったく信じられない話でもあります。そんなに早く着くのは絶対無理だと思うんだけれど、乗った人のコメントを是非聞きたいところです。とにかく自分なりの結論をいえば、「やっぱりタクシーをチャーターして良かった」ということでしょうか。

さぁ、明日からはインレー湖周辺をうろうろします。湖を行く船旅はホントに快適そのもの!雨さえ降らなきゃ(笑)。

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