− 旅行記その14 はるかなりSunrise Bungalow −
というわけで、トラックタクシーの荷台に揺られての移動が始まりました。最初こそフラットダートを快走していましたが、レナケルの町を通り過ぎ、峠越えの道にさしかかると徐々に道の状態が悪くなっていきます。とはいえこの辺の道はまだまだ楽勝で、沿道の村々を行き交う人々に手を振り振り、いとも楽しき移動であったのです。そういや、このあたりのノリはさすが同じ民族系のPNG(パプアニューギニア)と同じですね。
荷台暮らしも、慣れれば結構快適です(特等席だし)。
しかし、楽勝だったのは島の南部に向かう峠まで。ここからは道の状態が悪くなり、右に左にと大きく揺られながらの移動となりました。いや何というか、車酔いしている暇がないって言ったら言い過ぎかな(それでも酔う人は酔うはずですから、不安な人は必ず酔い止めを飲んでおきましょうね。この道を行く以外他に方法はないんですから)。
うーん、こうやって見ると全然フラットダートなんだけれど、実際はえっちらおっちらヤレホレどっこいしょという感じです。
で、「地球の歩き方」に「タンナ島のガソリンスタンド」写真が出ていたような気がしますが、あの写真には「Shell」の看板が出ているからまだマシです。峠を下りてしばらく行ったところでわれわれのチャータータクシーも給油タイムとなったわけですが、ス、スタンドってもしかしてあれなの?
じぇったい普通の民家にしか見えないんですが‥で、これが給油風景。プラ容器から直接投入〜!
ちなみにこのあと何日間か同じタクシートラックをチャーターし続けたわけですが、考えてみれば何度も給油タイムがありましたっけ。つまり、「レギュラー満タン!」のノリで一気に何十リットルも給油することはなく(スタンド側にもそんな何十リットルものストックはないのかもしれませんが)、「とりあえず今日動ける分」のガソリンをちょこちょことつぎ足しつぎ足しというのがこちらの基本パターンであると理解した次第です。だからFuel MeterはいっつもENPTYのライン付近に張り付いたままで、最初は結構(自分だけ勝手に)いつガス欠になるかとドキドキしてました(苦笑)。
で、えっちらおっちら行軍しばし、ちらちら見えるヤスール火山がいっこうに近くならないので「こりゃまだまだ相当かかるなぁ」と思っていたのですが、んんん?何だか急にあたりが開けてきたぞ!
しかも突如として路面安定、ドライバーさんも「よぉーし、行くぞぉ!」とばかりに一気にアクセスを踏み込みます!うわー、ラリー車みたい!って、これまでに比べれば全く揺れません。これぞ舗装道路ならぬ舗装火山灰路!ちなみにこのタンナ島周辺では南(南東?)側からの風が吹いているので、吹き上げられた火山灰は北側のこちらに落ちるみたいなんですね。南側には火口のすぐ近くまで樹木が生えているし。
しかしこの日の南風の強さがフツーではなかったということを知るのはまだまだあとのことでしたが(笑)。
で、車はこれまでの鬱憤と人生の憂さを晴らすかのように一気に加速したわけですが、一方でわれわれにとっての「タンナ島の風になる」という期待は一気にしぼんでしまったのであります。もちろん僅かに雨が降っていたこともありますが、それよりも何よりも、
こっちの方が切実でした。吹き上げられた火山灰が南風によってこのあたりに降り注いでいる真っ最中だったわけですね。大した量ではありませんでしたが、60-70km/hで顔に当たる砂は細かくてもやっぱり痛いって(笑)。
と、いきなり車は平原のど真ん中でストップ。ピーターソンさんいわく、「写真タイムでーす!」。
あれがヤスール火山かぁ‥。この時は噴煙が上がっていなかったので静かに見えましたが、
現実に火山灰が降り注いでいたということは「大きめ爆発」のしばらくあとだったのでしょうね。
このあと少し疾走を続けると「川渡り」の場所に出ました。なるほどここが以前湖だった場所なんでしょうな(下流側が決壊して滝になった)。これまた見学させてもらいましょっと。
滝の写真を撮っていたら、何やらおしんこどんが歩いていく(右画像)‥やっぱり!(マウスオンで画像変更)
さすがおしんこどん、ツボを心得ておりますな。滝といえばおしんこどんをおいて他にないのは、バヌアツ2日目の「滝に打たれて般若心経」にてすでに証明されていることではありますが、さすがにここは滝下に降りるわけにもいかないし‥。で、彼女のそんな「真摯なる姿勢」は次の動画においてもさりげなく、かつ如何なく発揮されていたのであります(笑)。
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ここからは火山の裾をめぐるようにして再び樹林に入り、ジャングルオアシスバンガローやヤスール火山への登り口を通り過ぎ(ちなみにほぼ同じ場所)、さらに奥へと進んでいきます。そういや最初はジャングルオアシスに泊まろうかと思っていたんだよなぁ、結果としてそれよりも奥の宿に泊まることになるとは何だか不思議な気分でありました。
で、集落を通り過ぎてほんの少し(歩いて行かれる距離)、いよいよこれから3日間お世話になる「Sunrise Bungalow」に到着です!
ここが宿の入口ゲート、ちゃんとウェルカムドリンク付きなのがウレシイ。うれしさで飛び上がるおしんこどんは左上画像にマウスオン)。
宿の施設はといえば、2-3人用のバンガローが3つに大人数用が2つの全6棟+レストラン棟+シャワー&トイレ棟が1つというシンプルなものです。ちなみに当然のことですがシャワーは水オンリーです。電気が来ていないんだからお湯は無理ですって。ただ、この時期はいいけれど冬(日本の夏時期)はきついよなぁ。首都のあるエファテ島より絶対寒いはずだし。
ちなみに立地的には海がすぐ直下に(木の間越しに)見えるあたりにありまして、見晴らしはかなりよい方です。中でも1号棟(だったっけ、一番奥のバンガロー)が明らかにいいです。
これ(左上画像)が一号棟。晴れていれば小屋の前からこんな景色が。
こちらは食堂棟(左上)と大人数用テラス付きバンガロー(右上)。
1号棟の内部はダブルベッドが1つとシングルが1つ、ついでにくつろぎ用椅子もちゃんとあります。
そうそう、電気はないと書きましたが、実際には夕方の2時間くらいだけ自家発電により各バンガローとも裸電球が1個灯ります(笑)。さらには何と室内にコンセントあり!(もちろん大容量の電化製品は不可です。まさかここまで来てドライヤーを使う人もいないと思うけれど‥)。ただし1穴しかないので、たとえ消費電力が小さくとも一度に複数の充電は不可能です。
しかし今回のTakemaはデジカメだけでなくノートPCも持参していたので、やはり同時に充電したいぞ欲求がふつふつと。ふっふっふ、こんなこともあろうかと、ただの電源アダプターのみならず二股ソケットも持ってきていたんだもんね!‥というかアダプターに直接つなげるのは1個だけなんで、これも苦肉の策だったんですけれどね。おかげでこのエリア滞在中にバッテリー切れで泣きの涙にむせることはありませんでした。ヤスールの火山見物は「爆発がいつ来るかわからないのでほぼ常時電源オン必須」ですから、これは我ながら正解だったぁ。
こんなソーラーパネルもありましたが、実は別の場所に自家発電機が唸ってました。
妙に人なつっこいやせ猫君もおります。
ただーし!この日は前述してきたとおり風が強かったんです。それも「かなり」。となれば木と葉っぱから出来ているこのバンガローは風通しがとってもいい、というよりは良すぎてヤバヤバ感あり!窓にはガラスがありませんから、入口の椅子部屋(リビング?)側のカーテンはほぼ水平近くでなびいておりました。ベッドルーム側の窓は閉められるのですが、板張りの窓なので閉めたら昼でも真っ暗。
そう思ったのは事実です。たしかに見晴らしも良ければ一番風通しのいいのがこの1号棟。ということは「二兎を追うものは一兎をも得ず」のことわざ通り、「両雄並び立たず」の二律背反はTakemaをしていつものように「後悔先に立たず」系ウジウジ悶々の倶利伽羅峠的状態に陥らせたというわけです(意味通ってないって)。
しかし結果として天気が悪かったのは到着日のみ。やっぱり1号室で大正解でしたっ!
ちなみに海まではちゃんと歩道が付いています。下はリーフの内側ですので、干潮時にはスノーケリングでも結構楽しめそうな感じでした。やればよかったけれどやらなかったんだよなぁ(ちょっと後悔)。
さて、とりあえず人心地のついたところでピーターソンさんいわく、
来た来たぁ!カスタム製法の生カバによりTakema&おしんこどんはトリップならぬ「ドロン」を迎えられるのか?いきなり正念場がやってまいりました!結論はといえば、「Heaven & Hell」だったんですけれど(苦笑)、製作過程を含めて次ページでご紹介申し上げましょ。
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