− その2 朝市うろうろと共同浴場×2 −



あれま、立派な「菊の回廊」だこと。というか、ここまで作り上げるのは並大抵じゃないでしょうって。

さて肘折温泉といえば有名なのが朝市。確かいつだったかのGW、朝一番で上の湯共同浴場に入りに来たときにちらりと見たような気もしますが、あれはもう終わりかけの時間だったし、まぁ泊まっているんだからゆっくりと散歩するのもいいでしょう。この日は曇りがちでちらりほらりと霧雨だかアラレだかが降っていましたが、われわれが行った朝7時前ころ、朝市は問題なく行われておりました。雪が降ると終わりだというものなぁ、何とかギリギリ間にあったというところでしょうか。

観光化されているとかいう話をどこかで聞いていましたが、実際のところ露店で売っているものはほとんどが野菜などの食料品でしたから、自炊湯治客以外の観光客が買うことはあまりないでしょうね。そういえば旧郵便局の前では、なぜかタラコを大特売していたぞ。このタラコも自炊客の朝ご飯として食卓にのぼるということなんでしょうかね。

実は、今回の旅行に際しておしんこどんが手に入れたかったものが一つありました。それは‥渋柿(笑)。いや、自分で皮を剥いて干し柿にしたいからなんですが、露店を見る限りさすがに売っていないようです。というわけで売り子の方に聞いてみると‥

ふーんなるほど‥(残念)、失敗したなぁ、10月のうちに何とか手に入れておくんだったと思ってももはや後の干し柿(ん?)。まぁ今年は個人的にもちょっとバタバタしているから、来年に勝負をかけることにしましょうか。というわけで、突如として大きめ赤唐辛子を購入したのでありました。これならカリカリになっても使えるしね。‥ん?もしかしておしんこどん、これで「とある定番ブータン料理=エマダツィ」を作ろうとしているのでは?(焦どきどき)。

このあとは宿に戻ってのんびりと朝食です。うーん、昨日の泊まり客はわれわれを含めても3組?(4組かも)。ちなみに本館に泊まっているのはわれわれだけでしたから、隣の部屋に気を遣うこともなくのんびりくつろげました。うーん、朝ご飯に出ていた菊の花のおひたしはもしかして朝市で売られていたのと同じものだったかな?

朝ご飯も終了。さてそれでは行きますか、肘折温泉の共同浴場めぐり!

ちなみに温泉街の宿に泊まると無料の入浴券がいただけます。これを使わぬ手はない‥はずだったんですが(笑)。

上の湯以外の共同湯の場所については朝市散歩の際にチェックしておきましたから問題はありませんでした。というわけでまずは宿から一番遠い河原湯へ。

ちなみにここ肘折温泉には温泉組合が管理する源泉が4本あるようで、同じ温泉街にあっても、宿によって引いている源泉が違う場合があるようです。温泉街の外れにあるのが2号源泉で、場所柄宿の多くはこの源泉を引いていると思われます。ちなみに温泉街の南にある「源泉公園」にある「源泉ドーム」の湯は3号源泉で、今回宿泊している葉山館の湯はここのものだそうです。



なるほど、左奥の源泉ドーム側から、川をまたぐ形でホースが伸びてきてます(手前1Fが葉山館浴室)。

最初に訪問した河原湯は「3号と4号」の混合だと表示されておりました。4号源泉はどこにあるんだろうか、最初は「いでゆ館」あたりにあるのかなと思っていましたが、どうやら「いで湯館」は2号源泉を引き湯しているようだし‥。

ちなみにここ肘折温泉はかつてのカルデラ火口底に位置しているらしく、何と平成15年には温泉地域そのものが「活火山」に指定されたのだとか(驚)。詳しくはこちらに書かれておりますが、それによると

という記載が見られます。む、むむむ!今回は探しませんでしたが、あの川沿いのどこかに湯が?古くからの湯治場ですからてっきりもうそんな未利用湯なんてないと思っていたのですが。ということはもしかして、かつて「何でこんな所に?」というある場所でBBQをしていたあのグループはもしかして?いや、勘違いかもしれませんが(笑)。というわけで、話を河原湯の共同湯に戻しましょう。

葉山館さんからは上の湯共同湯の無料入浴券を頂いておりましたが、河原湯の隣のお宅にうかがうと「その券はここでは使えないんですよねぇ‥」。ちなみにもう一つの共同湯「疝気の湯」では上の湯の券も問題なく使えたんですが、ここだけは別会計別精算なんでしょうか。謎です(まぁいいですけど)。

なお管理人常駐の上の湯はともかくとして、無人の共同湯であるここ河原湯と疝気の湯はカードによるオートロック方式が採られています。先進の技術を導入しているところに「過去の外来入浴者による悪行」を感じずにはいられないところです。しかし‥

われわれが入浴したい場合は近くの民家に「ごめん下さい、実は共同湯に入れていただきたいんですが‥」とお願いする必要があります。われわれのような旅行客は「たった一度だけお願いする」立場ではありますが、共同湯近くの民家の方はといえばそれこそ毎日いつ何時呼び出されると限らない恐怖と戦わねばならないのでは?しかもそのたびに(たとえ真冬でも)共同湯まで行ってロックをカードで解除してあげなければなりませんから、この負担は正直言って結構きついものであると思われます。

しかし河原湯にしろ疝気湯にしろ、入浴をお願いしたお宅の方々は本当に快く解錠に応じてくださいました。どちらとは申しませんが、何と口にものを含んだままで「はいはい、今開けますから」と出てきてくださったあの行動にはさすがに感服いたしました、いやホントに。

思い起こせば栃木は那須の「滝の湯」なんかも昔はそうだったんでしょうね。今、彼の地では宿泊しないとロック用のキーがもらえないけれど‥。ここ肘折が非宿泊者に対して門戸を閉ざさないよう、外来利用者がマナーを守るように願うばかりです。もし洗面器が好き勝手に散らかっていても「きちんと逆さまに並べて出るように」しなければ。というわけで共同湯へいざ入場。男女とも貸し切りでした。

「男湯」「女湯」は脱衣場からして完全に別ですが、男湯にはきちんと神棚がしつらえられており、その手前に掛けられている暖簾「男湯」には「肘折若おかみ会」手作り刺繍の暖簾が掛けられておりました。そして男湯脱衣場には神棚。まさに地域の方のために造られた湯の「あったかさ」に、お湯をいただく前からうれしくなります。というわけで「いっただきまーす!」

3号泉混合ということもあり、お湯の感じは宿の湯に似ています。源泉が熱くて入れないこともあるということでしたが、すでに前の方が加水していて下さり、湯はまさに適温でした。すごいなぁと思ったのは湯気抜きの位置で、もとより平屋の湯小屋でありながら、換気口はほぼ「3F」の高さに位置しておりました。熱い湯気はとことん上へという自然の摂理を十分に利用した結果、浴室はサウナ地獄とは縁の遠い快適温度。これって、長年の経験に基づいた設計なんじゃないでしょうかね?

続いては歩いてもこれまたすぐ近くの疝気湯共同浴場へ。ちなみに別名は「下の湯」。

案内掲示の通りこちらは上の湯入浴券でそのまま入れました。ロックを解除していただき中に入ると、ちょうどエアポケット的な時間だったのでしょうか、どなたもおられず、またも湯っくり。ちなみにここは2号源泉だけを利用しているようです。

さて、このあとは久々に「あの湯」を訪ねます!しかし、雪が降ってもおかしくないような空模様なんですが大丈夫かな?
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