− その10 災い転じて福となす、良かったぁ客舎滞在 in 温湯温泉 −

釜臥山展望台のあとは一気に南下開始っ!途中横浜町の道の駅で休憩&つまみ食い(ホタテコロッケはなかなかの味でおすすめ)をした以外はひたすら単調な国道を南下し続け、野辺地(ここで夕ご飯の買い出し完了)を越えて七戸へ。ここから酸ヶ湯方面に向かいます。

ずぅっと昔(たぶん25年くらい昔)に入ったことがあるにもかかわらず、「入った」という記憶だけしかない谷地温泉にも立ち寄ってみましたが、駐車場に居並ぶ車の多さに恐れをなして即刻退散。そうか、今日は土曜日だものね。

まぁ食料も買ってあるし、この日は酸ヶ湯のキャンプ場泊まりの予定。ここまで来れば一投足ゆえ、地獄沼あたりでちょこっと湯温チェックなどして(あ、もちろん入りませんでしたが(目星は付けたけど))、さて、いよいよキャンプ場に‥あれ、あれ、あれぇ?

2002年に来たときには地図なしでキャンプ場の受付まで行き、管理センターのおじさんと話をしたのですから、見つけるのが難しいということはなかったはず。しかも、キャンプ場に関する案内表示が一切見あたらないのも不思議なところです。閉鎖されたという噂も聞かなかったし、そもそもここは「国設キャンプ場」、そう簡単なことでなくなるとは思えません。しばらく彷徨したあげく、たまたま何かの施設の前にいらっしゃった作業員の方にお話を伺うと‥。
「あぁ、キャンプ場はリニューアル中ということで閉鎖中みたいなんですよ。いや実際、バイクで来ている人とかが現地に着いてから途方に暮れているみたいなんですけれどねぇ。」

まぁ、ずっと昔からあるキャンプ場ですから(ちなみに正式名称は「酸ヶ湯キャンプ場」ではなく「酸ヶ湯野営場」です。名称にも歴史を感じさせられます)なくなるとは考えてもいませんでしたが、まさかリニューアルとは!ちなみに今あらためてネットで調べてみると、(国設とはいえ)運営の主体は青森市、今回は平成16.17年の2年間にわたる長期閉鎖のようです。ま、まさか再開時には最新のオートキャンプ場になったりはしないだろうなあ。

それはともかく、「酸ヶ湯野営場は現在閉鎖中です」の看板一つでも出しておくべきなんじゃないかと思うことしきり。誰しもが最新情報を確認して来るわけじゃないですし、われわれも結局30分くらいは時間をロスしてしまいましたしねぇ‥。

さて現実に戻れば「どこに泊まる?」という問題が再浮上。一瞬「酸ヶ湯の自炊棟は?」とも考えたのですが、入口には1泊2食付きの料金しか出ていなかったのであきらめました。これまた今になって調べてみると、湯治は原則として3日(2泊)以上で受け付け、空きがあるときに限り1泊も可能ということのようです。いずれにせよ、土曜日の夕方でしたから空きもなかったんじゃないかな?

というわけでどうするか?一番近いのは十和田湖の子の口キャンプ場ですが、温泉はないからなぁ。あとはた○きの湯という可能性もありそうですが今年になって周辺で大規模な土砂崩れがあったようですからちょっと‥。というわけでTマップルを見ながらしばし熟考。黒森山キャンプ場というところに目星をつけ、いざ行ってみると‥お隣がお寺ということもあり何だか深閑とした雰囲気というべきなのか、キャンプ場とおぼしき場所にはだぁれもおらず、何だか夜が怖そう(山奥だし)というべきか。「うーん、やっぱりここはやめておこう」という結論に達しました。

さて、となるともう黒石市の方に向けて南下していくより他はありません。困ったなぁと思っていたその瞬間、Takemaの頭の引き出しの中から「代打逆転満塁ホームラン、ハットトリック来るなら来い(3点だから満塁ホーマーの勝ち)!」とでもいうべき記憶が取り出されました!

確か「客舎」とは昔からの伝統的な湯治宿であり、各宿には内湯がなく、宿泊客はみな共同浴場を利用するというシステムだったようなことまで思い出したTakemaです。となれば、ここからさして遠くない場所ですから行ってみる価値は十分にありそう。というわけでいざ行かんっ!



入口の上には、古い屋号なのか「鶴泉館(かくせんかん)」という看板が掛かっておりました。

そしてその数十分後、「自分たちの部屋」でゆっくりくつろぐTakema&おしんこどんの姿がありました。そう、めでたく今宵の宿を確定させたのでありました。お宿の名前は「温泉客舎 後藤」。自炊が出来る客舎の一つで(裏を返せば「客舎」のなかにも自炊が出来ない宿がいくつかあるということか)、宿泊料金は1人1泊2500円のところ、寝具を使わない(寝袋持ってるので)という条件で500円引の2000円!いやぁ、これは何とも嬉しいっ!

客舎の名前の通り、宿は昔からの風情を色濃く残しています。きちんと手入れが行き届いているのでゆっくり落ち着けますし、部屋には冷蔵庫もTVもあるので(無料)不便は全くなし。いやぁ、われながらいい選択でした!



何だか「いなかのおじいちゃんの家」に帰ってきたような気分にさせられます。



懐かしい「昭和の台所」という感じですが清潔。お皿なども無料で借りられます。



宿の中庭には池もあります。何だかほのぼのしているおしんこどん。

さて、しばし落ち着いたら次は温泉です。前述したとおり客舎に内湯はありませんから共同浴場に入りに行くわけですが、ちなみにわれわれの部屋から共同浴場の玄関まで、直線距離にしてどのくらいかといえば‥



だって、目の前が共同浴場なんだもん(マウスオンで円内を無意味に拡大)。

そう、あまりにも目の前が共同浴場なんですね(笑)。なお客舎に泊まっていても共同浴場の利用が無料になるわけではありませんが、1回の利用料金はたった180円ですから、寝袋利用で浮いた(浮かせようと思ったわけではないけれど)500*2=1000円を考えれば全く痛くも痒くもないですな。

ちなみにこの共同浴場は思いのほかキレイ@ピカピカな設備で完全に予想外でした。数年前に建てかえたのだということですが、建物は新しくてもちゃんと浴室内に「ゴロ寝スペース」とおぼしき場所があるのがさすがです。そして営業時間がまたすごい、朝は4:00オープンですよ、4:00!夜も23:00まで(入浴受付は22:30まで)ですから、「上物(うわもの)は新しくとも共同浴場としての心はそのまま」ということなんですね。

夜も23:00を過ぎた頃、浴室の方からデッキブラシで掃除する音が聞こえてきました(近いからね)。いやぁ、この湯はいいですわ♪

「鶴の名湯」と銘打った温湯温泉は、鶴が傷を治したという故事からきています。湯そのものに大きな特徴はないのですが、変に癖があるよりこのほうがいいのかも。そして毎分450リットル湧出はすごい!もちろんかけ流しで、とにかく朝から夜まで地元の方々で賑わっておりました。いいなぁ、毎日温泉に入れるって‥。

というわけで、つかの間の湯治気分をタンノーしたわれわれでありました。あーっ、居心地最高で楽しかったのだ(酸ヶ湯よ、閉鎖していてくれてありがとう!)。さ、翌日は噂に聞いたあの湯を探せ+α+β+γ編となります。もともとそんなつもりはなかったけれど、

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