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− その10 シャンの村をあちこち巡ったあとは絶品ヌードルスープランチ! −



そうそう、こういう感じのところに来たかったんです。このあとは「あぜ道ウォーク」も(笑)。

続いては周辺の村を訪問ということですが、トゥントゥンさんからは事前に「トレッキング観光のルートに入っている村ではありません」と聞いていました。そのことについてよくよく聞いてみると‥



トゥントゥンさんも「この村に来るのは私も初めてです」とおっしゃっていましたから、本当に普通の村なんですね。これは嬉しい!



そんなわけでやってきましたナムシム村!入口の門をくぐってびっくり!(まぁ実際はトゥクトゥクに乗ったままくぐったわけですが)。




(上画像マウスオンで別画像に変わります)

聞けば、これは食用ではなく飼料用のコーンだとか。天日で干しながら、人々が品質の悪いコーンを手作業で取り除いているところなのだそうです。

このあたりで中国との貿易の話になりました。ここシーポーからラーショーに続く国道はそのまま国境を越えて雲南省に続いており、近年は国境を越えた貿易がとても盛んになっているということです(なるほど、だから国道でトラックが渋滞していたわけね=詳細は下で)。

で、ミャンマーからの輸出品はトウモロコシやスイカ(!)、そして米などの農産品がほとんどで、いっぽうで中国からは電化製品や衣類ほかの工業製品が入ってくるそうです(このことを聞きながら「衣類については日本も同じですよ」と申し上げ、Takemaが着ていたジャンパー裏地のタグを見せると、確信はなかったんですが案の定「Made in China」。お互い笑い合いました)。

ちなみに例のトラック渋滞について質問してみると、「双方向から一斉にトラックが殺到すると国境のイミグレーションがパンクしてしまうので、トラックについては『今日は中国行きトラックの通行日、翌日は中国からの日』というようにゲートを規制しており、そのためゲート待ちのトラックがあのように並んでいるのです」と教えてくれました(ちなみにこの区間では料金所ゲートが車列の先頭でした)。しかし、中国産品はともかく、たとえばこちらからのスイカなどは鮮度の問題もあるんじゃないですかねぇ‥。



コーンの中には不出来なものや石なども混入しているので取り除きます(右上画像マウスオン)。



選別が終わったコーンは右上の袋に詰められて‥これも中国輸出用なのでしょうか?(たぶん間違いなくそのはず)



ところで、この門の正面にある大きな建物はお寺でした。ありがたいことに内部の見学もさせてもらえるとのことでトゥントゥンさんと一緒に上がらせてもらいます。村の中にお寺があるのか、それとも最初にお寺があってあとから周囲に家々が増えて集落化したのか、どちらなんだろう?(多分後者かなと)。





まずはお詣りを済ませた上で建物内を見学します。このお寺の建物は何と約200年前に建てられたものだとか(実は案外床に隙間があったり床材が弱っている場所もあったりしました)。



でも堂内はごらんのように広く、そしていうまでもないことですが管理が行き届いており整然としています。観光用ではなく、今も僧院として使われているのですから当然です。でもお昼前の中途半端な時期に訪問したのでほとんど誰もいない‥いたのは(両上画像マウスオン)。特に犬のほうは11匹もいてびっくり(笑)。



左上画像の高僧像は、このお寺の高僧だったお方だそうです。108歳まで生きられたとか。それにしてもメガネまでかけていてリアリティあふれるお像であります。

で、トゥントゥンさんがおっしゃるには、「高僧は入れ墨を彫りいれるのが一般的」なのだそうで、現在もそうなのかはわかりませんでしたが、確かに入れ墨の文様が入れられておりました。で、右上画像はこの高僧のお部屋だったとか。ちなみに別の部屋はこの寺住まいのお坊さんの起居する部屋でした(右上画像マウスオン、ドアが開いていたので廊下から撮影)。

このあとは門を出て歩きながら坂を下っていきます。このあたりは山奥というわけでもないので電気も来ているし、比較的裕福な感じのお宅が立ち並んでいますが‥ん?





普通ニワトリってこんなに人になつくものでしょうか?しかもサイロンさん自身は現在この村にお住まいというわけでもないので、ニワトリのほうもサイロンさんに慣れているわけではないでしょうし‥何だかすごいな。ちなみに結構野性味あふれる大型のニワトリだったんですよ(両上画像マウスオン)

なおこのあたりでお2人からシャンの挨拶語を勉強しました。「こんにちは=マイソンカ」「ありがとう=トゥミオカ(ツゥミオカ)」「さようなら=モアンモアン」だそうです。この日は使っていましたが、シャン州を離れてからはもとより通じるわけもないわけで‥。



ちなみに道の途中には、お寺の正門?がありました。ちゃんと英語で「NAM HSIM」(村名)と書かれていましたが、すぐ上の「2016」とは当然ながらこの門が作られた年を意味する‥って、こ、今年か!出来たての門!

また、完成したての門ということもありますが、恒久的な英語表記があるというのもミャンマーの地方寺院としてはある意味斬新なのではないでしょうか?この村(お寺)の関係者がそれだけ「外に目を向けている」ことの証左だと思います。今後この村(お寺)にも外国人も多く訪れるようになることを見越しているのかも。というわけでここまでの流れを動画ダイジェストにて。




さらに緩い坂を下っていくと、庭で竹を編んだ敷物を作っている方が。いや実際は休憩しているところにおじゃましたんでわざわざ出てきて作業再開というとんだご迷惑だったんですけれど(苦笑)。



少年はわかっているのか、お母さん?の作業中にああだこうだと言うこともありませんでした。

ここから少し(トゥクトゥクで)移動した先の近隣の村へ。このあたりもある意味日本と同じ神仏並立というか、民間信仰と仏教が融合ではなく並立しています。日本の場合は習合したあと分離させて並立化したわけですけれどね



新しい地域に入植する場合、まず最初にその中心となる場所に「ナッ(ト)神」のお社を造り(上画像)、村の長にあたる家はそのすぐそばに居を構えるということですが、やっぱりこれも「村の鎮守様」という日本的な発想でするっと合点がいくわけです。しかも高床式のお社を見上げると、拝殿の四方八方に御幣ともいうべき白い紙が下げられているわけで‥(両上画像マウスオンで拡大)。

「日本人の遺伝的ルーツ」としての南方起源説は今や否定的になっているようですが、「日本文化」としての南方起源説は自分としてはそれでも否定したくありません。前ページにも書いた山岳民族アカ族の鳥居形の門といいこのお社(なお聖なる場所なので敷地内への許可なき立ち入りは不可らしい)といい、「これは日本の神道と似て非なり」という説には首肯しがたいからです。人文学系の人間はロマンティストだと言われてもいいですが(自分は日本文学科卒)、自分としてはこの地域と日本との文化的な繋がりを否定したくはないです。DNA云々の科学的調査とは違い、文化の由来などについては所詮結論など出せない世界ですし(大笑)。



そうそう、社殿敷地のすぐ外側には「鐘」がありました。この形状からすると間違いなく砲弾の頭部‥もしかしてベトナム戦争時のものかな?というわけでトゥントゥンさんに聞いてみると「おそらくは第二次大戦時の砲弾ではないか」とのことでした。そうだとすると、この砲弾頭は70数年前のものということになります。

右上画像マウスオンで「真下から撮った画像」に変わりますが、外形を含め見事に腐食もせず原形を保っていることがわかります。「軍用の装備品は特注なので耐久性が違う」という記載を見ることがありますが確かにそうかも。またこの「鐘」はとてつもなくずっしりとした重量がありました。よくはわかりませんが空中分散型の砲弾ではなく一撃型の砲弾だったのかなと。

さてここから村の中の道を歩き、とあるお宅の庭先へ。辛子菜と茄子が植えられた庭へ進んでいくと‥。





角がカットされているようですが背中のコブが特徴的で、和牛とは違った血が入った種なんでしょうね。ちなみにコブのある牛は東南アジアからインド、そして西アジアやアラブ世界にかけてのかなり広い範囲で家畜として飼育されています。そもそも牛とラクダは祖先を同じくしているようなのでなるほどねぇ。



庭には「ほぼ新品」?という感じの荷車が(まだ製作中かも)。またお米の貯蔵倉庫も。でも地域柄ネズミもいますよね大丈夫なんですかと聞いてみると「竹で編んでいるのは表面の覆いであって、その内側は水牛の革で覆ってあります。だから大丈夫なんです」と(トゥントゥンさんは)説明してくれました。水牛の革ってネズミの歯が立たないほど強靭なのか?(ちょっと調べてみたら、牛の革より肉厚で強靭だとか)。

このあとは少し移動した上で製塩のお宅へとお邪魔します。このお宅は観光ルートにもなっているのか、トゥントゥンさんとサイロンさんは家の方に声をかけただけで敷地の奥までどんどんと進んでいきます。







こんな内陸部に塩田とは。聞けば、井戸から地下水を汲み上げ(なんと井戸の深さはたったの6m!)その水を塩田に撒いた上で2-3週間水分を蒸発させ、そのあと数時間煮詰めることにより塩の結晶が得られるのだとか。



こちらで煮詰めるわけですね。確かに薪がたくさん。そして出来上がりは‥



うおー、確かに塩です。精製塩じゃないですからいろんな成分が含まれていそう(「不純物」とか言わないでね)。



で、なぜか釜の前で必然性なく「仲のいい50台前半夫婦」を実演したりしてみました(無意味)。



だって、何と無料でこの塩をいただいちゃいましたからね。さーておしんこどん、どんな料理に使ってくれることやらです。

で、ここでちょうどお昼になりましたので村の食堂へ。ここって、やっぱり多少なりとも観光客がやってくるからということで開業しているのかなぁ。こざっぱりとしたお店です(でも地元の人も食べてました。外食の文化が生まれているということか?)

さて、メニューなどはなかったと思います。でもいいのです。この場所にあるということは間違いなく地元の料理が出てくるに決まっています。で‥





唐辛子ペーストではないので、見た目とは違い辛くはありません。なお全員が同じものを食べたのですが、ん?お2人は何やらさらに揚げ物をトッピングしてますが?聞くと「これは豚の腸を揚げたものです。汁に浸けて食べると美味しいんですよ」。というわけでわれわれも真似したことは言うまでもありません(われわれは袋入りのを買いましたが)。








何がいいかって、スープに浸けるとまずはパチパチとスープを吸いながらはじける音が楽しい♪そして揚げ物なので当然油分がしみ出すので味わいが深くなり、そして食べてみればスープを吸った部分のふにゃり感と吸っていない部分のパリパリ感の歯ごたえコントラスト!これはいいなぁ。

なおお2人は一切の躊躇もなく「われわれはお代わりしますよ、Takemaさんたちはどうします?」と聞いてきました。どうしようかなと思いましたが「2人で1杯シェア」ということにいたしました。少食人種なのでねぇ(その代わりビールは注文してました)。



また、料理を頼むと付け合わせとして提供される高菜系の漬け物がこれまた絶品!シャン料理を出すお店であればだいたい出てくるのではないかと思いますが、軽い酸味の効いた漬け物は、深く漬かった春先の野沢菜の味にも似てこれまたとてつもなく美味しいのです!(ちなみに唐辛子等の辛味はありません)。

日本人的な味覚の持ち主であればこれでお酒も進むはず!ただやや酸味があるので日本酒というよりは焼酎に合うかな?という気もしますがそれは人それぞれでしょう。シャン州に来たらこの漬け物を口にしないまま帰るのはもったいない!というレベルです(ただ、シャン州ならどこでもデフォルトで出てくるのかどうかはわかりません。インレー湖周辺でもあるのかなぁ?)。

さて食後はサイロンさんの運転するトゥクトゥクをちょこっと観察してみました。でも「トゥクトゥク」という呼び名はタイのものであり、12年前に「レーベーっていうんだよ」と聞きましたがそれはその車種由来のもので今はもう走ってないし、三輪タクシーと書くべきなのかな?そもそも、この日に「この乗り物の地元名は?」と聞いておけば済んだ話なのですが(苦笑)。まぁいいやトゥクトゥクと記載します。



エンジンは予想どおり中国製の「LIFAN」ブランドで、サイズからしても100-125ccあたりでしょう。エンジン部分だけがやたらに銀ピカなので、たぶん最近載せ換えたばかりかなと?(サイロンさんはこの翌日別の三輪バイクに乗っていましたので、このバイク自体は別オーナーの所有だと思われます。というか日本の法人タクシーと同じかな)。

さてお昼ごはんのあとは「午後の部」がスタートです!


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