− 旅行記その9 いよいよEpau村へ! − 

ゆっくり10:00頃の出発となりました。タイヤの空気圧は昨日と変わっていないようでしたから、Epau村に行けば、人口は400人ほどいる村だというし何とかなるんではないかというわけで、そこまではやっぱり安全走行でいくことに。ま、直線で10kmならホントにすぐなんで全然問題なし。



海の真横を走ることは少ないんですが、時にはこんな休憩ポイントも。

すれ違う車も全くといっていいほどない田舎道をのーんびりと走っていくと、道の両側にどどんと大きな木が2本向かい合わせにそびえている場所があったのでちょっくら小休止。何にもない場所に見えたんだけれど、奥に続く小道があったのと、森の奥から鶏の鳴き声が聞こえていたりしたので、きっとこの奥にも小さな村があるんでしょう。実に平和だなぁ。老子の「小国寡民」にみられる理想郷をついつい想像してしまいました(実際は何かといろいろあるんでしょうけれどね)。



右側通行、怖いなぁと思っていたのが嘘のよう。だって誰も通らないんだもん。



全体は入らなかったので上部だけパチリ。おしんこどんの後ろには「合わせ技1本!」という感じで巨大化した木が。




「というわけでちょっとはしゃぐ」

気根がぶら下がってきていたので二人してPush♪‥と、タイミングを外してコケるTakemaでありました。

Wmv形式、1.32MB、32秒
というわけでEpau村に到着しました。この村に着いたら、海外協力隊員として赴任している「かわもっちゃん」とコンタクトをとることになっていたので、まずは木陰でくつろいでいた村の人たちに聞いてみると、思いもかけぬ答えが返ってきました。

げ、げげげっ!これは困った。村に着いたあとの手回しはすべて彼に頼りきるつもりでいたので、自分たちがステイするお宅の名前すら知らないのであります。うーん困ったなぁと思って、「実は今日、この村に泊めてもらう予定できたんですよ云々」と伝えると、ビシュラマ語かこの村独自の言葉かはわかりませんが、皆さんでああだこうだと話し合ったあげく「じゃ、この女の子たちが案内してくれるよ」ということになり、とりあえずは何とかなりそうな予感が。

案内された先では、レイタオさんという女性(左上画像)がわれわれの面倒をみてくださることとなり、これまた状況は嬉しい方向に。とりあえず今宵の宿に困ることはなくなったぞ。となれば、ついでにここ数日の「懸案」は解決できないかなというわけで、



登場したのは自転車用の空気入れ。でもなせばなるもの、ちゃんと圧が入りました!これで普通走行が可能になったぞ。

さて続いて案内されたのはわれわれの部屋というか「家」でした。とはいえ、実は車に空気を入れていた場所の隣なんですけれどね。しかも、まさか「一軒家」をあてがってもらえるとは思ってもいなかったので驚きでした。



駐車場付き一戸建て、ミニキッチンにリビング、寝室(2beds)もあって立派です。以前JICA隊員さんの住まいだったそうな(左端画像にマウスオンすると?)

ちなみに、自分たちの家のすぐ裏手にはなにやら別の建物が。前まで行ってみると、

おっと「OVEN」ということは、ここがかの噂に聞いた「パン工房」なのですね。毎朝早くから本数限定でパンを焼き上げ、朝のうちに売り切れることも多いとか聞いていたパン工房、しめしめここなら買いっぱぐれることもなさそうだし、ヒジョーによい場所ではありませんか!

しかし、結局われわれがこのローカル焼きたてパンを口にすることはなかったのであります。その理由はあとで明らかになりますが。

さてとりあえず宿の心配はクリアできたものの、実はまだ大きな問題が残っているのでありました。というのは、実はここの手配はSPTを通して行い、もちろん支払いも済ませているのですが、レイタオさんに伺うと、こちらにはまだ支払いが来ていないとのこと。支払いがらみの流れをわかっているのはかわもっちゃんのはずですがあいにく不在。うーむどうしたらいいんだろう?

レイタオさんと話しているうちに、話の流れは自然と「SPTに電話してみれば解決するはず」という方向へと進みます(至極当然ですね)。しかし電話は果たしてこの村に?あったんですねぇ、(たぶん)たった1台。

首都ポートビラとは無線でつながっているようです。ちなみに村の電力は一部の家にソーラーパネルによる発電があるだけです。

‥と、公衆電話ですから当然お金がかかるんですが、コインは使えずカード利用のみ。考えてもみなかったバヌアツテレカの購入に踏み切ったというわけです。で、いざ電話してみると、1つ目の番号は使い方は間違っていないみたいなんですがなぜか全然違う人が出る。SPTの関係者ならまだしもホントに無関係の人みたい。

2つ目の番号は何度かけてもお話中。あんぎゃー、にっちもさっちもいかないぞ。というわけで一旦あきらめてまた後でかけ直すことに。もちろんいざとなれば宿代をレイタオさんに一旦支払い、ビラに戻ってからSPTから払い戻してもらえばいいんですけれど、実はここにも問題があって、両替してきたVTがだいぶ心細い状態になっていたんです。いやー、バヌアツは滞在費がかかるなー。無駄遣いをしたとかおみやげを買ったわけでもないのに‥。外貨の両替ができない(という)タンナ島に渡るときには多めに持って行かなきゃと心に誓うのでした。

で、そんなこんなをしているうちに「お昼ご飯ですよぉ!」と声をかけられ、木陰のテーブルに行ってみると‥

この日のお昼ご飯はといえば、「アイランドキャベツとコンビーフ(?)その他の炒め物・スイートポテトココナツミルクかけ・ヌードルスープ・そしてごはん」。おかず3品とは何というゼータク!レモン水を飲みながら(暑いので汗も拭きながら)美味しくいただきました。おっと、その前に、昨日Emau村で買ってきたグレープフルーツ?をカットしてもらいました。ちょっと酸っぱかったけれど十分にいける味。

ところで上記支払いの件ですが、ひょんなことから解決しました。レイタオさんの親族とおぼしき人が「ほかにもJICAの隊員がいるはずだからちょっと行ってみようか?」ということでその方の家まで案内してくれたところやはり不在で残念と思ったら、目指すIさんががちょうど茂みの中から現れました!

Iさんにビシュラマ語で事情を伝えてもらい、「あとでかわもっちゃんに確認するからとりあえずあなたたちは支払わなくていい」というような流れになりました。さらにはそのしばらく後、「今日は帰ってこないはずだった」かわもっちゃんご本人が現れ(ご本人はもともと戻ってくる予定だったようです)、とにかくこれにて完全に一件落着。ふぅ。

昼食後は特に予定もありません。というわけで、村のお散歩第一弾「とりあえず海に行ってみようプログラム」(何だそりゃ)をスタートさせました!

Epau村は海沿いにありますが、あまり「海の村」という雰囲気ではありません。村内から海は見えませんし、踏み分け道ですぐに海までは行かれるにしても、たとえば漁業関係の用具とかは村内を歩いた限りでは見あたりませんでした(釣り竿くらいはあったんだろうと思いますが)。で、いざ海に出てみるとこんな感じ。ちょうど干潮だったのでしょう、浅瀬がずっと先まで続いていてタイドプールなどにはチビ熱帯魚がうろうろしていますが、浅瀬にはぎっしりと食べられないだろう系の海草が「茂って」います。そのずっと先、波打ち際あたりを見てみると‥。



ぐわー、いきなり波が荒くてスノーケリングどころじゃない!

と、波に果敢に立ち向かうあの女性は何をやってるんでしょうかね?そう思いつつ海草をプチプチ踏みつけながら歩いていくと、



干潮に逃げ遅れたお魚さん、われわれの通報により駆けつけた村の女性により夕食のおかずとなったのかしら?

そうそう、彼女たちはわれわれが海に来たときからずっと波打ち際や浅瀬にて狩猟採集にいそしんでいたのでありました。というわけで「何を捕っていたの?」と聞いてみたら、この日の収穫物は何とタコだったんですね。ただし「もともとタコ獲りに来た」のか「来てみたら偶然タコが獲れた」のかは不明です。



なるほど、ここにそんな立派なタコがいるとは思いもしませんでしたわ。

さてこの後は村の中を一回り‥と思ったらいきなりすぐに、「今日これから、そして明日の流れ」を暗示させる出来事が?しかし子供たちとのふれあいはたっぷりね。
[戻る] [次へ]