− (11) 雨の猿倉温泉でほぼ貸し切りまったり、そして鄙び系の湯段温泉へ −

十和田湖に向かって進んでいくうちに空模様はどんどん怪しくなり、十和田湖との分水嶺である滝ノ沢峠あたりではゴーカイな霧、そして外輪山上の道(十和田湖はカルデラ湖ですからね)を奥入瀬方面に向かっていくうちには雨、それもかなり強い雨模様になってしまいました。あー車でよかった。

ところで滝ノ沢方面から蔦温泉方面に向かうのに、新しくバイパス?(いや、国道102号のメインロード)ができていてびっくり。奥入瀬側沿いのあの有名な道を通らなくてもよくなったのね。綺麗かもしれないけれどいつも混んでいてあまり好きじゃなかったので個人的には大歓迎。

さてさて、なぜにこちらの十和田八甲田方面にまで足をのばしたのかといいますと、特に理由はないんです(苦笑)。「あまりに温泉ばかり回り続けると飽きてくるので、たまには気分転換しましょ」というくらいのものだったわけですが(ゼータクな話ですなあ)、それでも「せっかく足をのばすんだから、ご当地の温泉にも絶対入ろう!」と思ってはおりました。しかしねぇ、土砂降りじゃん‥(悲)。

これでは某野湯探索もパスするしかありません。それならばまだ入ったことのない宿の湯にでも浸かろうと決めました。というわけでまずは蔦温泉、確かあそこは足下自噴湯だったよなぁと思い出したのですが、駐車場に停められた車の多さに恐れをなしました(笑)。

続いては谷地温泉。はるか昔々(高校時代)に「入った」という記憶だけはあるのですが、お風呂の記憶は完全に抜け落ちています。というわけでここ数年の間にも宿の前まで行ったことはあるのですが‥今回もまた駐車場は満員状態。こりゃだめだというか、芋洗い風呂には入りたくないのでやはりパスとしました。

となれば?ふむ、そういえば猿倉温泉はこれまで入ったこともなかったし、そもそもその存在がぽっかり頭から抜け落ちていたような‥。それならばということで国道から温泉への脇道へと進んでいきます。駐車場は?ふむ、蔦や谷地ほどの車両数ではないようでよしよし。

宿の中に温泉は二箇所。まずは入り口からすぐの露天風呂へ。そうそう、今回の湯めぐりで硫黄泉は初めてなんですよね。

湯船は上下段に分かれていて、上段に先客がお一人いるだけでした。少しお話をしてうち解けた後、おことわりを入れた上でカメラを持ち込んで撮ったのが上の画像ということになります。ちょっとぬるかったかな。源泉は85度あるということですが加水量が多すぎるのかもしれません。でもまぁちょうど小雨になったところでしたんでしっとりした風情でしたからとりあえずよし。

続いてはもう一つのメイン浴場へ。脱衣カゴは先客1名を示していましたが、入ってみるとどうやら外の露天でまったりしている様子。よし内湯写真を撮っちゃおうっと。



こちらは内湯だけあってきちんと熱い湯も楽しめました。

こちらには天然のサウナもありましたが、しばらくして先客さんが中に入ってこられたので今度は入れ替わりに外へ出てみます。あれま、また雨が強くなっちゃったのね(だから先客さんも戻ってきたわけか)。しかしせっかくなので二つの湯船を急いでハシゴしました。特に奥の湯船は屋外にもかかわらず湯温も高くて、雨さえ降っていなければ気持ちよくのんびり出来たのに‥ちょっと残念。



ま、ほぼ貸し切りで利用できたんだからよしとしなきゃね。

というわけでわっせわっせと八甲田まで来た割に、立ち寄ってみたのはここ猿倉温泉だけだったのであります。というかここ以外では車から降りることもありませんでした。もっとも酸ヶ湯まで来たら雨も上がったんですが、酸ヶ湯に泊まる気はしないなぁ。

このあとは城ヶ倉大橋を渡り国道394号線経由で再び弘前方面へ戻るわけですが、昼食のタイミングを逸し、すでに時刻は午後2時近く。どこかよさげな蕎麦屋さんでもないだろうかと思っていたら、あれま思いがけない場所に願った通りの蕎麦屋さんが!



ログハウスの蕎麦屋さんって珍しいですよね。

お蕎麦はきちんと美味しかったです。ちなみにTVは青森のローカル局の番組、間近に迫った青森ねぶたの特集番組を放映していました。うーん、数日後とはいえ青森ねぶたまではこっちにいられないんだよなぁ。そのかわり?(ふふふ)。

394号沿いにはこれまた以前某国営放送?で紹介された共同浴場があることを知っており、施設の前まで行ってみましたが、あれま新しくて大きな施設なのね。で、見ている間にもお風呂セットを抱えた地元の皆さんが続々と吸い込まれていきます。うーむ、今日のところは「地元優先」ということでご遠慮申し上げましょうか。

というのも本日の宿である「湯段温泉」は岩木山の南山麓、そこまでにはまだかなり距離があること(弘前市内を通らなければなりませんし)、また宿そのものが完全自炊形式ゆえ買い出しもしなければなりません。そして何よりも「せっかく泊まるのなら明るいうちに宿に着いていろいろ見たい」という欲もあるわけで‥。

自炊とはいえ、この1泊のためだけに食材を買い込んでしまうと余った時ににっちもさっちもいかなくなるので、溺愛の、いやちがった出来合いのお総菜や朝食用のパンや牛乳を買い込み、それ以外に寄り道なしで(道中、「○×温泉こちら」の看板をじっと見ながら我慢の子であったTakemaであります)一気に湯段温泉へ。



今日の宿(いつものように前日に予約)は「長兵衛旅館」。

すぐそばにある静明館に比べて外見は新しい建物のように見えますが(失礼)、どうやら外壁(と玄関部分)はリフォームされているようで、中に入るとしみじみとした鄙び系の雰囲気が味わい深いです。人それぞれだとは思いますが、こういう宿、好きなんですよね。

ちなみにこちらの宿は自炊(3000円)のみの受付、寝袋持参であれば何と1泊1800円。しかしせっかくだから布団でのびのび寝たいです。なぜならこの旅行の後はすぐさま北海道キャンプツーリング。たっぷり寝袋で寝ることになるのですから‥。

なぜか自炊室ではなく廊下に置かれている冷蔵庫にビールやら何やらをガサゴソと入れているうちに、向かいの部屋からおばさまが出て来られ、「へぇ千葉から、そりゃご苦労さんですねえ」等の会話のあと部屋に戻り、すぐ出て来て‥



うわ、自家製プラムがたーくさん♪

ご自宅は「近くなのよ」ということでしたが、ホントにこんなにいただいちゃってよかったんでしょうかと思いました。ありがたいなぁホント。こういう宿ではこういうほのぼのとした雰囲気がいいんですよねぇ。

ふと思うのが、「各部屋の入口に鍵を付けると、その分宿泊者の気持ちにも鍵がかかっちゃうんじゃないか」ということです。安全上は確かに鍵付きの方がいいのだろうけれど、考えてみれば自分がいいなあと思う宿は鍵がない比率が高いような気がします。どんなもんでしょうかね。

さ、とにかくお風呂お風呂♪というわけで片手にデジカメ、もう片手にタオルを握りしめていざ浴室へ。ちなみにこちらはちゃんと男女別です。

男性浴室の湯船は2人も入ればいっぱいになってしまうほどの小さなもの(多分女性の方も同じようなものでしょう)。もっとも今日は泊まりですから脱衣場を覗けば先客の有無は一目瞭然、誰も入っていない時を狙えば貸し切りで入れるはずと考えていたわけですが、現実はもっと甘くて?覗きに行ったときはいつも貸切状態でした(この日は何組か泊まり客がいたんですが)。

お湯はまさに適温、ちょっと金気のある湯がどんどん注ぎ込まれておりました。あーっ、いい気持ちだこと。

お風呂上がりの散歩で外に出てみたら、どんどん雲が少なくなっていき、まさに岩木山の頂上が見えたところ?でした。ここで「ふふふ」と不敵な笑い。実は明日、岩木山に登っちゃおうではないかという計画なのです。天候回復はあまりにも嬉しいぞ。

夜になってもう一度お風呂に入りました。21:00頃だったかな?ちなみにまだその時間だというのに管理人室の電気は消えておりました。「この宿の夜は早い」ということでしたが、確かにその通りなのですね。で、こっそり建物の外に出てみたら、暗闇に不審な人物二人を発見!いや違った、そのお二人がおっしゃるには‥

蛍見物にお越しになった方のようでした(笑)。そういわれてよく見れば沢(宿の横)の周辺には蛍がちらーりほらりと淡い光を放っていましたっけ。

さ、明日は早起き、いや違ったそんなに早く起きるつもりもないけれど、一応ミニ山登りってことで!‥しかし、この翌日が「思い切り盛りだくさん」の1日になろうとは全く考えてもおりませんでした。温泉はもちろん、山も、食べ放題も、そしてお祭りもっ!
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