− その15 思いがけず方向転換、巣郷のドライブイン温泉へ −

朝方はどうも寒いなと思ったら、外にはすっかり霜が降りておりました。もっとも考えてみればずっと暖かな日が続いていたし、天気も「まずフツーはこうはいくまい!」というくらいに上天気が続きましたから、まぁこれくらい冷え込むのは十分に許容範囲というところでしょうかね。

さて今日は栗駒峠まで上がり、秋田須川温泉で展望風呂でも楽しんでこようかという計画です。ただし夏場なら小安峡温泉から一気に上がってちょちょいのちょい的距離ですが、この時期は肝心な最終区間の県道が冬期閉鎖期間にあたっているので、何と稲川−増田−東成瀬を経由してぐるっと3/4周しなければなりません。岩手側から上がってくる道も閉鎖中ですから、唯一上がれるのは秋田側のみ。だからこそGW中でも比較的空いているんですけれどね。

というわけで、ぐるるーっと1時間くらいかけて東成瀬村の最終集落まで来た時のことです。この先にゲートがあることは知っていましたが‥。


写真がないのはちょっと残念。

ゲートには何人かの係員さんがおりました。この時期この国道は夕刻から翌朝にかけてだけ通行止めになるはずなんだけれど‥と思いつつ窓から顔を出してみると、「すみませんね、この先は通行止めです」というお言葉とともに次のような紙を渡してくれました。



うわ、今年は通れる時間がほとんどないっ!午前と午後のそれぞれ1.5時間ずつを除いては全て通行止めとは!確かこの道の上部には「いかにも雪崩が起きそうな or 実際に起きた」場所が何箇所かあるのですが、例年はすでにメインの雪崩跡を念のため警戒しているという感じでした(周辺でも小規模な雪崩が起きることがあるので)。しかし日中丸々通行止めにしているところをみると、どうやら今年はまだその「メイン雪崩」すら起きていないということなのでしょうね。

というわけで、残雪の多さはここでもわれわれをしっかり足止めしてくれたというわけなのです。せっかくここまで来たのになぁ。仕方ない、とりあえずは戻りましょ。



村内のあちこちで神社のお祭りが催されておりました。子供たちもおそろいのハッピを着て嬉しそうだったなぁ。

さて、戻りながらも「次なる目的地」を考えないわけにはいきません。今回の旅行目的の一つに「横手の焼きそばを食べる」というのがあり、そのため事前に「二輪便利帳」のちんさんに「おススメのお店はどこか」ということまで聞いてありました。ならばそろそろお店も開き始める時間だし、横手に行ってみようかという気にもなってきます。

しかし、もう一つ食事がらみの案件がありました。それは「食事をすれば温泉貸切入浴無料のドライブイン、しかもそのお湯は濃厚な油臭付き!」というもの。

しばし悩みましたが、やはり温泉付きというのは大きな魅力です。というわけで方針転換、いざ湯田温泉方面へ向かうことといたしました。ちんさんごめんなさい、おススメ食堂訪問はまた今度ということで。

さて、向かうは峠越え国道の頂上部分に位置する巣郷温泉の「でめきん食堂」。巣郷温泉にはいくつかの入浴施設があり、国道を挟んだ向かいにも「峠の湯」という日帰り入浴施設があるのですが、源泉は別だし、また個人所有の温泉に入れてもらえる機会はそうそうありません。というわけで、まずは開店直後のお店に入り料理を注文すると同時に温泉入浴をお願いすることに。するとお店の方いわく、「今ちょうど別の人が入るところだから、先に食事を食べてからどうぞ」とのことでした。ちなみに先客は大型トラックの運転手さん。さすが、運転のプロはちゃんとわかってるのね。

というわけで馬刺し定食を注文。う、うわっ!



こうして見るとそうでもないように見えますが‥

さすがドライブイン!ご飯も含め、少食系のTakemaには限界ぎりぎりの量でした。ちなみに馬刺しもやや厚めスライスが全12枚!結構ヒーコラ言いながら完食しました(笑)。別の料理を頼んだおしんこどんも同様だったようです。

さて、お腹いっぱいになってすぐ入浴というのはちょっくらキツイものがありますが、幸いなことに?先客のドライバーさんはゆっくりと長湯を楽しんでいるご様子。おかげでお腹が落ちついた頃に「どうぞぉ」となりました(皮肉表現ではありませんので念のため)。

さて、お風呂は‥。こうして見る限りは旅館のお風呂を多少狭くした感じともいえますが、浴室に入ってすぐわかるのはその「臭い」。石油というか何というか、とにかくそれ関係の臭いがぷーんとするのですね(ただしそれほどキツイものではないです)。確か新潟エリアにはこのような油臭のする温泉がいくつかあるということですが‥。

このドライブイン湯の存在は、たしかゆささんのサイトで知ったと記憶しているのですが、源泉の蛇口はただの網ではなく、湯船の奥深くまで縦に伸びる箱形のパイプが伸びておりました。たぶんこのパイプの中に湯の花キャッチ用の網が入っているんでしょうね。ちなみにこれまたゆささんサイトのうけうりによれば、この温泉はもともとお客のためではなく、お祖父さんが「温泉入浴したいから」ということで掘ったのだそうな。掘れば出る場所なんですけれど、何ともうらやましい話です。

お湯はほぼ適温で湯ったりしました。時折源泉を出して掛け流ししながら‥‥ふぅ、何ともよろしい湯です。それにしても今回は施設利用の場合も貸し切り湯がかなり多いなぁ。



こちらがドライブインの全体図です。国道沿いだし手前にも看板はたくさん出ているので、迷うことはないでしょう。

さて、ちょっと早めに木地山キャンプ場に戻ってきた後は、キャンプ場の周りを軽くお散歩してこの日の活動終了です。ふぅむ、あんなところにあんなエリアがあったのね、来年は是非!(めくるめく欲望あらわ@ヒミツ)。



キャンプ場の湯源泉エリアにて。ちなみにこぼれ湯は一滴もありません(笑)。

さ、明日はいよいよ撤収、帰らなきゃ。とはいえ思う存分寄り道していくんですが(笑)。

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