− その6 来たぞ来たぞ飛猫寺! -

このお寺の正しい名前はガーぺー僧院(Nga Phe Kyaung)。しかし現地ではもちろんのこと、今こうしてタイプしている時だって自分はこの正式名称を覚えちゃいませんでした。「猫が飛ぶ寺=飛猫寺」と、勝手に自分の中でのネーミングが出来上がっていたのですから、こりゃ仕方ないことだったんだなと海よりも深い慈悲心で許してやりましょう(強引)。いや、ミャンマーの仏様はちゃんと許してくれたはず、ちゃんとお布施もたんまり(でもないか)入れてきましたのでね、はい。

それはともかく、いざ飛猫寺に着いた瞬間は結構拍手喝采モノでした。だって、「他に一隻も船が停まってなぁい!」

ということは、多くの観光客に囲まれていかにも見せ物然とした中での見物ではなく、きわめて自然な雰囲気で(しかも貸し切りで)ゆっくりと拝見させていただけるのではないか、うむうむ、せっかくここまで来たんだしこりゃ何ともいいタイミングで来たもんだとかなり喜び勇んで上陸したTakemaだったのでありました。し、しかぁし!



猫たち、泥のように寝とります。

どうやら訪問した時間が早かったからか、猫たちはちょうど朝食を終えて今まさに惰眠の真っ最中(それにしても猫は食べた後すぐに寝て太らないんだろうか?)。おまけに広い本堂にはお坊様の姿すらなく静寂そのもの。ありゃ、他に観光客がいないというのはこの時間が見物にはよろしくないというのを知っていたからなのだろうか?OMさんも「これでは無理ですね」と最初からあきらめモード。え〜、そんなぁ(悲)。



たまに起きてる猫もいますが、このあとこいつもやっぱり寝やがりました。

まぁこれじゃ仕方ないし、かといってこのまますごすごと帰ってしまうのもちょっとなぁということで、幸いまだ時間には余裕があるし、しばらくは本堂を抜けた先にある反対側の船着場付近でOMさんとしばらく談笑。何だか結構濃い話をしていたような気もしますがここでは割愛ね(笑)。

しばらくして再び本堂の方に戻りましたが、やはりお坊さんもおらず「残念だなぁ」と思いつつ仏様を拝んだりしていたら、奥の方からやや年配のお坊様が出てきて「どうぞそこにあるお茶を飲んで行きなさい」とのたまうではありませんか。ん?これはもしかして脈あり?ついさっき仏様に捧げた現世利益丸出しのお祈りが早くも開花モードに入ったんでしょうか?

かといってこのお坊様は猫使いではなく(結構地位の高い感じの方でした)またもどこかへ。まぁ言われる通りにお茶を飲みながら、いつの間にか起き出してきた猫たちに「ほぉーれほれほれ」的なちょっかいを出したりしていると、向こうから若い感じのお坊様がお二人近づいてきて、Takemaにこうおっしゃいました(ちなみに英語)。
「どこの国から来たのですか?日本ですかそうですか。わたし昨晩TVでサッカー見ましたよ。日本対中国戦です。日本勝ちましたね、強いですね日本。」
何だかブータンの映画を思い出してしまいましたよ。僧侶とサッカーだもんなぁ(ちなみに「少林サッカー」は見たことないのでわからんのです)。続いて話は世界のサッカーの話になり、お坊様はこう続けます。
「それにしてもブラジルはすごいですね、あんなに沢山すごい選手がいて、世界各国でスタープレーヤーになっているんだから。日本にも2人だか3人だかは行ってますよね。うん、確か日本に帰化した人もいますよね」
うわ、かなり詳しいぞこのお坊さん!(若いしね)。実はわたしゃそれほどサッカーに詳しくはないので内心ひやひやしつつ、それでも「ああ、今現役ではサントスなどがそうですよ。帰化してからは日本代表選手の一人として頑張ってるし、やっぱりブラジルはすごいとしか言いようがないですね」などと話を合わせることくらいは出来るわけで(しかし自ら知るところの限界一杯だったともいいますが)、そんなこんなの話のうちにいつのまにかお互いがうち解けてきた感じです。となればもしや?というわけで話が途切れた機を見はからっておずおずと‥

するとこの若いお坊さん、間髪を入れずに猫ジャンプ用の輪を取り出しました!実はこの時は持っていないと思ったのですが‥さては背中に隠し持っていた?もしや常時こっそり携帯?(笑))!とにもかくにも、やったぁしっかり粘って待った甲斐があったぁ、これで見られるゾ!
(42)というわけで

「これこれ、これを見たかったんです!」

でもよく考えれば小ネタ系の芸?

Wmv形式、517KB、17秒
というわけで所期の目的を達成し、大満足のうちにガーペー僧院をあとにしたのでありました。やっぱり見ることができて嬉しかったのだ。

さて僧院のあたりは水路が張り巡らされているエリアなので、ボートは行き交う地元船(喫水ぎりぎり)のことを考えてゆっくりと進みます。前にも書いたようにこのあたりは湖の民イン族の居住エリアなのですが、実はこのイン族は船を一風変わったやり方で操ることでも有名なのだそうです。

船を進める道具がオールではなく櫓(ろ)であるのは日本と同じなのですが(いや、今や日本じゃほぼ滅びちゃいましたな。うちの近くの矢切の渡しではいまだ現役ですが(笑))、こちらではこの櫓を足で操るのですね。右上の写真でも何となくの雰囲気はわかると思いますが、やっぱりこういうのは是非動画でじっくり見ていただきたいということで。
(43)ふぅむ変わってる‥

「イン族伝統の足こぎボート」

器用ですなぁ。自分だったらバランスを崩して船ごと転覆するのは必定。

Wmv形式、513KB、17秒
さて、そんなわけでお昼も近くなってきました。お昼ご飯?いやいや、実は食についてはあまりこだわらないTakemaのこと、それよりは次=インレー湖最後の訪問地を目指さなければ!(たぶんOMさんはお腹が減っていたと思いますけれど)。というわけで、行くぞティーボーの借りをここで返さなければ(無意味に熱くほとばしるやる気満開)!

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