− その3 インレー湖観光の「定番」?織物工場&ファウンドーウーパゴダ見学 −

さて、再び船に乗り込んで出発です。先ほどのスコールはどこかに行っちゃったようですが、眺めのいい湖上からは、周辺のあちこちで雨が降っているのが分かります。湖の上で雨が降り出したら傘に頼るしかない=でもほとんど役に立たないはず、ですから、「お〜い雲よ、こっちに来るんじゃないぞぉ!」と願うしかありません。でも幸いなことに、この日の移動中天からの集中砲火を浴びることはありませんでした。あー良かった。



うーん、あっちにいたらやばかった(笑)。こんな雲が湖の周りにいくつもうろうろしておりました。

さて、船は再び快調に湖面を飛ばします。全然揺れませんし、日差しを浴びながら風をうけていると、「こりゃミャンマーで一番快適な乗り物ではないかい?」と思えるほど(その代わり雨が降ったら悲惨の一語ですが)。Takemaの前に座っているKさんも気持ちよさそうです(後ろ姿から想像しただけで根拠は全くないんですけどね)。さてOMさんやいかに?と思って後ろを振り向いてみると‥



ありゃまスヤスヤ、気持ちよさそうにお昼寝中でした。
ん?何だかこのパターンはおしんこどんにそっくりだぞ(笑)。
(本人に無許可での撮影なのでモザイクをかけときました)

さて、そんなこんなで次の目的地である織物工場に到着です。ネット上でインレー湖の旅行記を検索してみると、ほとんどのサイトでこの村を訪問しているようですから、まさに「定番中の定番」といえる場所なのでしょう。とはいえ観光客の絶対数が圧倒的に少ないですから、村の人たちが観光ズレしているというわけではないようでしたけれど。



村の中の移動にも船を使ってますな。工場の前には染色された糸が干してありました。

「ガチャコン、ガチャコン」という音が聞こえてきたと思ったら、その先にある建物が工場になっていました。規模的には「問屋制家内工業」をちょいと大きくした感じで(よくわからない説明だな)、同じような工場がいくつかか集まっているように見えます。見学は無料、よろしければ買って下さいなというわけで直営売店もあったりします(というか中に入るといきなり売店です)。

ちなみにOMさんによれば「ここの織物はマンダレーより安いし質もいい」ということでした。Takemaは「タペストリーとして使えそうな布でもあれば‥」と思いながら見ていたのですが、そういう用途に合った布は見あたらなかったのでパス(いや、それよりも何よりも金銭的問題が一番ともいえます)。Kさんは、やはりざざざっと見た上で何も買っていなかったように思われました。そしてOMさんはと見れば‥おおっ!

いくつも布地をピックアップして、これがいいかな、いやこっちのも捨てがたいし、でもそれもまたいいかなぁという感じで悩みまくる様子はまさにどこぞのバーゲンセールで見られる光景そのものでした。結局いくつもの布をゲットしたOMさん。まったく買わないわれわれ2人とどっちが観光客だかわからなくなります(笑)。でもまぁこういうのも面白いからいいや。

実際の順序とは逆になりますが、ここは本来お店ではなく工場なので、実際の作業風景を自由に見学することが可能です。というわけで工場エリアへ。おお、いくつもの織機が並んでおり、皆さん頑張ってます。とはいえ、こういう場所の様子は写真(静止画)を見てもピンとこないもんです。というわけでやっぱりここでも動画にご登場願いましょう!
(37)織物工場動画1

「やってますやってます」

工場の中の様子をダイジェストでつなげてみました。

Wmv形式、742KB、25秒
さて、このような作業風景はここ以外でも見られますからある程度予想通りのものとして、工場内の一角ではちょっと変わった作業をなさっている方がおりました。何だかパキパキと植物の茎を折っているようですが、一体これは何をやってるの?というわけでまずは動画を見てもらいましょ。
(38)織物工場動画2

「茎を折って取り出されるのは?」

実は、ハスの茎から取れる繊維だったりします。すぐさま撚って糸にするそうです。

Wmv形式、699KB、24秒
ハス(蓮)の茎に含まれる繊維を撚って糸にして作られる布は、それこそ絹よりもはるかに高価な素材として扱われるそうです。そりゃそうだ、1回折っただけで取れる繊維は動画で見ていただいた通りほんの僅かな長さ。日がな一日この作業を繰り返しても造れる糸の量はたかが知れています。しかもそれを用いて一枚の布に加工し、さらにそれを裁断して一着の服にするとすれば、その値段が(いかに工賃の安価なミャンマーとはいえ)大変高価なものになるだろうことは想像に難くありません。

ではそんな高価な服を一体誰が着るのか?軍○政権関係者?その余録で美味しい思いをしている中○系の人たち?と思って工場の人に聞いてみたら、「高貴なお坊様がまとう服(袈裟)として信者の方々が寄進します」とのこと。なるほど、言われてみれば蓮なんだから仏教がらみなのも納得がいきます。しかし、そんな高価なものまでも寄進しちゃうのかぁ。しかし、「戒名1つウン万円から」とふんだくるどっかの国のくされ坊さん@外車乗りには絶対着てほしくないものだ(笑)。

さて続いては、インレー湖周辺最大の聖地「ファウンドーウーパゴダ」を訪問することに。

このパゴダ、もともとは完全に湖のど真ん中だった場所を埋め立てて(もちろん材料は湖底から引き揚げたあの草で)その上に造られた寺院なのだそうです。しかし、そんな不安定な地盤にこんなに重い建物を建造してしまっていいのでしょうか?まぁ地震のない安定した地域ですし、埋め立て作業ははるか昔のことですから構造物を建てたことによる地盤の沈下も止まっているのでしょうけれどね。

ところで、数ページ前で「湖のど真ん中に建てられた灯台状の建造物」について書きましたが覚えておられますでしょうか。ここファウンドーウーパゴダのご本尊である5体の仏像を船に乗せて移動中、うち1体が誤って湖に転落してしまったが、いつのまにか戻ってきていたということでしたよね。ではではそのご本尊を拝見しようじゃありませんかということで本堂に入っていくと‥。

ひろーい広い本堂のど真ん中にさらにお堂が作られており、その中央部の台の上には何やら金色に輝くダルマさんのようなものがいくつか。その数1.2.3.4.5。ということはこれが御神体じゃなかったご本尊?

ミャンマーでは仏像(やパゴダそのもの)に金箔を貼り付ける(=寄進)ことが多いのですが、こちらの仏像もご他聞に洩れず多くの信者から寄進を受けてきたようです。しかしもともと仏像のサイズが小さかったために、いつの間にか原型がわからぬほどにまで金箔で覆われてしまったというわけなのです(上の画像にマウスオンすると拡大画像に変わります)。それにしても、現在の金箔の厚みはいったい何cmあるんでしょうかねぇ。

ちなみに、この5像のうち「湖底から奇跡の生還」を果たしたご本尊はどれなんだろうとOMさんに聞いてみたら「ちょっと小さめの、あれだと思います」というようなお返事だったんですが、今となってはどれがどれだったかすっかりわかりません(苦笑)。

さて、このお寺の本堂は2F、その下の1Fは広大なみやげ物街になっています。どこの店でも同じようなものを売っているんですが、売り子さんたちは商売熱心で盛んに声をかけてきます。でもねぇ、わたしゃビンボー人なもので何も買えないのよ。

KさんとOMさんは何やら買う気満々のご様子なので、自分はさっさと船着場の方に戻りました。自分たちが本堂にいる間に降っていた雨もほぼ上がり、日もさしてきていい感じです。船頭さんと一緒にタバコを吸いながらぼけーっとしていたら、ちいちゃな少年が近寄ってきました。

しかし別に話しかけてくるでもなく、近くに来て座ってみたり水の中を覗き込んだりしているだけで、デジカメで撮った写真を見せてあげてもあんまり反応なし。何をしに来たんだろう?



うーむ不思議な少年だった。

そうこうしているうちに二人が戦利品を手にして戻ってきました。OMさんによると「Kさんの値段交渉は半端でなくスゴイ」ものだったそうで、下手をすると地元民より安いあたりまで値を下げさせてきたようです。自分は結構そういうのが苦手だからなぁ。ちなみにOMさんの手にも「自分用のおみやげ」が握られていたことはいうまでもありません(笑)。

さて夕方近くになってきたのでそろそろ帰りましょう。地元の人々も今日1日のよごれと疲れを落とすべく湖のほとりで身体を洗い始めたようですし(上の写真)。なお、パゴダから水路をはさんで右側には屋根付き倉庫の中にすんごい船が格納されています。「地球の歩き方」によると9-10月にかけてファウンドーウー祭り(正式名称とは思えませんが)が催され、その時にはこの船に例の5体の仏像が乗せられ湖をめぐるということです。なるほど、今でも5体の仏様は今でも毎年湖にお出かけしているんですね。乗組員の皆さんは仏様を落とさないように注意してほしいですな(余計なお世話)。あ、落としても不思議な力で帰ってこられるんだから大丈夫か(笑)。

そんなわけで今日のあちこち訪問もこれでオシマイ、そう思っていたんですが甘かった(笑)



それにしてもすごい操船技術ですなぁ。わたしにゃ絶対できるはずもありません。

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