− その1 出鼻をくじかれ悲しきト伝の湯、続いて赤怒谷にてドッキドキ −

(2007年6月14.15日)

諸般の状況により、何と突如として平日の木金に休みが取れることが1週間前に決定!となれば、久々にバイクで1泊お出かけしてしまおうではありませんか!目的地は‥よーし、Takemaとしては手薄エリアとなっている長野界隈を、野湯中心にぐるっと回ってしまおうか!ではどの湯を目指そうか‥ふつふつとわき上がる湯欲なのでありました。しかし‥

出発前日には「14日=曇りのち昼前から、15日=という、何ともはや悲しい予報になってしまったのであります。というわけでバイクはさすがにパスすることにしました。だって、雨の中湯船を作ってびしょ濡れになって、苦労して湯に浸かったあとに今度は雨具を着こんで走り出し、外は濡れ濡れ内部は蒸れ蒸れという状況だけは避けたいですからね。やむを得ず車で出かけることにしましたが、実際のところバイクで強行していたらどうなったことやら系の雨続きとなりました。ふう。

さて、長野は上高地のゲートに到着したのが午前8:30。やはり千葉を5時前に出発すると1日が有効に使えますな。というわけで、まずは野湯の前にこれまで未湯だった「ト伝の湯」に入ってしまおうという目論見なのであります!しかし、この一発目から早くも暗雲が立ちこめてしまったのであります。

ゲートの後ろ側にある中の湯売店に鍵を借りにいくと、ゲートの係員さんいわく、

な、ナニ?お、温泉旅館そのものがお休みですと?確かに売店は閉まっていますが、売店がお休みなだけなのでは?僅かな可能性を唯一の望みとして旅館に直接電話を入れてみると‥うーん、やっぱりお休みのようです。

というわけで、最初から出端をくじかれてしまいました。そしてさらにこれとちょうど同じ頃、これまで何とか持ちこたえていた天気もいよいよ崩れだし、小雨まで降り始めるという悲しいお知らせ。くっそー泣きっ面に蜂とはこのことでんがな!

ちなみに旧中の湯のあった付近の河原にもいくつか湯が出ている場所があるということでしたが、中の湯側からはアプローチ不可(私有地内立ち入り禁止)ということで、今回はあえなく断念いたしました。雨さえ降っていなければ多少の困難は乗り越えるんですが、何だか気持ちが萎えちゃっていたのも事実。やっぱり野湯行脚はお天気の日に限るよなあ。

でもまあ仕方ない、もう一つの湯に浸かりに行きましょっと。

国道をしばし戻った旧道沿いにある湯の噴出口を目指します。そういや今から20年以上前、冬の上高地に入るのにこの道をよく歩いたよなあ。まだ安房トンネルも開通しておらず冬期は沢渡でゲートが閉鎖されていたわけで、一連のトンネル群の中でも一番開通が遅かった赤怒谷トンネルのあたりはまだ古い細道がメインルートだったっけ。



この道を歩いたんだっけなぁ。ちなみにこの旧道上にも源泉施設がありますがこぼれ湯はなし。

で、この旧道沿いにガス抜きの排出口があるわけです。その昔この付近(安房トンネル工事現場)で水蒸気爆発が起こり、そのため(だったか)安房トンネルの出口付近は計画を大幅に変えて現在のルートになったわけです。安房トンネルの松本側出口付近が妙に強引に曲げられているのはそのためなんですが、この旧道から見て対岸の上部には、結局使われぬまま放置されることになった橋脚の柱が何本かさびしく取り残されているのが見えます。

話が全然関係ない方向にそれちゃいましたが、お湯の話に戻しましょう。道路の下に埋められたパイプの先から常に湯気が噴出しています。ちなみにこの噴出とともに高温のお湯が少量出ているわけですが、その噴出は一定ではなく、時には対岸まで蒸気が吹きつけられ、それとともに熱湯が雨あられのごとく周辺に降り注ぐということですから決して油断はできません。で、まずは河原に降りてみると‥

ちなみにおしんこどんが立っている場所は明らかな危険地域です。今この瞬間に大噴出が起こったら熱湯地獄間違いなし(出なくて良かった)。で、パイプから落ちている湯はといえば下の岩場付近に三々五々思い思いに流れ落ち‥

その一部は、岩のくぼみにたまっているではありませんか。さわってみるとなかなか適温です。しかし問題は、このくぼみ自体が微妙に危険エリアと思われる範囲にあるということ。直撃は受けないにしても熱湯シブキくらいは食らいそうな場所にあるわけです。どうしよ?

意を決し、速攻で服を脱ぎ、ダッシュで浸かって記念撮影、その後手早く撤退したことはいうまでもありません(コワカッタ)。浴感?うーんよく覚えておりません(笑)。

ちなみにこの一連の作業中にも、雨はどんどん強くなってきました。うーん、このまま全て野湯行脚を続けるのもしんどいなあ、せめて屋根のあるお湯にも入りたいよなあ、というわけでちょっと方針転換。雨の平日だし案外すいてるんではないかいというわけで、何年も前に温泉界を騒がせた、あの野天風呂を目指すことにいたしました。
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