− その2 何とか日景温泉に到着 −

さて、八戸13:10発青森経由弘前行きの特急「つがる9号」は特に問題なく八戸駅ホームに入線しておりました。さぁて自分たちの乗るグリーン車は(優越感にひたりながら=乗り慣れないのでコーフンしてます)‥あ、あれ?な、ないぞ(大笑)。

先頭の6号車ドア付近から車内を見ただけで判断してしまったので大失敗。実は先頭車は室内が半分に仕切られていて、入口側半分が普通車指定席、奥側(運転席側)半分がグリーン車になっていたのでありました。こういう車両、聞いたことはあるけれど実際目にしたのは初めてでぶったまげました。というか、しばらく「席がなぁ〜い!」とホームをうろうろしちゃったんだもんね(笑)。

というわけでしばらくは戸惑いつつも、時間には余裕を持って来ていたのでのんびりと記念撮影なんぞしたりして、やはり慣れないことをすると落ちついていられません(笑)。さて、出発時刻が近づいてきてもグリーン車は空いていて、「しめしめ、王様気分で弘前まで行けちゃうぞ」と喜んでいたのもつかの間、次のような車内放送に王様は突然おどおど一般庶民に格下げとなりました。
「この列車はつがる9号です。まもなく発車時刻13:10となりますが、この列車のあとに運行予定でありました臨時特急つがる73号青森行きが本日雪害のため運休となっております。よってこの列車は73号の出発時刻に合わせ、遅れて発車いたします。また本日のつがる9号でございますが、弘前付近の豪雪により青森〜弘前間を運休させていただきます。青森〜弘前間は代行バスを運行する旨の連絡が入ってきております。まことにご迷惑さまではありますがご了承下さいませ。」

何だかいやぁなことになってきました。雪国の鉄道ゆえ多少天気が荒れてもまぁ何とかちゃんと動くだろうと考えて計画を立ててきたのですが、区間運休&バス代行とは。でも問題はそのあとです。弘前からは各駅停車で峠を越えて秋田側最初の駅の陣場まで行くつもりだったのですが、バス代行となれば弘前始発の各駅停車発車時間に間に合いません。いやそれよりも何よりも、そもそも峠越え区間を列車が動いているのかいないのかもわかりません。となればいったい宿に着けるのは何時になることやら?いやだぞぉ炊き出しのお世話になるのは!

もっともこの列車の車掌さんに聞いても「申し訳ありませんが情報が入っていないんで、詳しくは青森駅で係員にお尋ね下さい」とおっしゃるばかり。そりゃそうだよなぁ、まぁともかく青森までは行くんだし、他にどうすることもできないので、しばしグリーン車の旅を満喫するしかないか(うふふふ)。



八食センターで買った生酒、美味しかったけれどいかんせん小さかった!
(右写真は余りの少なさに名残を惜しむTakemaの図)

とはいえ列車は順調に走行を続けます。野辺地の手前あたりから徐々に雪が降り始めたとはいえ、徐行運転というわけでもなくちゃぁんと走ってます。これなら弘前までも行かれるんじゃない?「やっぱり弘前まで運行できることになりましたぁ」なんて車内放送が入らないかなぁとひそかに願うも、列車は無情に青森駅到着。あーあバス代行かぁ、時間かかるだろうなぁと思いつつ列車を降りたのでありました。

しかし、ここで事態は急展開を見せたのであります(笑)。降り立ったホームではこんな放送が。
「つがる9号で弘前方面へ向かう予定のお客様に申し上げます。代行バスは運行いたしません。現在○番線ホームに、13:46発予定でした秋田行き特急かもしか4号が停車中です。つがる9号のお客様を待って発車の予定です。お急ぎお乗り換え下さい。繰り返します、代行バスは運行いたしませんのでかもしか4号をご利用下さい!」



こちらがかもしか4号。写真撮る暇があれば席を確保すべきなんですが。

この放送のタイミングがよかった!自分たちがホームの階段を登り始めようとする頃だったのでロスタイムなく所定のかもしかホームに向かうことができ、しっかり自由席ほぼ最後の空席をゲット!(ところでこういう場合、グリーン車に座ってもいいのだろうか?考えてみればグリーン車には空席があったっけ)。まぁ何はともあれ、無事に弘前まで行かれるのは何よりです。この列車も発車は1時間くらい遅れていたもんなぁ。

しかし、弘前まであと数駅というところまで来て突如ストップ。あたりは半ば陽も差しているというのに何やってるんだ弘前!と思いつつも、「まぁここまで来れば何とかなるだろう」と、まぁあまり焦らずのんびりとした気持ちです。そして何度か停車を繰り返した上で無事弘前へ。

ホームに降りてみると、峠越えの普通列車は遅れているとはいえちゃんと運行していて、結局もともと乗るはずだった列車に乗ることができました。まぁ何はともあれというところ。
こちらでひょっこり動画でも(1)

「かもしかくんサヨウナラ」

秋田行き特急列車は、すたたたっと弘前駅を離れていきました。車掌さんの発した「はいっ」が何だか印象的。保線員の方へのねぎらいなんでしょうね。

Wmv形式、342KB、11秒
特急が出発後ほどなくして始発の各駅停車も入線。ガラガラなのは嬉しいんですが、通勤列車と同じロングシートなのはちょっと残念です。しかしまぁこれも時の流れということで‥(自分の場合、どうも1980年以前に走っていた車両を連想しちゃうんだからギャップがありすぎです)。



ワンマン化も時の流れ、でも前方の見通しがいいのは何よりも嬉しい♪

こちらでひょっこり動画でも(2)

「峠越えトンネルの向こうは‥」

やっぱり雪国でした(そりゃそうだ)。

Wmv形式、414KB、14秒
というわけで、峠を越えた最初の駅「陣場」にて下車。この駅で降りたのはうちら2人+1人だけ。ホームは2つあるんですが、待避線の線路はこの時期使わないのかホームと同じ高さまで雪が積もっておりました。しかし、津軽の冬(厳密に言えば峠を越えたここは津軽じゃないけれど)の真骨頂はこんなものじゃないのだということを、この2日後にどどんと思い知らされることになるのでありました。

こちらでひょっこり動画でも(3)

「じゃぁね〜各駅停車!」

列車は最新型でも、やっぱりこういう景色の中ではさびしげに見えますね。

Wmv形式、304KB、10秒



この日はこれくらいの積雪だったんですが‥

跨線橋を越えた待合室側では、宿の方が我々を待っていてくださいました。下りの列車で来る別のお客さんと一緒にミニバンで宿へと向かいます。



うーん、やっぱり雪国で暮らすのは大変だぁ。

というわけで、2泊する予定の宿「日景温泉」に到着です。屋根の雪下ろしは今日のうちにあらかた済ませたということですが、宿の周りの木々は真っ白。やっぱり山の中の一軒宿は維持するだけでも大変なのね。



なぜか正面入口の写真を撮っていなかった‥。もっとモダンですので念のため。

今回予約していたのはあえてTVなしの部屋。しかも明日は遠出することなく基本的にここでのんびりしようということで、こりゃぁ「風呂に入るか飲むか寝るか」の三択しかない感じです(実はノートPCを持参していたので実際は四択でしたが(笑))。

「ではお部屋にご案内いたします」との宿の方についていくと、いやぁ部屋までが長い長い!しかも、連休初日だというのにほとんどの部屋は「○○様」の貼り紙もなし!こりゃどういうわけだと思ったのですが、要はTVなしの湯治棟にこの時期泊まるお客がいかに少ないかということだったんですね。実際、お風呂に近い方のTV付き部屋はずらぁっとこんでいたみたいだったもんね。TVってやっぱり大切なんだ(笑)。

さて、お風呂に行きましょっと。

[戻る]  [次へ]