うひょお!絶景の東温泉 -その1-



豪快そのものっ!

さて、まず最初の温泉はこちらの東温泉。露天風呂マニアの方々が作る「全国露天風呂ランキング」みたいなものにもこの温泉は紹介されていて、一番評価の高いランキングでは「No.3」、平均してもベスト6位くらいのところに位置している。北は北海道から南は沖縄まで、星の数ほどある温泉の中でこの順位はあまりにも立派な位置!。

しかしネットで「東温泉」を検索してみるとわかるのですが、実際に入った経験を持つ人が思ったよりも少ないことがわかります。そう、やはり場所がネックとなってなかなか行けない人が多いのでしょうかね。

というわけで、硫黄島をめざしながらもなかなか足を延ばしきれない方々にはまことに申し訳ありませんが、私ども、この温泉をタンノーしてまいりましたので、皆様今後のご参考にまずはご覧下さいませ。
【温泉への行き方】

港から俊寛堂方面に延びる車道を進みます。道路分岐ごとにあるといってもいい木の標識(これは本当に親切丁寧で、おかげで地図がなくても迷わない)通りに進んでいくと海岸に出て、少し進んだところに駐車場があります。舗装はもう少し(とはいっても数十m)先まで伸びていますがここに停めましょう。しかしここからはまだ露天風呂は見えにくい。ま、そこからはとことことコンクリートで固められた歩道をせいぜい100m。そうすると‥。



あれま露天風呂の跡が。

最初に眼に飛び込んでくるのがこの「露天風呂跡」。最初にこれが目に入ってくることになるので「まさか、今はお湯が出ていないのか?」と一瞬ひやっとするかもしれませんが、古くからある湯船はさらに奥ですのでご心配なく。この風呂跡は数年前まで使われていたそうなのですが、湯の湧出場所からの送湯管が台風で破損してからそのままになっているということです。ただ、島の人によれば「そのうち直そうと思っています」ということなので、期待してますよ。

ここからはせいぜい20mというところでしょうか、崖を回り込むような形で歩いていくと、湯気が上がっているのが見えてきます。そしてすぐに、ここまでしぶとく見えていなかった湯船がいよいよ嬉しいその姿を現してくれます。

 

左の写真が全体図です。奥に見える岩がいい景色作りに一役買っています。そしてお湯はといえば妙に緑っぽい。これは空の色の反射とは関係はなく、では緑のコケの色なのかといえばそれだけではなく、やはりお湯の色そのものも多少緑がかっているようです(確か泉質はみょうばん泉)。湯船の底は平らにはなっておらず、というよりも自然の凸凹そのままで、一番深いところでは胸近くまでの深さがあります。くれぐれも湯船の中でこけないようにしましょうね。

なお、お湯はかなり強烈なアルカリ性らしく、飲むとひどい味です。さらにうっかりお湯を目に入れたりするとしっかりしみます。傷口があったりしたら因幡の白ウサギ状態になるであろうことも覚悟したほうが良さそうです。後で聞いた話では東温泉は泉質がキツすぎ、毎日入ると肌荒れしてしまうということで、案外地元の人は入りに来ないとかいうことでした。

今度は右上の写真。手前の湯船をアップにして撮ったものですが、実際手前の湯船ははるかに小さいです。そしてこの手前の湯船にどっぷりと浸かれる人はえらい!えらすぎる!というよりは人間業じゃありません。というのは、この手前の湯船、どうやら人様が入浴するために作られているわけではなく、「源泉の熱湯の温度を下げる」ために作られた「ため湯」のようなのです。うちらがここを訪れたのは冬ですから、このため湯の温度はかなり下がっているはず。しかしどうあがいても入れる湯温じゃあなかったっ!(おしんこどんチャレンジ)。ちなみに、この写真を撮っているすぐ後ろに源泉(岩の割れ目から湧きだしている)があり、それを半分コンクリで固めた導湯管でこの「ため湯」に流し込んでいるわけですね。源泉からすぐなんだからこりゃあ入浴不能だ。

この東温泉には2日連続で入浴しました。シーズンオフだったからか、のべ4時間くらいウダウダしていたにもかかわらず誰も来ない(だって船も欠航してましたしね)という至福の時を堪能していたわけですが、いかんせん初日は北西風が強かった!そのあおりを受けて南側の東温泉も高波状態でした。海の穏やかな時期に入られた方には信じられないでしょうが、波がほぼ湯船全体にバシャーッ!この湯船は波打ち際からかなり高い位置にあり、しかも斜面状になっていますから、一気に波がほとばしることはなかなかないらしいんですが、やはり冬の季節風はすごいもんですな。



波が源泉下の窪みに当たり「ドォーン」と鈍い音を立て、次の瞬間ものすごいシブキが上がる。
でもすごい時はこんなもんじゃない。湯船にいながらうっひゃぁシャワーだもん。


白い波が真下まで打ち寄せていますが、こんなのは子供だましみたいなもんですね。でも翌日来てみたら、これがいかに普通ではないかということを実感しました。だって、北風の余波でこれだもの。

それでは、お次のページではさらにこの東温泉でウダウダしてみたいと思います。