− 旅行記その8 Beechcomberにて温泉を堪能!+おまけアクシデント −

さて、村での小休止を終えたわれわれは、いよいよ今宵の宿である「Beechcomber Resort」を目指したのでありました。リゾートですよResort!アーバンなエグゼクティブが、都市の喧噪から離れてひとときの安らぎを‥いや、これ以上はやめておきましょう。どうせわれわれにはテント生活に毛が生えたくらいの宿がお似合いってことはわかってますから(自虐)。

ちなみになぜこの宿に決めたのかというと、エファテ島北部にはこれといった宿泊施設がなく(あくまで「地球の歩き方」によるとですが)選択の余地がなかったことが最初のきっかけ。まぁそれはともかくとしても、これも地球の歩き方によれば、ポートビラにあるレンタカー屋「Discount Rentals」で3日以上車を借りるとこの宿の宿泊料金が無料になるという魅惑の情報(これについてはちょっと事情が違いましたが)、そして何よりも、この宿には「温泉がある!」。となれば、ここに泊まらないわけにはいかないだろうというのが当然の助動詞べしだったりしたわけです。

ところでレンタカーについては日本から直接メールで予約を入れておきましたし、そのメールの中に「Beechcomber」の宿泊もリクエストしておきましたので特に問題はなし。しかし考えてみれば、今回のバヌアツ旅行において事前に個人手配でことがうまく進んだのはこのレンタカーの予約だけだったような‥(苦笑)。



というわけで、宿に到着です!(実は出発時の画像ですが)

宿の前に車を止めると、宿の方とおぼしき係の方が出てきました。どうやら宿泊の件はちゃんと伝わっていたようです。しかし、この係員さん(Teleさん)、「バウチャーがあるはずなので出してください」とおっしゃる。え、そんなんもらった記憶がないぞ、いやちゃんとDiscount Rentalで借りてるんで、ほらその貸借証だったらありますけれど、え、それじゃダメ?

「バウチャーがないと1泊7500VTとなるんですが」と言われてうろたえたTakema。そんなんもらった記憶ないけれどなぁと思いつつ、いろいろとまさぐってみると、あれれ記憶になかったバウチャーが封筒の中から発掘されました。えー、この封筒すら記憶になかったんですが‥。どうやら、慣れぬ右側通行のことで頭がいっぱいだったようですね(結構小心)。

ところで宿泊料ですが、「地球‥」にあるような「無料」とはいきませんでした。確か2500VTくらいを追加請求されたような(正確な記録がないので‥)。あれれ、状況が変わったのかな?このあと管理人のTeleさんと話している中で「これまでにオーナーが何度も変わっている」という話が出たので、新オーナーになって無料とはいかなくなったのかなと思っていたのですが、いざ車を返しに行く段になって、てっきり3日のつもりでお願いしていたつもりが、会社側では2日+延長料金(この方が安い)という扱いになっていたようで、したがって「2日だからディスカウントは出来るが無料には出来ない」ということになっていたのかもしれません。もっともそれでもこの方が(3日契約で車を借りるより)安かったんですけれどね。

ということでいきなり生じた問題は一気に解決したのでいそいそと部屋へ。室内はシンプルながら、直接海に面したのプールに出られるので全く問題なし。なお本日の宿泊客はわれわれのみということでこれまたニンマリ。



波の音を聞きながら寝る感じです。シャワー&トイレはあるけれどもちろんエアコンはなくファンのみ。でも十分でしょ。

さぁって荷物を置いたら、まずは何をおいても温泉でしょう!実は部屋に案内される前からその「湯船」はしっかりと目に入っていました。なぜならば‥

これがいわゆる「源泉風呂」でございます。え、湯気が出ていないって?屋内とはいえ気温は30度くらいあるんですから湯気が目立たなくて当然です。それに、揚湯ポンプを止めていた時の画像なので確かに多少ぬるい(40度弱くらい?)「ため湯」状態はなっていましたしね。ただしこのあとわれわれがリクエストしたんでポンプが稼働、熱い湯がどんどん注ぎ込まれました!

というわけでお互い水着に着替えて、いざ「入浴」です!いや、その前にこの温泉及び宿、さらに今回われわれを迎えてくれたTeleさんについてのご紹介を!
1.この温泉について
まず温泉名ですが、「タカラ温泉」。何でもこの宿のある地域(村)の地名が「タカラ」なのだそうです。ちなみに源泉はこの宿の敷地内にあり(Teleさんは「この温泉プールの真下」とおっしゃっておりました)、確かにポンプアップの湯ではあるけれど、湯井戸の深度はたった2.5mだそうなのであります!源泉の温度は47-48度、ちなみにどこかのサイトで「硫黄泉」と書かれていたような気がしますが(記憶曖昧)、源泉賞味の結果、硫黄臭は全然しませんでした。基本的に食塩泉(しかもかなり塩分が濃い)と考えていいのじゃないですかね。

ちなみに、湯の源泉を供給しているのはこの室内プールだけですが、ここの溢れ湯は、そのまま海岸べりのプールに流れ込む仕掛けになっているのだとか。また、その屋外プールに(温泉湯とは別に)供給される水もミネラルを含んでおり、要は温泉湯+井戸水の清潔水だとか。確かに、利用率の割に?藻も全く付いていないきれいなプールでした!


2.宿(Beechcomber Resort)について
立地からしてさほどの集客が見込めないからか、これまで4-5回オーナー(カンパニー)が変わり、現在のオーナーはオーストラリア系らしいです。施設としては、豪華さではなくのんびりまったりを求めるのであれば素晴らしい場所です。管理人であるTeleさんも話し好きで面白いし。

なお、自家発電ゆえ電気は22:00頃になると切れます。当然ファンも回らなくなるので夜は蒸し暑かった。また、海側に出る扉は網戸こそ付いてはいますが完全封印は出来ず(床部分は4-5cmフリーになっている)、蚊が入ってきます。蚊取り線香持参が望まれるところです。

部屋数は‥よく分かりませんでした。われわれの泊まった部屋の横にもう一部屋、奥にはもっとスペースがあるのですが、外から見るとそれなりに広そうに見えるんですが、個人用タオルが掛かっていたところを見ると従業員部屋?でもまさか1日2組限定とは思えないんですが(笑)。いやでもまさか?

ちなみに下右端の画像をご覧いただければわかると思いますが、「日帰り入浴」も可能なようです(笑)。


3.管理人のTeleさんについて
多分実質的な管理人さんなのでしょう。なぜなら、彼はここで働きだしてから26年の大ベテラン(36才ということですから10才の頃から下働きを始めたわけね)。お子さんは3人おられて、一番上の長女さんは現在向かいに見える島(Teleさん自身もそこの出身らしい)で学校の先生をしているそうです。

Teleさんはこの宿に住み込みで働いておられるわけではなく、ここから10分くらい離れた村(タカラ村?)に住んでいて、昼間はもちろんお客さんを待っていますが、予約がない場合は16:00-16:30くらいに宿の戸締まりをして村に帰るそうです。この宿の利用を考えている場合は(当日午前中でもいいから)予約は必須というわけですね。この日、われわれの到着は16:00ころでしたが、予約が電話で入っていたのでもちろん帰り支度はしていなかったそうですが。

さてこの「温泉(プール)」ですが、まずはそのすぐ上に描かれた壁画に目を奪われます。日の出の太陽をバックにしてカジキマグロは飛び跳ねてるわ、鯨はブリーチングしてるわ、磯にはヤシガニがかまえてるわ、なぜか海から突き出た島?からは滝が流れ落ちてるわ、奥の方では火山が爆発してるわ、それでも果敢にエアバヌアツ航空機は着陸しようとしてるわ(どこに?)、とにかくこの壁画がまさに一つのストーリーボードとなっていて、見ているだけでも飽きることがないんです。

さらにそこでたまげるのが「不思議な場所から飛び出てきたイルカの前半身(上中央画像)」。君はどこから出てきたの?という感じですが、その口からはどうやら湯が出る構造になっている様子。これだ!と思ってTeleさんに「打たせ湯をしたいんだけれど‥」とリクエストしてみたら、「ダメだ、源泉は熱すぎる」とのことで却下。しかし今考えてみれば、源泉バルブから最初出てきた湯はしばらくぬるかったよなぁ(パイプ内に残り湯があったため)。あのタイミングで湯をイルカ口側に回してもらっていたら、「イルカ源泉打たせ湯が楽しめたのに!」。ちょっと、いや、だいぶ後悔しています(笑)。

ちなみにこの温泉プール、室内ながらレセプション&レストランの真横にあるというのが心憎い限りです。温泉に浸かったあと、そのまま腰掛けて「ビールくださーい!」とリクエスト出来るということなんですね。屋外ならよくある話ですが、気にいったぁ!

というわけで、今度こそホントに「入浴」です!



ポンプが作動し、熱い源泉が注ぎ込まれます!もともと40度弱くらいあった湯はどんどん適温に!




「うかれてはしゃぐおしんこどん」

もっとも、これを撮影したTakemaも存分に浮かれていましたので念のため。

Wmv形式、728KB、18秒
で、温泉入浴をタンノーした後は、そのまま20m弱移動して、今度は「大海原を望む大プール」へ!



こ、こんなに幸せでいいんでしょうか!




「貸切プールをまたも堪能!」

温泉が入っているからか、水も冷たくはなくて快適でした。この日は波が高くて、時折プールサイドまでしぶきが飛んでくるのがまた一興♪

Wmv形式、1.06MB、28秒
唯一残念だったのは、ちょうど週末明けの月曜日だったからか、ビールがすべて売り切れだったこと(ちなみにこの宿ではちゃんと冷蔵庫で保管されています)。うーん、風呂上りに冷たいビールぷはぁは儚い夢と消えたわけね(翌日われわれがチェックアウトするころに補充されてました)。まぁ屋久島焼酎はたっぷりあったから問題はなかったんですけれど。

と、こんなふうに浮かれていた時、Teleさんから「今日の夕食は何にしますか?」とのご質問が。ちなみに夕食はメニューの看板を見ながら選べるわけで、タタミ半畳ほどの黒板にメニューがぎっしりと書かれています。場所柄シーフードもおいしそう、でもお客さんが少ないので新鮮さはどうなんだろうなどと悩みましたが、それならというわけで「Teleさんのお勧めは?」と、他力本願思考停止系の逆質問をいたしました。すると、

ならばということで、バヌ牛のステーキを注文いたしました。ちなみに出発前から「バヌアツ牛はうまい」と聞いていたので、機会を見つけてぜひ食べようすぐ食べようどんどん食べようとは思っていたのですが、うん、確かにうまかった!しかも自分としては旅行の終盤戦でもう一度食べた時よりもここの料理のほうがおいしく感じました。Teleさんの味付けが自分に合っていたのかな。



(ソースがかかっているので)肉がよく見えませんが、旨かった!というわけで、3人で記念写真。

すっかり大満足、しばし歓談のあと部屋に戻り、焼酎を飲みながら日記を書いているうちに全電源シャットダウン!そうか、Teleさんの気配はすでになかった(自宅に帰った)みたいだったから、タイマーで電源が落ちたのかな?この宿に泊まる方、充電は早めにです。というわけでおやすみなさーい。

明けて翌朝です。今朝はTeleさんではなく女性の方が朝の当番だったようです。そういえばマネージャーさん(この人は白人)もおられたっけ。さて今日の宿泊地であるEpau村までは直線距離で何と10kmくらいしかないみたいなので、思いっきりゆっくりご飯を食べて、テラスでのんびり。おっと、Teleさんも9時頃に出勤なさったので、再び記念写真を撮ったりして過ごしました。

さてさてそれでもそろそろ準備しなければいかんなということで、荷物をパッキングし始めます。まずは手荷物のデイパックの中身を入れ替えようとした時、Takemaは予告なくオドロキ桃の木びっくらドッキリ!




「何が出るかな何が出るかな!」

おっかなびっくり、リュックを逆さまにしてみると♪

Wmv形式、2.36MB、63秒

海辺の宿ゆえ知らないうちに部屋の中に入り込み、床に投げ出しておいたデイパックを「ちょうどいい隠れ家」として潜んでいたというところでしょうか?しかしまぁ最初にちらりとそのお姿を拝見したときのオドロキといったら、それはもう何と喩えるか、冷蔵庫から牛乳を引っ張り出して、コップにつぐのも面倒なのでそのまま直接ぐびっといったら、その牛乳がすでに腐っていることに味蕾細胞が気づき、急いでぐはぁと吹き出したときのびっくり感に似ているといったらいいんでしょうか?(子供の頃実際にあった事件。そのあと周辺のお掃除が大変でした(笑))。



ほほぉ、よく見ると抱卵してますね。気が荒くなっていたとか?

びっくらこきましたが、とりあえず上からバスタオルをかぶせてハサミの威力を封じ、表のテラスに追い出した訳なんですが、しばらくしたらなぜだかまたこの部屋に侵入しようとしています!というわけで今度は同様の手段で海の方まで運び出しました。着地した彼は、すぐさま近くの穴ぼこへと入っていきました。これで万事無事終了!

ちなみにこのカニ、どうやら食べられるものだったらしく、なんだかもったいないことをしたような‥(笑)。



よぉっし、今日もいい天気!

というわけで、今日のお宿(ただし民泊)であるEpau村へと出発です!
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