− その9 こりゃ何だか違和感たっぷりの「さわやか恐山」、そして釜臥山展望台 −

あまりに明るくて気持ちいい宇曽利湖にて、久々に「おしんこどんスペシャル」っ!しかし、何だかナミビアでのTakemaとパターン的にそっくりなような(笑)。マウスオンすると比較対象写真に変わりますが、あれまぁそっくり。
さて今日は下北を出て南下しなけりゃなりません。時間の都合上今回は「斧の刃側とその下側」(下北半島の形はしばしば「斧」にたとえられます。わからなきゃ地図を見てね)はパスすることに。まっすぐ最短ルートで南下し、酸ヶ湯のキャンプ場へ向かうことにしました。

となると、またも通るのはあの「恐山」。でもそれが最短なんですからしょうがないですわな(苦笑)。というわけで薬研を出発後ほどなく恐山の脇を通過っ!

しかし、この日は一昨日と違ってあまりにもいい天気なのでありました。このページのサブタイトルにも使った表現ですが、「さわやか恐山」という言い方がまさにぴったり!(「恐山」のイメージとのギャップがすごいでしょ)。青い空と白い雲、そよ吹く風はしっかり乾いた秋のものながら、照りつける日ざしはまだまだ夏の名残りを残しておりました。

そんな宇曽利湖の脇を通っていくと、そのまま通過するのはあまりにも惜しくなります(だってあまりにも気持ちいいんだもん)。そこでしゃくなげ荘向かいの駐車場に車を止め、宿の横の源泉地帯をちょっとのぞいてみることに(このへんの発想がやっぱり変?)。

宇曽利湖とは橋を挟んで反対側、川の上流に向けて歩いていくと、しゃくなげ荘の横はもう湯が湧く源泉地帯です(ちなみに奥の方は宿の源泉になっているので立入を自粛しましょ。なお前のページにも書きましたが、この付近にあった湯沼はすでに埋め立てられており現在は跡形もありません)。

その源泉ですが、いくつも出ている割には比較的温度が低いものがほとんどです。でもそのうちの一つ(二つ)はかなり大きいので、ちょっと行ってみました。でもね‥。

これはまさにベスト野湯そのものに見えますが、温度は35度ちょい?ちなみに薮のすぐ隣はしゃくなげ荘さん、ここで「勇気をふりしぼる」のはやめておきましょ。



いくつか温めの源泉も(うらやましいくらいに)出ていますが‥

というわけで気持ち的には未練もありましたが(苦笑)、今度は宇曽利湖側へ。岸辺には今日の天気の通りというか、家族連れ(というか「おじいちゃんと孫娘二人」?)がたわむれておりました。エンジン掛けっぱなしでカーステの音楽(「女子十二楽房」だっけ)流しっ放しの考え方にはちょっと違和感もありましたがねおじいちゃん。



硫黄分をたっぷり含んだ川はそのまま宇曽利湖へ。



岸のあたりは色も違うし、場所によっては下からも湯が湧いているようでしたが今回は探索パス。



お嬢ちゃん達は無邪気に水遊びを楽しんでおりました。



ここからは恐山の菩提寺(円通寺)もすぐそこ。うーむ、お袋との約束もビミョーな距離。境内には入ってないつもりだけどね。

さて、このまま真っ直ぐ南下すればいいはずなんですが、こんなに天気のいい日に「展望台こちら」の案内板を見てなおかつそれを無視するというのはあまりにももったいないというべきでしょう。というわけで「釜臥山展望台」へと進みます。

じつはこの釜臥山、自衛隊等のレーダー基地になっているらしく、展望台のしばらく下からはなぜか理不尽にも「二輪通行止め」になっていたりします。全国各地に悲しいかな点在する「二輪車通行禁止」道路の多くは、その理由として(正当であるか否かはともかくとして)無謀運転二輪の存在を抜きにしては語れません。でも、ここの二輪通行止めはまた別の理由、すなわち「保安上の問題」とか「国家安全保障上の問題」によるものなのでしょうか。でもさぁ、そういう問題であればこそ

管理区域の入口手前(チェックポイントあり)で駐車していたバイク軍団のライダーさんたちは、何とも悲しいことに展望台まで徒歩で往復していたみたいですよ。四輪のほうがヤバイものを持ち込むにも楽なはずなんですけれどねぇ(もちろん積み荷のチェックなんてあるはずもなし)。これはどうみても国防上納得いかないぞぉ、じゃなくて基本的な考え方からしておかしい!

もしかして「二輪車乗りにはアブナイ奴が多い」とでも考えられているのかな?

これは展望台からさらに上に伸びる管理区域入口(歩行者も含めて完全立入禁止)。ここにゲートを置きなさいよ!ここにワイヤーも鎖もないって変でしょ?
さらに不思議なのが、ここから頂上(レーダー基地)まで日中のみという制限はあるけれど徒歩で登れてしまうという現実。これって何かおかしくない?というわけで、この矛盾を探らんがためにTakema&おしんこどんはいざこの坂を登り始めたのであります!(実際のところ、「面倒くさがって渋るTakemaを『行くよっ!』と尻叩きしたおしんこどん」という流れだったということだけはヒミツにしておきます)。しかし、この「矛盾」の裏にはある意味での「現実」が隠されていたのでありました。

さ、登り始めましょ。実際のところ、高度計で測ったら標高差は100m弱(いや80mくらい)なのですから!



こうやって見るとすぐそこに見えますよねぇ。いや実際そんなにしんどくはないんですが。



というわけで着いちゃいました。レーダードームもすごいけれど、その先のウロコ雲もすごい?



頂上で自由に動けるエリアはごく僅か。そんな中眼下(右写真)に目をやれば‥さすが光学12倍ズームデジカメ!(右写真マウスオン)。



あの展望台を眼下に望み、むつ市内も陸奥湾ものんびり眺め、気持ちいい時間を過ごしましたのだ。

で、その「現実」とは何だったのかをあえて表現するならば「信教的権利との兼ね合い」といえばいいのでしょうかね。そもそもここにレーダー基地が出来るよりはるか以前からここ釜臥山は宗教的聖地でもあったわけで、頂上には「奥の院」が鎮座しておられます。となれば大戦末期のような軍事優先一辺倒の圧力でもない限り、ここに参拝する信者の権利を侵害することは出来ない、よって妥協案として頂上付近への立ち入りを認めている、という感じなのかなぁ。とはいえ、巨大レーダーのすぐ脇でまるで居候しているようにもみえる小さな奥の院は、軍事的重要拠点である三沢基地のしわ寄せをもろに受けているようにも思えましたが‥。

さて問題はこのあとです。一気に下北半島を出て八甲田方面へ向かったTakema&おしんこどんなのですが、「あれぇ、確かにこのへんのはずだったのに。どこに行っちゃったの酸ヶ湯キャンプ場?」

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