槍ヶ岳の頂上貸し切り、赤ワインもうまい!


槍ヶ岳の肩、すなわち小屋のあるところは標高が3100m。だから頂上まではたかだか80mということになるが、そのほとんどは手づかみ足つかみの登降。慣れない人にはビビリまくる場所でもあるし、渋滞!にはまったらひとたまりもないところである。しかし、渋滞に関してはコツがある。午前10-11時頃、すなわち「出発しちゃった人はもういないし、ここを目的地にしている人の多くがまだ到着していない」、この時間が槍のエアポケットタイムなのである。自分たちが登りだしたのが11:30ころ。でも、みなさんそろそろ昼食ということで登る人は少ないわけでした。

 

そんなわけで、頂上もほぼ数人でのがらがら状態。さらにしばらくの間は、誰も登ってこない、完全に独占の状態になったのでありました。あたりはガスが上がってきてしまい、切れ目から下がときどき見えるくらいの展望しかなかったとはいえ、8/1という、夏山シーズン真っ盛りの真っ昼間に槍の頂上貸し切りというのはそうそうあるもんじゃないでしょう。というわけで、赤ワイン飲んでゆっくり。しばらくたって、人が上がってきたので祠付近でバカな写真を撮ってもらい、思い残すことなく下山。

で、途中、何名もの人たちが頂上を目指して登っていきました。自分たちが小屋の前まで下りてくるやいなや!「ポッ、ポツッ、ポツポツ、ザ、ザ、ザザ、ザザー」とまあ、一気の夕立ち自分たちは小屋の食堂に入ったので、中から「うわぁ、ベストタイミング!」とかなんとか騒ぐだけで済みましたが、槍の壁に張り付いてた人たちは「し、しまった、い、いかん!」と、泣き顔になっていたことが容易に想像されます。はぁ、よかった。

そのあとは何だかガスの中から太陽が顔を出すくらいのはっきりしない天気。おしんこどんはテントでお昼寝タイム。Takemaはテント場の近くで何することなく日本酒なぞ飲んでいたところ…


おおっ、久々に見ましたなぁブロッケン現象!ここ現象は、太陽−自分−ガスが一直線に並んだときに見える現象なのですが、太陽の位置もあって、平地ではまず見ることができません。かつてヨーロッパ人が海上でこの現象に遭遇してこのような名前を付けたわけです。ま、虹の一種みたいなもので、この写真では撮りきれませんでしたが、真ん中に映る自分の影の周りには丸い虹が浮かびます。で、自分が手を振れば影も同じ動きをするわけで、昔の人はこれに神的な扱いをしていました(名前は忘れてしまいましたが)。ガスっている時に突然晴れ間がのぞいたとき、ガスの渦巻く谷の方を見ると、運が良ければ見ることができます。ま、実際はもっと小さくしか映らなかったんですけれどね。ズームで撮ったんで多少インチキです(爆)。
そんなこんなで、いよいよ明日は下山するだけ。槍沢を下って上高地に下るか、それとも新穂高温泉に下りて温泉で一泊するか、かなり悩んだんですが温泉は捨てがたい。というわけで、飛騨乗越から新穂高まで下ることにしました。長かったぁ!