− その8 どこからどうやって入りこむべきなのか、悩みに悩んだ「片山地獄」 −

さてこの「片山地獄」ですが、今回初訪問を果たすまでには数々の紆余曲折がありました。特に去年のGWには、「距離は大したこともないし何とか山越えで入れないか」と、いくつもの道なき道の藪をかき分けたものです。そしてその結果は‥あえなく敗退。やはり豪雪エリアの密叢帯をなめちゃいけませんね(笑)。

というわけで今年は先人のお知恵を拝聴した上で、何とか行くことが出来ました。それにしても、「ぎりぎりの知恵」とはまさにこのこと?(謎笑)。



途中にあったお地蔵さま。お供えは誰がしているのだろう?

というわけで、旧遊歩道を歩いていきます。整備そのものはしばらく行われた様子がないですが、道そのものはその痕跡を濃くとどめている場所が多いです。



ぽくぽくと歩いていきます。

途中にはNo.2地獄なる湧出口がありました。見たところかなりの劇熱泥湯のように見えましたし、厳重に柵で囲われているのでタッチはしませんでしたけれど。さすがに周辺随一の地獄地帯ですなぁ。



となると、「No.3地獄」っていうのはどこにあるんだろう?それとも片山そのものなのかな?

いよいよ片山地獄の入り口までやってきました。いくつもの小沢には立派な木造の橋が造られていたりしますが、中には豪雨時に流されたのか使えない状態になっているものもあります。

なお、この(旧)遊歩道は「できるだけ噴気口を避けて」ルートが組まれていたようです。というのも、野湯ファンの方なら当然ご存じだと思いますが、こういう場所には多くの噴気口があり、中には地面の下が大きな空洞になっている場合もあります。もし万が一それを踏み抜いたりすると大やけどは間違いなし。地面の上から見る限り、どこに空洞があるのかを判別することは不可能ですから、歩道から離れて好き勝手に歩いたりすると大変なことになる危険性大というわけです。



というわけで、出来るだけ歩道に忠実に歩いたわけです。ええ、たぶん(笑)。



歩道上には指導標がちゃんと置かれてありました。撤去されていないということは‥?

さて、奥に向かって歩いていくと、小さな橋が架けられていました。ん?その橋の下あたりは少し深くなっているみたい?というわけで、「変なところで手間を惜しむ」我々は、ここを最初の入浴目的地として定めることといたしました。



小さな橋をはるか上方から見たところ。奥の方がどうなってるのかも何となくわかります。
んでもって橋の下あたりはというと‥(上画像にマウスオンすると拡大画像に変わります)




ということで橋の下でめでたく入湯です。初めて片山地獄の存在を知ってから何年かかったのかなぁ。

さて、上の入浴写真にもあるようにこのあたりはどこに地熱で熱い場所があるのかわからないので入浴時もビーサン着用なんですが(でも自分だけだったりして(苦笑))、川底になっているあたりは堆積等で熱い場所はなかろうと思っていました。特にこのあたりは下に砂が堆積していましたから‥。しかしさにあらず、この入浴場所の2m下流は熱湯が噴出していてビックリ。まぁ考えてみるに、浸食で湯脈がダイレクトに出ているとすれば、砂や細かな砂利を通して湯が上がってくるのはあたりまえのことですね。

さて、このあとは少し周囲をお散歩してみましょう。

上流域はかなりの場所で湯の噴出が見られており、入る場所はそれなりに限定されます。ちなみにTakemaは上写真中央下手の小広くなった部分でも整地して入ってました。幸い底部からの湧き出しはなく、また湯そのものも思ったほど熱くなかったので結構快適でした。もっとも、あまり深く掘らなかったので寝湯姿勢でしたが。ちなみに、上画面にマウスオンするとかなり上部の熱湯ブクブク画像に変わります。

この辺が中流域というところでしょうか。思ったよりもトータルの湯温が高くなかったせいか少しぬるく感じる気もしましたが、左岸側からは新たな湯の流入も少量ながらあることから、場所を選べば結構いい場所もありそうです。

こちらが下流域。枯れた大木がオブジェ状に乱立しています。このあたりはちょっとぬるかったです。ちなみに流れが見えなくなるその先で別の冷たい沢が流入してしまうので、入浴スポットはこのあたりまでというところでしょうか。まぁいずれにせよ色々な場所でマイ湯船を造れるというのは確かなようです。
来たぞぉいつもの動画!(8)

「片山地獄を俯瞰」

入浴場所の橋から少し歩道を上ったあたりからぐるっと撮ってみました。

WMV形式、583KB、18秒

というわけで片山地獄の湯も何とか入ることができました。というわけでそろそろ宿へと向かいましょうか。ここで県境の峠を越えて、目指すは秋の宮温泉「新五郎の湯」です!2日続けての宿泊まりですが、なぜこの宿なのかはいずれわかることになります。気に入りました!

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