− その1 深夜特急モードで一気に下北入りっ! −

(2005年8月下旬)

完全に恒例となりつつある晩夏の東北温泉行脚も今年で4回目。さて今年はどの辺に‥と考え始めたのは7月上旬からですが、具体的な情報の収集整理に手を付けたのは出発の3日前くらいから。毎度ながらかなり行き当たりばったりです。とはいえこの時期はお盆も終わり各観光地ともすっかり空いているころなので、行き当たりばったりでも十分に何とかなっちゃうんですけれどね(笑)。

さて、東北地方におけるTakemaの空白=未訪問地域といえばいわずと知れた下北半島。あれだけ大きな半島なので恐れをなしていたというべきでしょうか。いや、その大きさゆえ出入りにどうしても時間がかかるからというのが大きな理由でした。でもシブイ温泉もいくつかあるようだしと訪問に前向きになっていたら、直前になって思いがけないストップがかかったのです。それは何と、私の母からでした。こちらが数日後の下北行きを告げると、母はすぐにこう呟きました。

恐山は死者のかかわる地ということで、よいイメージを持っていない母のひと言。しかしその一方で、恐山の敷地内には非常に魅惑的な湯が湧いているのも事実です。こりゃ困ったと悩みましたが?わざわざ親に逆らってまで自分を通そうとするような年齢でもなし(昔はひどかったけれどね(笑))、まずは素直に?そのお言葉を受けいれることにしたわけです。

しかしその一方で妥協点を探そうとする姑息な自分も居たりしたわけで。つまり、「恐山って、どこからどこまでをいうんだろう。むつ市内に位置するからといって、むつ市=恐山とはならないよなぁ。はっきりしているのはその中心をなす『菩提寺(円通寺)』の敷地内は絶対に範囲内だということだよなぁ。ん?ということは‥。」

ここで線引き決定!「霊界への入口ともいえる円通寺境内へは絶対に立ち入らない!もちろん敷地内にある温泉(ちゃんとした施設なんですが)へも立ち入り禁止!でも県道まで通っちゃいけないというわけでもないだろうから、県道沿いを少々歩くぶんにはお許し願う!」。これでどうだぁ!

はい、40を越えていながらやっぱり親不孝の海に半分足を突っ込んだままのTakemaです(苦笑)。でもこれでいくつかのお湯情報は却下されたのでした。そして今後とも行くことはないでしょうね。というわけでいつもながら長い前置きおしまい!いよいよ本文突入です。


出発の日は仕事を終えてから真夜中の高速をひたすら北上といういつもの算段なのですが、この日はだいぶいつもと違っておりました。というのも、「関東目指して大型台風が北上中!」だったのです。仕事を終えて帰宅し、早めの夕食を摂っている頃から、時折雨足も激しくなります。早く出発するにこしたことはないのですが、少しでも休む(事前に寝ておく)ことによって走り出したあとの逃げ足も早くできます。急がば回れというわけでちょこっとだけ(1.5hくらい)就寝し、出発した頃には「台風は静岡市付近に上陸!」との情報がラジオから流れていました。

さてこうなったら逃げるのみ!三郷ICから常磐道に入り、一気に走り出します‥が、風はともかく雨がすごい!足の遅い台風ゆえ、時速100kmで走ればそれだけ本体から離れるはずなのですが、台風を取り巻く外側の雲はかなりのものであったようで、時折ものすごい勢いで雨が降ってきます。そうなるとワイパーを高速モードにしても視界が極度にさえぎられてしまうため、こちらも80km(時には危険を感じて60kmくらいにまで)減速するのですが‥、

となると、その水しぶきでいよいよ視界狭さく!前なんて全然見えない!特に常磐道は柏ICから先には道路脇の街灯がなくなってしまいますからかぁなりキツイ!しかも雨が特にきつくなったのは常磐道よりも磐越道に入ってからで、一部に残る片側一車線をトロトロ走っていくと、追い越し車線に出たところで一気にトラックによる爆撃シャワーを食らうハメになりました。阿武隈高原SAで休憩を取りましたが、ちょっと仮眠する間にも、車の屋根にたたきつける雨のすごさは身にしみました(笑)。というか、スバル車って屋根部分の防音が甘いのかな?(三菱RVRの時よりも響く気がしたんですが)。

さてそのあとも何度か休憩しつつ、八戸の手前までは強弱こそあれずぅっと雨(時々やむけどね)。台風は房総半島を横断して東に抜けたのですから、一緒に雲をそちらに持っていってくれればよかったんですが、なかなかそうはいかなかったようです。でも、八戸北ICを降りてからは路面も乾いた状態で一安心。

ここからは太平洋側を北上します。案外に交通量が多く、特に工事用のトラックやダンプが多いのはやはりこの地域だからなのかなぁ。何といってもこの先の六ヶ所村や東通村にはいろいろな半国家プロジェクトが目白押しなのですから‥。

というわけで、Tマップルにも載っている「核燃料サイクル施設PR館」を最初の訪問地としました。実はTakema&おしんこどん、発電所などのPR館と聞くとほぼ全てといっていいほど立ち寄ってしまうんですよねぇ。無料だし(笑)。



こちらがサイクル施設PR館。写真で見るよりもはるかに大きな建物ですが‥

ええっとですね、はっきり申し上げます。「このPR館、お金の無駄っ!」。そもそも発電所のPR館というのは採算を度外視して建てられるものですが(どこも無料だしね)、ここはサイクル施設そのものが国家的事業ということもあってその規模も大きいわけです。しかし、妙に無駄な説明のために立派なマシンを並べ立てており、その説明はやたら長いわ、たぶんそれぞれのマシンを別業者に発注したからか内容は重複しているわ、その内容も「大人向けというにはガキっぽいし、子供向けというには難しすぎる」中途半端なものばかり。ゲームマシンもどきを入れてお茶を濁そうったってそうはいかない!

Takemaはもちろんですが、Takemaよりもこういう施設の見学好きのおしんこどんすら、車に戻るやいなやため息の連続。いやホント、コンセプトそのものが間違ってるんじゃないの?と思えてしまう施設でした。だからここは六ヶ所村にいったら是非訪問すべしですよ。こんな大規模な無駄遣いはそうそう見られないもん、しかも無料だし(笑)。

このあとはすぐそばにある温泉へ。何でも「日本一深い温泉」ということで訪問してみたのですが、最初は「これまた半国家財政で?」と思っていたら、完全な民営施設のようで一安心(笑)。こうでなくっちゃね。

で、何が深いのかといえば当然ボーリングの深度。何でも2700m以上掘ったようで、こちらのオリジナルタオル(ついつい購入しちゃいました)には、比較対象として八ヶ岳が描かれておりました。でも八ヶ岳(主峰の赤岳=2899m)よりは低い=浅いんですが‥。

午前中ということで温泉の先客(男湯)はおじさん一人だけ。おじさんが露天風呂に出ていったタイミングでまずはパチリ。



どうやらかけ流し(加水)施設のようです。でも十分過ぎるほどゼータク!

続いておじさんが戻ってきたところで今度は露天風呂へ。この日は曇っていたこともあって気温も20度ちょい、露天でゆっくりするにはちょうどいい感じでした。お湯も熱めだしねぇ。



ふぅっと今回最初のお風呂をタンノー。右写真、どうやらこれが「湯の花」?(いくつか浮いていた)。



運動用の鉄アレイ、鉄製の第一世代はサビサビで隠居、二代目はステンレス製になったようです。

というわけで深夜特急運転のぼんやりアタマにを入れたところで、続いて目指すは‥あれ、またも原子力施設。東通村に建設中の原発なんですが(17年12月運転開始予定だとか)、でもここも説明はイマイチだったよなぁ。ボールペンを2本もらったからって、展示のいい加減さは許されんぞ系でした。あれだけお金をかけているんだから、「大人にも納得できる展示・説明」を切に望みます!



ちなみにもらったボールペンは書き味に勝れてましたけど(笑)。

このあとはむつ市に出てお昼ご飯というわけでとりあえず寿司屋へ(いきなりゼータク)!お味は値段相応といったところだったでしょうか(もちろん美味しかったんですけどね)。さ、このあとはいよいよあの「恐山界隈、あくまで核心には立ち入らない(と自分では思っている)恐山界隈」へと進みます!

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