− 紅葉前の黒部峡谷温泉めぐりっ!(5/6) 祖母谷地獄に極楽野湯を造るべく! −
事前に得ていた情報によると、ここ祖母谷温泉の上流部には「祖母谷地獄」という源泉地帯があるとのことでした。
と考えたのが、そもそもこの湯めぐりを計画する上で一番のきっかけになったわけですが、さらに調べていくうちに「どうやら沢のすぐ脇が源泉地帯」だということがわかりました。ならばさらに好都合、源泉と沢水をうまい感じで混ぜ合わせれば適温の野湯が製作できるのではないかと考えたわけです。しかし、ことはそう簡単ではありませんでした(笑)。
まずは源泉地帯の探索&いい案配の場所探しです。
左上画像は小屋に湯を供給している貯湯槽。もちろんここは見学だけにとどめたわけですが、ふとその近くを見ると何やら湯だまり状の池があります。こ、これは!と一瞬思いまし‥いや、思いませんでした。
この日は暖かな日和だったのですが、湯だまりからはかなりの湯気が立ち上っているのがわかるでしょう。そう、この源泉は「あまりにも熱すぎる」のです。ちなみにWikipediaによるとここの源泉温度は何と98度!
となれば、この源泉が下流に流れつつ温度が下がったところあたりに湯船を造れば‥という発想がすぐに浮かびますが、この地における温泉状況はそう甘くありません。
まだ熱い、とっても熱い‥うそだろ、もう沢と合流しちゃうの?
そう、源泉から流れ出した「温泉沢」は、適温どころかまだまだアチチ状態を保ったままで祖母谷本流と合流してしまうのです。しかもその「ミニ温泉沢」の途中や祖母谷との合流点近くにも別の源泉湧出があり、結果として合流点における湯温は推定ですがたぶん70度はあったのではないでしょうか(流れ込む場所はいくつかあるのですが)。これでは到底ミニ温泉沢の途中に湯船を構築するのは無理、必然的に合流点付近で何とかしなければなりません。しかしこの祖母谷‥
とはいっても言葉だけでは状況がよくわからないと思うので、動画の方でご覧いただきましょ。
|
水量が多く、しかも湯船を造りやすい河原状の平坦地はほとんどありません。岸からいきなり深くなってしまう場所ばかりなのであります。というわけで水際エリアを上流側から下流側まで行ったり来たり。その結果出た結論とは‥
大岩が谷の本流をブロックするかのようにせき止め、流れ込みの水量がだいぶ少なくなっている多少河原状の場所。ここに流れ込む水の量をうまく加減すれば何とか入浴可能な湯船ができそうです。というわけでえっちらおっちら、小さな石や小砂利を手作業でかき集めてきて本流との堤防を造成したわけです(今回スコップ等は持参しなかったのですべて手作業)。
となればあとはいざ入浴?いやいやなかなかそう簡単にはいきません。この急造りの臨時湯船ですが、河原側からは熱湯に近い湯が、そして沢側からはとっても冷たい沢水が、それぞれ「この場所の真の支配者は俺だ」とばかりにキビシク自己主張しているのです。
本来ならそれぞれの流れを「流れ込みのあたりで」うまく合流させて適温化させたいところですが、いかんせんみごとに反対側から流れ込んでくるのですから事はやっかいです。‥と、この湯だまりに入った湯水が2箇所から下流側に小滝状に流れ落ちていることに気づきました(左上画像にマウスオンすると場所が表示されます)。
この「小滝状」に流れ落ちるというところがミソ。熱い湯と水とが流れ落ちる際にミックスされるというのがありがたいわけで、これで「あちつめたい」状態から脱却できます。というわけでまずはこちらで!
本流の水流はそれほど多く流れ込まない場所ですが、でもね‥。
|
しかし、やはり最初に作業をした上の湯船への未練というかこだわりは捨て切れません(そっちの方が「絵」になるからという現実もあるのですが)。そこで一度は躊躇し、服を着たTakemaではありましたが再びチャレンジ!
これぞ野湯の醍醐味、こうこう、こうでなくっちゃ!
しかし、予想通りこの時の現実はあまり「極楽」ではありませんでした。というのはこの時の手持ち撮影動画ビデオを見てもらえればわかるのですが‥
|
つまりは、この一見優雅に見える足出し画像も?常に「熱湯甲子園」とのバトルだったわけです(笑)。
|
というわけで、1時間以上に及ぶ地獄滞在はやっぱり楽しかったぁ。自分が再度服を着た直後に男女6名くらいの中高年グループがやってきましたが、この場所にて足湯を楽しむのみでした。というか、たかが足だけでも「熱かったり冷たかったりでダメ!」とおっしゃっておられましたっけ。あのぉ私は全身で(笑)。
さて今度はテントに戻り、テントから20mほどの距離にある露天風呂へと向かいます。ちなみに全然知らなかったし聞くこともなかったんですが、ここの宿には別源泉の内湯もあったんですね。しまった知っていれば内湯にも入らせてもらったのに!
プールのように広い露天風呂には加水された湯がどんどんと気持ちいいほどに流し込まれています。ちなみに「加水」ですが、湯の投入口直前で混ぜられていますから、実際どれくらいの比率で混ぜられているかも一目瞭然でした。あの湯温の源泉ですからもちろん文句は一切ありませんし、何だか「潔さ」を感じずにはいられませんでした‥って言いすぎ?
さて、谷間の夕方は早いんです。そろそろ夕ご飯&静かにお酒でも飲み始めましょうか。
[戻る] | [次へ] |