− その13 驚いたぞ「たけのこの里」(1)、かくしてその「前身」は? −
ごく普通のキャンプ&コテージ施設だと思ってましたが‥
さて、明日中には千葉まで帰らなければいけないという状況下で、この日の泊まりをどこにするかについては朝から一応悩んでおりました。少しでも南に下っておいた方が明日は楽になるし、でも出来るだけ多くの湯に寄り道したいのも山々。しかし、気がつけばお昼ご飯はまだ黒石市で食べていたわけですから(ちなみに昨晩泊まっていた温湯温泉も同じ市内)、結論を出すべき猶予時間はどんどん少なくなるばかり。「近場にせよ南下するにせよ、そろそろ決めなきゃ」(ま、キャンプ場で構わないのですから予約はいらないんですけれどね)。
そんな時、お昼をいただいたお店の店員さんと「今日はこれからどこへ‥」というような話になりました。すると店員さんが次のような情報をもたらしてくれたのです。
「碇ヶ関の山の奥の方にね、『たけのこの里』っていう施設があるんですよ。キャンプも出来るしコテージもある。それに温泉にも入り放題だし、しかも確か平日はコテージの宿泊代が半額になるはずですよ。」
ほほぅ、温泉があるとな。コテージはまぁともかくとして(半額になるとしても元の料金がわからないので)、温泉付きキャンプならまぁ悪くはないです。もっともこの午後の行動についてはまだ決めかねていたので、この時は一応「候補の一つ」くらいの気持ちで聞いておりました。
しかし前ページの通り結局この午後は近場の温泉回りにてたっぷり時間を費やしてしまったわけで、気がつけば夕方近し。いつの間にか「たけのこの里」はこの日の宿泊地としての地位を揺るぎないものにしていたのでした(笑)。買い出しもしたし、よし行くぞ!
国道から離れ、山の奥へと進みます。実は国道からさしたる距離もないところに共同浴場があったのですが、この時はあまり気にもせずそのまま通過しちゃいました。しかし今考えれば、その温泉の名前にはどこか聞き覚えがあったのです(後から気づいた)。ダムを通り過ぎてさらに奥へ。あたりに人家は全くなく、こりゃかなり山奥だぁと思う頃(ちょっと嬉しい)‥
何だか谷沿いに立派な設備群が見えてきました。しかもかなり大規模かつ整備された施設のようです(「維持にお金かかるだろうなぁ」と余計な心配)。キャンプ場はどちらかといえばおまけといった感じでしたが(管理棟から遠いし)、子供を遊ばせる遊具エリアまであったりします。さらには「噂に聞いたコテージ」もいくつか見えてきた頃、広い駐車場&管理棟に到着。到着したのは16:00過ぎ頃だったでしょうか。
受付の方に聞くと、やはり「コテージ平日半額」は本当のことらしく、「2人で6000円」とのこと。1人3000円かぁ、悪くない値段です(ちなみにキャンプなら1人600円なんですけれどね)。各施設がまだ新しいものであることもあり、よし、今夜はコテージに泊まりながらアーバンナチュラルエグゼクティブナイトを満喫することに決定!(何のこっちゃ)。お部屋は受付の方がオススメしてくれた6号棟。管理棟からほど近く、温泉にも近いので何かと便利とのこと(確かに便利でした)。
こちらがその6号棟。2Fのロフトまでは使い切れませんでした(そりゃそうだ)。
さらに説明を受けます。「申し訳ありませんが今からですと準備の方が間に合いませんので、本日は宿泊者専用の露天風呂の方はお休みとさせていただき、管理棟内の内湯のみでのご入浴となりますがご了解いただけますか?」。なるほど、うちらの到着が遅かった(しかも予約なし)ので宿泊客用の露天風呂は全く準備していなかったというわけですね。‥‥ん?と、ということは?
という事実が図らずも判明したのでありました(驚)。ちなみに内湯だって22:00まで、朝は7:00からOK(もちろんかけ流し)。その利用者は当然われわれのみ!うわぁ、古いヒット曲に「世界は二人のために」なんてのがあったけれど(そういや佐良直美ってあのあとどうしちゃったんだろ?)、こりゃ何だかそのタイトルを地でいくに等しいものすごいゼータクっ!ときめきわくわく夢いっぱい、やっほぉウキウキテクマクマヤコン♪(コーフンしすぎて意味不明)。
というわけでまずはコテージへ。なぜか内部の写真を全く撮っていなかったという事実は、この時冷静さを失っていたTakemaの精神状態を如実に表しているものだと思われます(笑)。冷蔵庫もコンロも電子レンジも食器も、布団も毛布もシーツカバーもぜぇーんぶ揃っておりました(あ、もちろんバストイレ付きね)。ではでは、貸し切りの園内をタンノーしに出かけましょ♪
とはいえ、いざ二人で貸し切り気分を味わおうとしても、温泉以外に大したことは出来ないんですよねぇ(笑)。というわけでとりあえず遊具のある公園を貸し切り利用することにいたしました(この公園ならいつでも貸し切りに近いような気もしますがお気になさいますな)。でもねぇ、だぁれもいないというのもちょっと張り合いがない?(笑)。
まずはブランコ貸し切りっ!うわぁ、とってもちっぽけ系エグゼクティブ?(笑)。
まいどぉ!ここで動画です(10)(11)。 |
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さて、ここたけのこの里の印象および今後の行動に関する大きな転機が訪れたのはこの直後です。遊具エリアから戻ったTakemaが何気なく見た園内看板。最初はぼんやり眺めていたTakemaですが、次の瞬間、身体全体が固まりました。
ん?ん゛?んんんっ?(マウスオンすると拡大画像に変わります)
さて、ご存知ない方のためにここで少し補足説明を。
「久吉温泉 − 歴史に埋没した幻の名湯 −」
弘法大師が陸奥行脚の際に摩訶不思議な光を追って山に分け入った先で発見したという伝説の湯(「続空海縁起絵巻」平安後期)。この湯の卓越した効能は比類なきものであり、特に長湯治には絶大な効果を発揮したといわれる。古く平安時代より都の貴族が病を癒すためはるかな旅路をものともせず訪れていたということが古文書にも散見されるが、その後時代が下るにつれ訪れる人も激減し、「幻の湯」といわれるようになった。後年建武の中興に参画した足利唯臣をして「音に聞く陸奥久吉の湯をこそ訪はばや」と言わしめたといわれる、歴史ロマンにもあふれる湯である。(「歴史と温泉」1978年12月号より引用)
なぁんて事実は全くありません!わざわざここまで作りネタを語る必要はなかったんですけれどね、ついつい図に乗って‥m(_ _)m。もちろん、全部うそです念のため。
でもこのくされウソ八百とは別の、「絶対なる主観的真実」を申し添えましょう。ん?論理的に矛盾してる?(苦笑)。
さて、わたしが東北を中心としたシブい系温泉を本格的にめぐるようになってから、まだせいぜい5年くらいしか経っていません。その当初、新たな野湯を調査するにあたり一番参考になったのはやはり「先達の皆さん」によるネット上の記録でした。中でも、現在リンクをさせてもらっている数泉者さんや八九郎さんなどの探訪記録は大変勉強になることが多く、熟読させていただいた記憶があります(なお、数泉者さんのサイトは現在閲覧制限がかけられています)。
その中でこの久吉温泉が紹介されていたことを覚えています。碇ヶ関の奥にある掘っ立て湯小屋の無人温泉。「知る人ぞ知る」という表現がぴったりの場所、源泉は湯船の底からプクプクと湧いている‥。
でも、そのあと周辺で大規模な造成工事が始まり、湯小屋は取り壊されたと聞いていました。湯そのものは出ているとかいないとか。これが今回の旅行時点で、久吉温泉に関してTakemaが覚えていた全情報でした。むろん細かな場所まで調べたことはなく、造成工事の後に何が出来たのかも全く知らなかったわけです。
だからこそ、上記看板に目がいったときはまさに「青天の霹靂」というか「やだーっ、ウッソォ、信じられない〜!」というか、「古池やかわず飛び込む水の音」というか(意味不明)、いやもう何というか
と表現するしかないような気持ちにさせられたわけなのです(長くてクドくてごめんなさいm(_ _)m)。
というわけで、何はともあれ見に行ってみましょ♪