− 怒涛のチャイティーヨ、やっぱり雨期は厳しいっ!(1) −

翌朝は4:30出発(うわぁ早い)。まだ真っ暗な時間だものね。でも、鉄道やらバスを乗り継いで行くと日帰りは厳しいかもということで、しっかり車をチャーターしたのでありました(ヤンゴンまで来れば何とか財布の中身を気にする必要もなくなりましたし、明日はもう帰らなきゃいけませんしね)。

その真っ暗な中を、日本が誇る世界のカローラが突き進む‥のはいいんですが、ヤンゴンの中心部を抜けるとちょっとした郊外エリアはまったく街灯もなく、そんな中人や犬がどんどんと往来してくるので恐い恐い!途中からは雨が降り出したこともあって前照灯は全然役に立たないくらい!何度かシビアなブレーキをかけつつ進むドライバーさんに全てを託しつつしばしうとうと。

そのうちに夜が明けてきたので暗闇の不安は何とか解消されたのですが、雨の降り方がすごい!かなりのどしゃ降り!普通日本では夕立のような降り方は長く続かないものなんですが、さすがミャンマーの雨期、なめたもんじゃありません!ひたすらぞぞぞぞぞぉーっと降り注ぎ、一気に至るところミニ洪水状態に(特に雨期のバゴー周辺は降り方がすごいらしいと後から知った)。実はこの鉄道区間にSLが運行していることは知っていたんですが、どしゃ雨に気を取られて油断しているうちに、すぐ横の線路を「え、あ゛、あれれぇっ!」と思うまもなくあこがれのSLが逆方向に通過していきました。ちくしょー写真を撮るどころじゃなかったぞ。

さてそんな怒涛系どしゃ雨の中、チャイティーヨパゴダへのベースとなるキンプンに到着。ここでとりあえず朝ご飯となります。し、しかぁし!ここからはトラックバスに乗り換えてさらに上のヤテタウンまで上がるつもりが、シーズンオフ@しかもどしゃ降りのこの日にわざわざ上がろうとする巡礼客など他には誰もおりません!

画像ではわからないですがすんごいどしゃ降り!これから聖地チャイティーヨに行こうとする人も、降りてくる人も皆無。どうすりゃいいんだと右のレストランで悩むTakemaでありました(ちなみに右上の車はヤンゴンから乗ってきたカローラくん)。

客のいないトラックバス乗り場です。いやぁまさに「トラック」。ダンプの荷台にそのまま板を並べて「座席」にしています。こりゃぁ安いとはいえキツイわ。しかもこの値段だし(右写真にマウスオンして下さい)。
結局、チャーターしたカローラのドライバーに頼んで、割高な金額ながらヤテタウンまでの往復を頼むことに。それでもさすがにトラックバスを1台丸々貸し切るよりはずぅっと安かったですしねぇ。で、結果的にはこれが正解、カローラはぐいぐいと急な坂道(舗装済)を駆け上がってくれました。ちなみに手持ちの高度計によると(高度補正はしていなかったので参考までに)、キンプンは標高175m、ヤテタウンは780mでした。土砂降りの中ダンプの荷台で標高差600mの忍耐移動をする勇気はわたしにはありまっせーん(あ、貸し切りなら助手席座りというのもありでしょうが)。

さて、ヤテタウンに到着後、あいも変わらず降り続く雨の中、ゲートを越えて登り始めます。ズボンの裾を膝上までまくり上げてテクテクと。しかしまぁキツイ登りはともかくとして、場所によっては道がほとんど川になっていたりして結構へたれますなぁこりゃ。歩き始めたのは9:00。ドライバーさんには「13:00位までに戻ってきて下さいね」と言われていたのですが、こんなどしゃ降りの中はささっと登ってささっと降りてくるはずだから、もっと早く戻ってくると思われます。



道は九十九折りにぐいぐいと高度を上げていきます。足下は流れる水が川のよう。

そんな中、上から人力駕籠の一団が降りてきました。乗っている人の着ている服から見て日本人かなと思い「こんにちはー」と声をかけてみたんですがNo Answer。やっぱり富裕系のミャンマー人だったのかな。地球の歩き方03-04によると、駕籠代は登りUS$5、下り$3なのだそうな(要交渉)。それにしても4人がかりでえっちらおっちらとはご苦労なことです。でもこんな雨の中で乗りたいとは思わないな。



乗り心地はどうなんでしょう?象の背中よりはましでしょうけれど。

登っていく道沿いにはいくつもの茶店とおぼしき建物が並んでいますが、この見事なまでの雨降りオフシーズンに、開店しているところは一軒もありません。みな入口を布やビニールでふさいでいますが、かといって所有者不在というわけではないらしく、中からは話し声や音楽が聞こえてきたりしています。

雨宿りする場所もなく下半身がほぼ全面的にびしょぬれになった頃、なぜだか一人の女の子がどこからともなく現れ、あとからついてきます。お仕着せガイドとかでマネーとか言われたらいやだなぁと思っていたのですが、どうもそういうそぶりは見せずただついてくるだけの様子。カタコト英語は話してきますが会話は成立せず。まぁいいやと一緒に歩きます。

傾斜が緩くなり、唯一あった公共のあずまや(標高1040m)でタバコを一服。こりゃ目的地は近いかと思わせるころ(ちなみにガスっていたので遠景は見えない)、チェックポイントに到着です。ここで入山料(US$6、高いなぁ)を支払うわけですが、お客もなく退屈だった(であろう)係員のおいちゃんにとっては「いい暇つぶし相手が来た」ということなのでしょうか、妙に愛想良くいろいろと聞いてきます。
「きみ、こんな雨の中登ってくるとはエライね、この時期は観光客もほとんど来ないんだよ。どこから来た、なに日本、日本のどこだ、そうか東京の近くか、東京とヤンゴンとどっちが大きい?ところで結婚はしているのか、そうか、でもなぜきみ一人で来たんだ?奥さんはどうした?子供はいるのか?そうか、わたしには2人いるぞ、見てくれこれが子供の写真だ‥」
ふーむ、さぞかしいい時間つぶしになったことでしょう(笑)。最後に彼をデジカメ動画で撮ったものを見せてあげたらえらく喜んでおりました。帰り道も、チェックポイントの前を通ったら中から「じゃーねぇ!」といわんばかりに大きく手を振ってくれていたっけ。うん、面白いおいちゃんだったなぁ。
(44)雨の中の1オアシス

「おいちゃん愛想いいっ!」

何が何だかわからないともいえますが、楽しい人だったからOK!

Wmv形式、272KB、7秒
そこからしばらく平坦な道をしばしで、いよいよチャイティーヨの正面入口に到着です。しかし、靴を脱いだあたりからは急に風が強くなり、ちょっとした嵐の状態になってきました(特に左斜面からの吹き上げがすごかった)。うわチャイティーヨよ、Takemaが行くのをそんなに拒むのか!いったい自分が何をしたというんだ!とついついうらめしく思っちゃいましたが、折りたたみ傘で風雨を防ぎながら(何度か風向の変化に対応できずオチョコになったけれど(笑))さらに先へと進みます。



正面入口はシーズンオフゆえの?工事現場状態でした。
ちなみにこの付近にはゴールデンロックのミニ版が鎮座してます。

それにしてもうひゃーキビシイ風雨!画像ではこの大荒れの天気の真骨頂がお伝えできないのが悔しいですわ。というわけで、長くなったので続きは次のページでね(少ないネタを長く引っ張る、いつものパターンです)。

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