− 湯西川界隈をうろちょろと(その1) −

約ひと月ほどまったくお出かけをしていなかったので、「なまった身体に活!」を入れるべく日帰りでお出かけしてきました。おしんこどんは所用で(友人の個展を見に行くとか何とか)行かなかったのですが、単独お出かけなのになぜか移動の足はバイクじゃなくて四輪。何だか山の上の方は寒そうだなぁと思ったのが最大の理由なんですが、衰えたなTakema!(自虐)。

まぁそれはともかく、出発は朝8:00ころ。家から200mくらい走ったところでガソリンを入れて(ついでに空気圧も調整してもらって=運行前点検もばっちりですな)、あとはひたすらどどんがドンという感じで東北道を北上です。日光宇都宮道路の今市ICで一般道に降りたあとは、県道経由で大笹牧場まで上がっていきます。空は快晴風は無し、ついでに通行量極少というわけで(まぁここはいつでも結構少ないんですが)。こりゃやっぱりバイクで来た方が楽しかったかなとちょっぴり後悔しつつ、牧場から一気に栗原村の「四季の湯」めがけて降りていきます。



ほらぁ、気持ちいいんだから♪

さて「四季の湯」はおみやげ屋さんに付随した施設なんですが、今回はこちらには用がありません(以前入ったことがあるしまぁいいかと)。実は、用があるのはその真向かいのGSだったりするのです。それは‥GS敷地のすぐ脇に、なぜだかこんなものがあるからなのですが‥。

木の「箱」(というんだろうか)に、なぜだかとうとうと温泉が流しこまれています。状況から考えても施設で使った後の汚れ湯というわけではないでしょう。そして手を入れてみると‥暖かい。この季節にはちょっとぬるく感じられますが、決して入れない温度ではありません。しかしだからといって!

そりゃそうだ、反対側の四季の湯にはお姉ちゃんもおばさんもライダーもうろうろしているわけだし、ここを狙うなら人目につかない時間を選ぶしかありません。いやちょっと待て、別にそこまでして入りたいわけじゃないTakemaです(ホント)。それはともかく、何の目的で設置されているものなのかがわかりません。しまった、このGSでガソリンを入れてついでにさりげなく聞くべきだった(後悔)。とりあえず手湯だけで我慢し、先を急ぐことにしましょう。

ここからは土呂部を経由して山越えの道を湯西川温泉へ向かいます。ところでここから福島県の湯ノ花温泉へと抜ける田代山林道、最近はずっと通行止めみたいですね。昔CB400SFでわっせわっせとこの長大林道を走った(ついでに会津田代山にも登った)ことを思い出します。懐かしいなぁ。湯西川への舗装林道も、雪が来たらもちろん通行止めになるので、今年最後のお楽しみといったところ。とはいえ、バイクじゃないとちょっと退屈。

さて、今回湯西川温泉を訪ねたのにはわけがあります。これまで何度もこの地には来ているのですが、まだここの公衆浴場に入ったことがないのです。いや、正確にはあるにはあるらしい公衆浴場の場所も知らないのです。もちろんどんな風情なのかも知らないぞ。というわけで、今回は野湯ではなく「共同浴場を見つけて入ろう!」というのが目的なのですね。

役場前の駐車場に車を停めていよいよ探索開始です。「探索っていうけど、聞けば一発で分かるんじゃないの?」と思われる方もいるかも知れませんが、自分にはどうも変な癖があって、なぜだか自分の力で見つけたがるのです(こういうタイプって、年をとるとすごいガンコおやじになりそうな気がする(笑))。しばらくうろうろして全然関係のないエリアを彷徨し、いいかげん「こりゃだめかなぁ、やっぱりわからないかなぁ」と思いつつ歩いていると‥おおっ!神はTakemaを見放さなかった!



見ぃつけたっ♪しかも有名温泉にそぐわぬ素朴な共同浴場でした!

「え、こんなところに?」と思えるような場所にあるのですが、入口が奥まっているだけに案外わからないのがミソ。こりゃ案外に観光客じゃ見過ごす可能性が高い!ついでにこの公衆浴場は地図にも載っていないので(自分が見た限りでは、ですが)、やはり地元の人以外にはあまり知られていないのかも知れません。

入口左側に書かれた注意書きに「住民以外の利用は不可」の文字がないことを確認して(こういうチェックは大切です)、カラカラと戸を開けてみます。すると脱衣場の真正面には地元のおばさまが着替え中(ちなみに着終わるタイミングでしたのでよかったですが)。この瞬間、「うわ、間違って女風呂の入口を開けちゃったか?」と一瞬極度のキンチョー状態に陥りますが、冷静に考えてみるとこの浴場の入口は一ヶ所しかないのでした。

「あのぉ、入ってよろしいんですよね?」と妙におどおどした声で可否を確認し、「はぁどうぞ」とのおことばを受けてやっとおずおずと脱衣場へ(その距離はたった3歩だけですけれど)。いやぁ、こんなに有名な湯西川温泉の共同浴場がまさか完全混浴だとは思いもしなかったので驚きました。というわけでおばさまの横でさっさと脱衣し、ささっと湯船方面へ。



こ、これは極上の共同浴場!スンバラシイ!

いやぁ、ホントに風情も清潔さも満点です。すぐ近くを大勢の観光客が歩いているとは全く思えない、鄙びた感じが何とも素晴らしい。浴場内も清潔に保たれていて、それもそのはず、掲示を見ると「1日2回清掃しています」とのこと。無人の施設ですが大満足、こういうところだからこそちゃんと協力金(200円以上、それでも安い!)を支払って入りましょうね。グループで行くのもおすすめできません(日本人の常として団体になるとどうしても傍若無人になりがちなので)。

おばさまが出ていったあとは、日曜の真っ昼間だというのに完全に貸し切り状態でした。はぁ、気持ちよかった(幸)。



ほっこりしましたぁ♪バイクで来ていたら体が冷えている分もっと幸せだったかも。

さて、湯に浸かりながら窓の外の景色を見ていると‥

そう、真正面に「非常に興味深い何か」が見えたのです。近くにはパイプが何本か伸びていて、そして目立たない場所ながら小さな看板。「‥の湯」とか何とか書いてあるような‥。こりゃ行ってみる価値大ありです。というわけで、共同浴場の湯をタンノーしたあと、そちらに向かってみました。

行ってみたらこれまたすごい場所に湯が注がれていました。いやぁ、何がすごいってまずはその1に景観。川の真横にこんな極上湯があっていいんでしょうかと思うほどの素晴らしい立地条件。しかもすぐ横の川(淵)には岩魚だか山女だかの魚たちが群れをなして泳いでいます。うわぁいいぞいいぞ!よぉっしぱぱっと服を脱いで入ろうか!だけど‥

しかし物事はそうそう都合よく行かないのが常です。「何がすごいその2」はちょっと問題だったりします。これについて、まずは下の写真をご覧下さい。

ご覧の通り川の真横です。対岸には他の建物(宿)が見えていますが、「あちら側から丸見えだ」というのはさしたる問題ではありません。逆に向こう岸の宿の露天風呂も結構こちらから見えていたりしますからお互い様です(そうか?)。

問題は、「この写真はとある橋の真下から撮ったものである」ということなのです。橋そのものは歩行者専用橋なのですが、専用橋だけあって、物資の移動等地元の人の生活道路としては機能していません。ということは‥そこを通るのは「物見高い観光客」ばかり。これが大きな問題だったりするのです。

この日は観光客そのものの数がかなり少ないようには感じました。紅葉もすっかり終わっていますから、雪がつくまでのつかの間のオフシーズンと言えなくもありません。でも川沿いを歩いてくる人はそれなりにいます。自分は「人が切れたその隙をついてささっと脱いで入れないか?」とタイミングを計りつつ「その時」を待っていたのですが、看板も何もないことから目立たぬただの湯とはいえ(ちなみに源泉は川向かいの旅館さんのものだそうです。雰囲気からして無料で開放していると思われます。金井旅館さんでしたっけ、ありがとうございます!)、Takemaがそこにポツンと座っていると、人は

と思い、わっせわっせと近寄ってきてしまうわけですね。その状態でボーっとしているのも何なので「仕方ない、足湯でごまかすか」と思ってやっていると、はるか遠くの方から「あの人ズボンまくって座ってる!あそこ、足湯だよ!行こう行こう!」という声が。

それでもしばらく足湯姿勢のまま「皆様、早く足湯に飽きてくださいませm(_ _)m」と願ったりしていたのですが、血は血を呼ぶ、人は人を呼ぶの慣用表現通り(そんなんないけど)、気がつけばこの場所だけお客さんでごった返してしまい、仕方なく気がつけば10数人にまでふくれあがってしまったこの湯をあとにすることにしました。ま、ここは昼に入るのなら平日に来るしかないようですね。



さっきまで一人だったのに‥橋の上から。しかしここで休日の昼間からマッパー入浴しようとした自分も笑える。

というわけで露天風呂入浴は叶いませんでしたが、本来の目的である湯西川の共同浴場入浴については満足できたのでもちろんよし。続いては「初夏のリベンジ」に挑戦です。果たしてどうなるのか?野湯の可能性も含めて高ぶるこの思いの行先は?

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