− その9 川原でお風呂手作り大作戦と新五郎の湯(1) −

というわけで、今宵の宿は秋の宮温泉。今回は300年以上の伝統を持つ「新五郎湯」さんにお世話になることにしました。もともとは湯治系の自炊宿だったそうですが、今は1泊2食付きの滞在も可能とのことで、思わず予約の電話時には「え?食事付きもできるんですか?」と聞き返しちゃいましたっけ(笑)。

また、現地におじゃまするまで知らなかったのが「宿名の由来」。わたしゃてっきり「もともと五郎の湯っていうのがあって、その後新たに作られたから「新」五郎の湯なんだろうな」と思いこんでました(笑)。ちなみにこちらの主人は代々「新五郎」を名乗ることになっているのだそうな。

リーズナブルな料金でゆっくり出来るというのは何ともありがたいことです。まずは通された部屋にてビール(何と生ビールもあって感謝感激)をぐびぐび、プハー。思わず畳の上でゴロゴロとしちゃいました。‥し、しかぁし!このままのんびりとしてはいられません。ここ秋の宮で、日が暮れる前にぜひとも行きたいところがあるのです。それは‥。

「川原の湯っこ」。どうやら川原に湯が湧いているから掘りたい人は勝手に掘って入ってねということなんですね。しかも、川原への降り口には屋根付きいす付きの休憩所まで用意されています。いたれりつくせりという感じです。



何と、掘り道具まで準備されています!

しかし、ここには大きな問題が壁のようにそそり立っておりました。それは「季節」。GWといえば。春といえば雪解け。雪解けといえば‥そう、どうあがいても川が大増水しているに決まってるじゃないですか!

実はここに来る前にもいくつかの川湯を訪問していたのですが、いずれも目的地とおぼしき場所は川のど真ん中に没しておりました。ということはここも‥という不安が頭をもたげます。休憩所にある写真を見ると、川原のかなり中央部を掘り込んでいるようですが、この日の現地はといえば、場所によっては川原の端まで水が来ちゃってるんですわ!



こんな感じで、川原がほとんど無い状態ですがな。

でも、天は我々を見放しはしませんでした!僅かに残った岸の水際部分からも湯がしみ出ていたのです。掘っても泥湯になっちゃうのは致し方ないところですが、なぁにお湯には違いない。というわけで掘りましょ掘りましょ、掘って掘って掘りまくりましょ行動に出たTakema&おしんこどんでありました♪



先人が掘りかけてやめたとおぼしき穴に手を加え、広く深く掘るんだジョー!



だいぶ深くなってきました。川原だけあって石が多いですが、案外掘りやすいです。



川の水が入り込まないように、慎重な土木作業が続きます。



というわけで、一応これで完成ということろでしょうか。

しかし、湯の花の堆積による泥湯ならともかく、これではホントの「土湯」という感じですから、見た感じはあまり「全身入浴願望」が湧いてこないのも事実です(笑)。それに辺りもだいぶ暗くなってきたし、夕ご飯の時間が近づいてきたこともあって、この日は「足湯」のみで満足してあげることにしました(というか、そもそもここは全身入浴用に開放されている訳じゃないんだろうなぁ)。



というわけで、珍しく服を着ております(笑)。

しかしこれでおしまいという訳じゃありません。明朝に再訪し、泥の成分が沈殿した「すまし湯」になっている状態で全身入浴を果たそうという野望はちゃんとありました。よって翌朝、我々の起床時刻は「午前5時」と定められたのであります。

そんなわけで歩いて宿に戻ると、あれまもう夕食の準備OKなのだそうな。温泉宿に来たのにまだお風呂にも入ってないって(笑)。



というわけで、本日も一日お疲れ様でしたとさ。

さて夕食後、いよいよ宿のお風呂タイム!湯量が豊富なこともあって湯船も深めで大きく、ホントにゆっくりとくつろげます。この日はGWど真ん中ですから満室ということでしたが、なぜだかお風呂は混んでいることもなくて湯ったりできました。

ちなみに初代から数えて14代目という若旦那によれば、源泉が自前なのはもちろんのこと、その源泉は地面からほんの数m掘ってあるだけなのだとか。なるほど川原の湯っこを考えてみれば、その浅さも納得です。



ちなみにこの写真は翌朝に撮ったものです。

なお、こちらの宿は内風呂のみとなっていますが、浴室の奥にはかなりの高さの打たせ湯があります。これがまた気持ちいいんですね(ただし音がうるさいので夕方から朝にかけては止められています)。



うわ、全然ファインダーに収まりません。というわけで‥

来たぞぉいつもの動画!(9)

「打たせ湯、上から下まで」

ご覧になっていただきましょ。

WMV形式、291KB、8秒
今夜はちゃんと布団で寝られる幸せ♪明日からはテント生活だからなぁ。というわけでおしんこどんは早々と布団の国の女王様になられたようで‥。Takemaも「明日に備えて」おやすみなさいでした。さぁて朝一番、川原の湯っこ訪問はうまくいくのでしょうか?

しかし、ふと思うぞ。ここまですでに9ページも作ってしまったけれど、何とまだ実質2日目が終わるところなんだよなぁ(大笑)。ま、後半戦は案外淡泊なんで‥(ホントかいな)。

[戻る][次へ]