− 初秋の那須茶臼岳周辺くるり&湯ったり温泉編(3) 三斗小屋温泉その1 −



初秋の名残りを残す花々。左からトリカブト、ミヤマアキノキリンソウ、エゾリンドウ

楽あれば苦ありということで、さっき降りてきた登山道を再び登りかえして主稜線へ。とはいえ緩すぎもせず急すぎでもない坂道ゆえ結構さっさと登れちゃうんですけれどね。



はいはぁーい、戻ってきましたぁ。

牛ガ首のあたりにはあちこちに小さな噴気エリアがあり、何だか楽しいやら不気味やらといったところです。稜線はそこそこ風が吹いていたこともあり危険は感じませんでしたが、もし噴気だけでなく一緒に水分が出ていたりしたらかなりじっくりうろうろしちゃうんだろうなぁ。残念ながら頂上付近ゆえ水脈を伴う場所はないみたいなのが残念無念。

というわけで噴気帯のあたりで記念撮影をば。デジカメの液晶を見ながらアングルを考えるTakemaでしたが、「ん?こ、こりゃこのアングルしかないっしょ!」とひらめいてそのまま撮影。題して「沸騰おしんこどん!」(副題:ポオォーッ!)。もちろん、上の画像にマウスオンすると出てきますです(笑)。

さて、西側の巻き道を通って峰の茶屋へ。そこからは一気に谷あいへと下り、あとは樹林帯をゆっくり歩くのみです。登山道がすっかり真っ平らになると、もう気分はハイキングじゃなくてお散歩という感じ。そりゃちょっとは汗もかきますが、なぁに、目指すは三斗小屋「温泉」なのですから恐いものは何もなし!とことん山の汗を流したるでぇ!と思っているうちに着いちゃいました。



本日の宿、煙草屋旅館さん。1泊2食7500円也。山中なれど「旅館」ゆえ相部屋なしの個室です。



入口付近は何とも風情がありますなぁ。

冒頭ページにも書いたとおりこの宿には前日に予約を入れたわけですが、ここは昨今の中高年を中心とした登山ブーム、そして某NHKがこの温泉の四季を追った番組を放映したことなどから一気に人気の宿となり(NHKにはあんまり「珍しく変わった場所の紹介」をやってほしくないなぁ。影響力が強すぎるんだから)、週末などは宿の収容人員目一杯になることも多いのだとか。

ちなみに宿の方にお聞きしたところ、昨日までの2日間はそれぞれ満杯、両夜とも約120人が宿泊したそうな。なお相部屋雑魚寝なしゆえ、現在の収容限界は130人ほどということですが、以前相部屋OKだった頃は300人くらい泊まっていたこともあったのだとか。うはぁ恐ろしい(笑)。

ところで、那須茶臼岳東側が現在のように開発されるずっと以前はこの西側エリアが交通の中心だったのだとか。三斗小屋宿(温泉のある場所ではなくもう少し下った場所、現在廃村)は会津との物資流通の街道として栄え、たとえば煙草などはここを通って黒羽あたりまで運ばれ(by 牛)、そこから那珂川の水運(船)を利用して遠く江戸まで運ばれていったのだとか。「煙草屋」の名の由来もどうやらその辺にあるらしいということをお聞きしました。でもその割には館内禁煙なのね(笑)。

なお、日帰り入浴はこちら煙草屋さんも、もう一軒の宿大黒屋さんも受け付けていませんので念のため。ま、それを聞いていたから今回の「宿泊」を一気に決めたわけなんですけれどね(日帰り登山グループの方にはいま一歩情報が行き渡っていないのか「残念だなぁ」の声しきりでした)。



部屋はまぁこんな感じですが、山中ということを考えれば十分すぎます。道側の部屋ならもっといいんだけれどね。

ちなみに到着したのは午後4時頃。こちら煙草屋旅館さんは内湯の他に露天風呂ありというのが売りなのですが(ついでに大黒屋さんより安い:聞いた話では大黒屋さんは9100円/1泊2食、ただしあちらは部屋食&ミニタオル付きだとか)、この露天風呂(混浴)は15:00-17:00の間は女性専用。というわけでおしんこどんは露天へ、Takemaは内湯へと出かけたのでありました。まずは内湯ね。

内湯は「あつ湯」と「ぬる湯」の2つの湯船からなっており、源泉槽(一番奥、入浴不可というか熱くて入れない)から導かれる湯が順番に流れ込む仕組みになっています。

ところで書き忘れましたが、この日の宿泊客は我々も含めて19人。前夜の1/6に過ぎませんでした。しかもそのほとんどは基本的に登山客の皆さんですからあまり入浴にはこだわらないわけで、「せっかく温泉宿にいるなら何度でも入りたい」と思ってしまう我々とはだいぶ基本的態度が違います(笑)。というわけで、お風呂は結構貸し切り状態が多くていと嬉し。

おっと、そうこうしているうちに夕ご飯の時間になっちゃいました。



山の中だし、少なくともTakemaには必要十分です!

なおさすがに「山の宿」というべきか、夕ご飯は何と16:30!露天の女性専用時間とかぶってしまっているのがちょっと気になりますが、まぁそりゃしょうがないかな。ついでにいえば消灯時間は21:00、翌朝の朝食は6:30からです。これらについてお客側の選択肢はありません!



食事の準備完了@「食べにこぉーい!」はこの太鼓で知らされます。風情あるリズムなので一発で起きられます(笑)。

夕ご飯のあとはいよいよ露天風呂へ。同宿の皆さんは欲がないというか、はたまた自分が強欲なだけなのか(たぶん後者)、夕暮れ時(雲間から太陽が出た)の温泉をほぼ貸しきりで堪能いたしましたが、長くなっちゃったので続きは次ページにて。

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