来たぞ来たぞぉ硫黄島っ!

前日の昼過ぎに東京発の新幹線で博多まで。それにしてもJRよ、のぞみ号を増やしたのはいいけれど、おかげでひかり号の博多直行便が今やほとんどないじゃないのさ。驚いた。一分一秒を争う乗客ばかりではないだろうに。

そして夕刻博多に到着。天神方面に繰り出して博多の味を楽しむつもりが、ちくしょうこの日は日曜日ということでおしんこどんお勧めのクリスタルイカのお店は定休日。仕方なく一風変わったピアノ弾き語り聞きながら巨大イカ食べるぞ系の店へ飛び込む。そのあとはカラオケに行って時間をつぶし、0:02発の「ドリームつばめ」号にて一路西鹿児島へ。

鹿児島の公衆浴場はありがたい。この日は祝日だったにもかかわらず、いつも通り朝6:00からオープンしていたのだ。熱い湯にゆっくりと身体を沈め、まだかなり酒が残っている身体に強制的にムチを入れる。はぁよかった、あのまま船に乗ったらもんじゃ大王になるところだった(謎)。しかし、ぬる湯でさえ「あ、お湯をゆらさないで!」系の熱さだったのだから、「あつ湯」に入っていた人はすごいな。何はともあれだいぶ復活して駅構内で朝食&生ビール(おいおいまた飲んでるよ(^_^))をおいしく頂けたのも駅から6-7分で歩いていける西田温泉のおかげ。どうもありがとうございましたということですな。
 

埠頭の反対側にはトカラ行きの村営フェリー「フェリーとしま」と
奄美行きの「フェリーあまみ」が停泊していた。ここは島の国道だ(マウスオンして下さい)。
その反対側から、屋久島行きの「TOPPY」がものすごい勢いで発進していった。やっぱ早いな。
そしていざ「フェリーみしま」に乗船。うーむ知らなかったぞ、こんなに新しい船だとは(しつこいようだけれど2001年10月就航。つまりはまだ2ヶ月足らずだったわけですね)。何だかやたらにユーティリティスペースが広く、とにかくどこもピカピカ。それだけでも嬉しいのだけれど、島の人たちにとっては「フェリーになって車ごと船に乗り入れられる」というのが何より大きいらしい。自分の車を鹿児島市内に持っていくかどうかはともかく(交通状況が違いますしね)、検診車などが直接島内に巡回できるというのは、離島の医療関係にとってはさぞかし大きなメリットなのでしょうね。

そんなわけで、次にこのフェリーの船内風景をご紹介ということで。

 

やたらに広いユーティリティスペース。往きの船ではお客さんも少なく(33人)、
談話室は無人のことも多かったので優雅に利用。自販機で売っていたカップラーメンを
島内の昼食用にしっかりゲット。しかし不思議なのは船内の自販機、なぜかリポビタンDの
品揃えが異常に充実してたことですな。それだけの需要があるということなのでしょうか。




左の写真は「診療室」。お医者さんは定期的に島に在駐しているようですが、
こういう部屋があるということは、やはり「この船も村の一部」と考えて良いようですね。

さて、11:00にいよいよ出港。ちょうどこの前々日に東シナ海で海上保安庁の船が不審船から銃撃を受け(不審船は自爆したというやつですね)、その巡視船が今まさに鹿児島湾まで戻ってきているということで、船の上からしばらく目を凝らしていたのですが、さすが錦江湾はあまりに広く、そのお姿を見つけることはできませんでした。

前のページの写真のように、開聞岳を横目にしながら船はゆっくりと進みます。以前屋久島へトッピーで行ったときは、そのあまりの早さと外を眺められるユーティリティスペースの無さに閉口したものでしたが、やっぱり船の旅は甲板に出て潮風に吹かれるのが一番。特にこの船は大きさの割にいろんなスペースがあって結構楽しめます。それにしても、「ご自由にお読み下さい」の棚にバイク雑誌があったのはなぜなんだろう?

そんなこんなで船はいよいよ最初の寄港地、竹島に入港(13:50、定時)。その名前のごとく全山が竹に覆われているように思える。水はどうやってまかなっているのかな。

ふと気づけば今日は12/24、クリスマスイブだ。イブの夜を鬼界ヶ島で過ごすというのも何だかミスマッチっぽくていいなとは思うのだが、地元の人にとっては信仰そのものはともかくお祭りに違いない。ふと船の上から下を見ていたらこのような「積み荷」が今まさに島の人に引き渡されようとしているところだった。



うわーご馳走だご馳走だ♪。あれ、でも‥?

コンクリートの上に置かれているのはいわゆる「パーティ用詰め合わせ」。中には鳥唐揚げらしきものも見えたから、「ま、クリスマスってぇことだからね、今日はご馳走だよ」ということでこれはわかる。おやっと思ったのはおじさんが手に持っている「お寿司」。マグロ、イカ、数の子などのにぎりが見えているようだ(何だか人のうちの食卓をのぞいているようで気がひけますが)。しかし、ここは「島」。しかも硫黄島のように火山性の湧水があるわけでもないのだから、魚自体は自家調達できるはずではないのかな。そう思ったことからくる疑問だったのです。

でもこの竹島も海岸線はほぼ全てといっていいくらい崖になっているわけで、大物釣りを目指すアングラーならともかく、地元の人はそんなに釣りをするわけじゃないのですかね。そういえば港では漁船の姿も見なかったなあ(記憶にないだけかも)。

竹島を離れたフェリーみしまはいよいよわれわれの目的地である硫黄島へと向かう。しかし、島が近くなるにつれてどんどん雲が増えてきたと思ったら、なんとまぁ雨まで降り出した。どうも冬型の気圧配置が強まっているらしく、あとから聞いた話ではこの南の島でも冬型になると海は荒れ、天候も不安定になるということなのだ。考えてみれば屋久島がそうだったのだからこの島だって当然のことなのですな。



さあ、フェリーみしまはこれから黒島に向けて出港です。
固定ロープを外そうとする係員さん、足の上げ方がニクいですねえ。

雨の降りつける中船を下り、幸い宿は港からほんの僅かの距離だったので早足でそちら向かい、部屋に荷物を降ろしてふと窓の外を見ると、いつの間にか雨はやみ青空が出ておりました。港に戻り、黒島に向かう船と別れを告げることに。明日以降の天候が不安定化するということで、本来1泊2日運航のはずのこのフェリー、今回に限っては日帰りで鹿児島に戻ってしまうというのです。次に鹿児島行きのフェリーが出るのは「今の予定では」3日後。しかし本当に3日後に帰れるのか?それは天気のみぞ知るわけですね。

しかし、明日から天気が荒れるのかいな。ちと不安な気持ちにさせられながらも、まずはめでたく硫黄島到着っと。