− その4 ゴーカイ垂れ流しの源泉こぼれ湯見学のあと、小谷温泉へ −
続いては一気に北上して小谷(おたり)界隈までやってきました。以前から通るたびに気にはなっていたんですが、これまで現場チェックもして来なかった国道脇の源泉こぼれ湯を、今回はじっくりと見に来たわけです。道の駅に車を置いてあとはひたすら歩いていき、この辺かとおぼしき場所で河川敷に下りていくと‥
ありましたありました、結構な量の湯が国道下のトンネルから流れ出しています!実はこの源泉、国道を挟んで反対側の源泉から流れてきているもので、そちら側には源泉を示す標識が建てられています(ただしそれほど頑丈な造りの看板ではないので、何年か経てばなくなってしまうかも)。一見すると何だか汚なそうに見えますが、これは湯の成分がこびりついたものでしょうし、もともとここを流れるのは汚水ではなく源泉の未利用分ですからそれについては問題ないはずです。
ネット上にも、このこぼれ湯の下で湯を楽しんだという記録はいくつか散見されます。そしてそのレポートに共通しているのが、「何といっても国道のすぐ脇なので道行く車から丸見え」であることに対する危惧でした。でも今日は平日、しかも小雨がまだ降っているということで、こういう日はドライバーや同乗者もあんまりきょろきょろしないはず!というわけで「あわよくば入っちゃえ」という下心丸出しだったわけです。ただしあまり時間がないので(今朝宿に予約を入れたところ、「夕食は17:30からなので間に合うようにお越し下さい」と言われているのです)、多少浅くてもまあいいかくらいのつもりではありました。しかし‥
今シーズンはまだ誰もチャレンジしていないということか?適温エリアはそれこそ水深3-4cmくらいしかなくて、表面にはたっぷりの藻が水面を1/3くらい覆っており、しかも見たところ底にはたっぷり泥が堆積している感じです。そんな流れが草むらの中50mくらいは続いていました(そこから先は温度が低いので見に行きませんでした)。うはーこの流れにそのまま入るとすれば、もう野湯界でも変人扱い間違いなし?
いや、もちろんきっちり工事をすれば入れない場所ではないのです。スコップで泥を掻き出し、石組みで泥止めを作って入ればそこそこの湯だまりが作れそうなんです。しかし、もう時間がないのですよ時間が!というわけで、源泉に手湯だけであきらめました。しかし未練たらたらのTakema、再び斜面を上がりつつ振り返ってみると‥むむむ、メインの流れとは反対側に何やら手を入れたような、どうも他とは違う水たまりが?もしかしてもしかする?再び斜面を下っていくと‥
むむむっ!なぜかここだけ妙に深く、しかも藻がほとんどない場所発見!明らかに人工的なにおいを感じずにはおれません!これがラストチャンス!というわけでまずは水温(「湯温」であってほしいぞ!)を測るべく手を入れてみると‥
最後の期待は無惨にも打ち砕かれたのでありました(悲)。ちなみにあの水たまりですが、きちんと手を入れて整備し、そして湯の流れをうまく導けばそこそこの湯だまりになると思います。せめて発見後あと30分でもあれば、しっかり整備しておいた上で翌日再訪することもできたと思うんですが‥残念です。雨と風さえなかったらもうちょっと気合いが入ったような気もするんですが、まぁとにかく残念なことでありました。
ちなみに先人の記録を見ると、この辺りはもっと石石岩岩(いしいしいわいわ)していて、こんなに土や草がある場所には見えなかったんですが。洪水でこの辺りに泥が堆積しちゃったのかなあ。教訓=「気づいたときこそ入り時!」。
というわけで、気を取り直して今宵の宿である小谷温泉山田旅館へ。
創業数百年の、江戸時代に建てられた建物(右上の建物)も残る宿ですから、何だか歴史を感じます(両画像ともマウスオンで別画像に)。
食事まであと30分弱、館内に二箇所ある内湯のうち、まずは新湯源泉の別館湯へ(元湯の方には人が出入りしていたので混んでるかと思って)。新しい浴室ゆえ風情はないですが幸いなことに先客なし(というかタイルが完全に乾いていたところをみるとしばらく誰も入っていない?)。お湯の表面にはうっすらと膜がかかっていて、これは湯がどんどん投入されてはいてもしばらく入浴者によってかき回されていないことのサインですから、すっかり気をよくしながらもそそくさと雨と汗でべとべとになった身体を一気に洗い流したTakemaでありました。ふぅ。
夕食はなかなか盛りだくさんの内容でしたが(左上画像にマウスオンすると、脈絡なく夕食画像に変わります)、下手に肉を出して見せつけたりしないところが気に入りました。基本的に山の幸たっぷり。しかしやはりわれわれ少食人種にとっては厳しい量だった!
この日の宿泊客はといえば、個人客がわれわれを含めて4組、とここまではいいんですが、それに加えて20名近くの団体さんが一組いたのがこたえました(笑)。中高年の団体さんだったので「ははぁ、これは明日雨飾山に登る登山客かな」とみていたんで、登山客となれば朝は早いはずなので朝湯は湯っくり楽しめそうだなぁと思っておりました。しかしおしんこどんは翌朝「例の団体のおじさんが朝からお酒の瓶を持ってうろうろしていた」ところを目撃したそうですし、かといって宴会メインの団体さんでもなさそうだったし、どういうグループだったんでしょ?
で、夕食後、団体にしろ個人にしろ「今すぐお風呂だけはちょいとキビシイよ」というタイミングで元湯浴場を覗いてみました。いやさすがにわれわれだって「満腹食後すぐのお風呂」はきついんで、この時は見る(写真を撮る)だけでしたが。
深めの浴槽にやや熱めの湯が打たせ湯系で注ぎ込まれています。ちなみにこの元湯の源泉はこのすぐ裏側に自噴しているのだそうで、その自噴湯をそのまま高低差を利用して湯船に注ぐようにしているのだそうです。で、浴槽の脇にはちゃんと寝湯が設置されているのが嬉しい限り。このあたりは宿の先代のご主人が工夫なさったんでしょうか?
ちなみに各部屋にはこの先代ご主人「山田寛さん」の生涯を綴った本が置かれています。日本のスキー黎明期を支え、先取の気概に溢れた方だったんだなあと思いつつ、気がつけば一晩で読破させていただきました(その裏には「どうせ明日も雨なんでしょ」という諦観があったことは否定しませんが(苦笑))。
日付が変わる頃より少し前に床に就きました(おしんこどんはもっと前に眠りの神に召されておりましたが)。その頃はまだ雨だれの音が聞こえていましたが、さて目が覚めたらどうなってるんだろ?
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