三眺山に着いたとはいえ、ここから一旦稜線沿いに下り、利尻岳本峰を巻くようにして山腹をトラバースし、一気に登って鴛泊コースの九合目に合流するという大仕事はこれからです。しかも、ここからの区間はこれまでとは違って結構危ないところが多いんですね。コースタイムが鴛泊コースよりも短いのに利用者が圧倒的に少ない理由はここにあるんでしょう。天気が悪い場合はさらに危険度も増しそうですし。
こんなふうに花あり展望ありで気持ちのいいルートなんですが
進んでいくうちに足場の崩れやすい上り下りや岩場なども出てきます。
やがてトラバースルートに入ると、稜線直下からはるか山麓部にまでかけて続く長大なガレ場を何箇所もトラバースします。火山岩が風化したと思われる細かな小石が延々と流れており、足を踏み込むとザザァっと流れます。ロープは張ってありますが、場所が場所ゆえに支点の強度に期待はできそうにありませんし、まぁ一応あるだけましと考えた方がよさそうです。
こんなガレ場のトラバースが数箇所続きます。
ところでこのトラバースで一番苦労していたのが他ならぬキーちゃん。というのも彼の履いている靴を思い出せば一目瞭然で、そう、彼のスポーツサンダルには小石が沢山入り込んですごいことになっていたわけですね。さすがにトラバースが終わると靴を脱いで石を取り出しておりました。
この区間が終わると今度は一気の登りとなります。足場はよくないのですが、土止めの土嚢の上を歩くようになっていて、歩道維持の苦労がしのばれます。
ふと人の声が近くなってきたと思ったらいきなり合流点の九合目でした。道の幅もいきなり広くなり(要はそれだけ道が荒れているということなんですが)、行き交う人も増えました。「キーちゃん、もしアレだったら先に頂上に行っていいよ」と声をかけたら、それこそスタコラサッサとどんどん登って行っちゃいました。やはりわれわれのペースは彼にとって遅すぎたのね(笑)。
あと一声で頂上、上ではキーちゃんが手を上げてます(マウスオンで拡大)。
というわけでほぼ12:00ジャスト、頂上に到着です。ここまで休憩込みで5時間弱くらいという話をしていたら、他の登山者が「私たちは下を5時半に出たのよ」とのこと。そりゃ沓形コースのコースタイムが短いからなのか、それともこのおばさま方のペースが遅いだけなのか。
頂上は晴れていますが全体的にかすんでいて、360度の大展望とはいきません(礼文も見えなかったし)。まぁ鴛泊の港もちゃんと見えたしこれはこれでよしということにいたしましょう。
下の方には結構雲が出てます。
頂上の東側斜面にはお花畑が広がっていました。
こんなローソク岩だってネタにしてしまうわれわれでした(笑)。
さて展望についてはこれくらいにしておいて、実はこの時点でTakema&おしんこどんにはある「黄信号」が点灯していたのであります。それは‥「水」。
この日は本当に暑い日で、予想以上に水の消費量が多かったんです。まだなくなってしまったわけではないし、ここからは下る一方だからここまでよりは消費ペースも鈍ると思うんですが、それにしてもちと残りが少ないなぁという感じでした。
この右画像は、水を飲むおしんこどんにカメラを向けた瞬間にキーちゃんも水を飲み始めた偶然のショット。
一方、キーちゃんは2リットルのペットボトルをゴクゴクと飲んでいます。と、ここでキーちゃんがひとこと。
というと、キーちゃんがザックからおもむろに取り出したのはなんと、「さらに2リットルのペットボトル」だったのでありました!うわキーちゃん、2×2=4リットルも背負ってきていたのね!ちなみにわれわれは2人で2.5リットルという「夏山登山にあるまじき激少量」なのでありました。くぅ、キーちゃん、こっちのがなくなったときには「ゴチになります!」。
さ、そろそろ下りましょ。
うわぁ、あの尾根が尽きるところまで下りるわけね。先は長いぞ!
難所は下りのほうが危ないんですが‥こらおしんこどん、そんなところでポーズ取るんじゃない!(笑)。
ここまで下ってくれば一安心‥ですが、三眺山が高くなってきた!
必要な人には必需品の?トリカブト | エゾノハクサンイチゲ‥だと思います |
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時折ポーズ写真を撮りながらもぐんぐん下ります。
結局最後の休憩ポイントで「キーちゃん水」のお世話になりました。なくてもまぁ何とかなったとは思いますが、目の前にたっぷりトプントプンと音を立てるペットボトルがあるわけですからね。はい、ごくごくごくとのどを鳴らせていただきました(笑)。
六合目を過ぎたあたりでおしんこどんが足の痛みを訴えたので(おしんこどん足は甲が低いので下りは足指に負担がかかるんです)ゆっくりモードに変更し、キーちゃんには先に行ってもらうことにしました。で、登山口まで下りてきたらキーちゃんが待っていたんですが‥
いやぁ、スポーツサンダル君もよく頑張りましたよ。
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というわけで「本日の営業」は全て終了し、あとはキャンプ場に戻るだけです。おっとヒッチのキーちゃんですが、なんと偶然にも「行きに乗せてもらった車」に再び乗せてもらうことができました。なお愛着あるスポサンゆえセイコマでボンドを買って徹底補修しこのあとの旅でも使い続けたいということで、この場所で別れたわけですが‥あれま結局翌朝まで会わなかったぞ。
ふぅ、一仕事終えたなぁ‥。
このあとはいつものように温泉&居酒屋へとなだれこみ、いい気持ちになってテントまで戻ってきました。キーちゃんテントは‥寝てるのかな。Wさんはまだ戻ってきていないようでテントはしんとしておりました。さ、われわれも今日は疲れたし(結局8時間ちょいの行程でした)、そろそろ寝ましょうかね。明日は島を離れて稚内へ戻ります!
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