− その3 大塩温泉炭酸湧水井戸 −
シュワシュワ水、ガムシロ入れりゃリボンシトロンできあがり!(ふ、古っ!)
このページは温泉ネタではないのですが、関東外でもこれは珍しいっしょというわけでご紹介。
それは副題にもあるとおり炭酸井戸。要は「井戸水がそのまま発泡炭酸水」というわけですね。「まさに炭酸泉」の源泉飲泉としては、北海道の五味温泉が一番シュワシュワしていた記憶があるんですが(記憶だけで画像も紹介ページもありませんけれど)、こちらは冷泉がそのまま井戸として湧き出ているわけ、まぁ五味温泉も温泉施設のそばに源泉が出ていた記憶がありますが(、‥と、ここまでタイプしたところで「もしかしたら実は五味温泉もすごいんじゃないか?」という気持ちになってきました(笑))。
民宿たつみ荘で道を聞いたにもかかわらず、とんでもない道(未舗装)に迷い込んでしまいました。林道沿いにはいくつか謎のコンクリート製施設が。どうやらこのあたりは昔の鉱山跡だったようです。そういや、この鉱山が操業を開始してから大塩温泉の湯温が下がった(昔は加熱不要だったそうです)ということだったっけ。しかし、こりゃどうやら目指す井戸とは違うぞ。
というわけでかなり上まで登った林道を下ります。それにしても4WD&地上高の高いフォレスターはやっぱりいいわと実感。ちょっとしたガレガレ道も余裕で(底擦りもなく)上がっていけるもんね。ただ、途中に張り出した木の枝で塗装表面に傷が付いたのはご愛敬ってことで(笑)。あまり気にしないんですけれどね(=たぶんそのまま放置予定)。
季節はまさに田植え本番のGW!というわけで専業兼業を問わず農家の方々は皆さん田んぼに出ていらっしゃいます。たまたま道ばたで話し込んでいたおじさんに「あのぉ‥」と切り出すと、うわぁおじさんそれまでとは違って表情がマジに!(一瞬こわかった)。
でも、聞いているうちに「『どうやって説明すればいいのか』を真剣に考えてくださっていたんだなぁ」と納得。「ここを道なりに行って、鳥居のすぐそばだよ」と説明してもらえればそれでもう十分なのですが、とっても丁寧&どんどん優しい顔に変化して下さったように記憶しています。
さてそんなわけで本来の目的地である炭酸井戸へはそこからほんの少しで到着。何だ、最初は一つ前の林道を上がっちゃったのね(ちなみにこの炭酸井戸直近までは全部舗装されてます)。大塩温泉から只見に少し戻ると、次の集落が始まる付近で右に舗装道路が分岐します。右折して少し道なりに行けばすぐ右側の森の中にあります。
林の中にひっそりとありました。一応整備はされています。
というわけでこちらがその井戸の内部です。井戸の底が緑に見えますが、これは木々の緑が反射しているだけで、藻が繁殖しているわけではありません(だって炭酸成分含有だもん)。そして、底部からどんどん自噴しているのがわかります。え、上の写真ではそれがわからないって?しょうがないなぁ(嬉)。
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さてこの炭酸泉ですが、実はかなり古くからしっかり国際派だったのですね。というのはこの炭酸水、明治(38年)から大正にかけて「芸者印タンサンミネラルウォーター」という名称でヨーロッパ諸国に輸出されていたというのです。しかもドイツから専門の技師を招へいするという本格的事業として!
結局輸送の問題もありこの事業は頓挫したようなのですが、それにしても明治30年代にこの地を訪れたドイツ人技師は、ここ(福島県金山町)に来てどんな印象を持ったのでしょうね。その技師についての記録って残っていないのかなぁ。日記などが出てきたらものすごい民俗学的価値があるように思えるんですが。
なお上記の記載内容については、現在この井戸に隣接するとある施設のウェブサイトを参考にさせていただきました。すぐ下でご紹介いたします。
というわけで、そんな歴史ロマンを秘めた炭酸井ですからこりゃ飲まずに帰るわけにはいきません。というわけで、井戸枠の石上に置かれたひも付きのヤカン(これがまたローカルですなぁ)にてくみ上げ、いざ飲泉っ!
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なるほど炭酸!もちろんコーラのような激烈発泡ではなく微発泡ですが、自然そのままの水としては十分すぎるほどです。考えてみればコーラを飲んだ後しばらくして出るあのゲップ感はどう考えても人工的そのもの、ここの水はもっとマイルドかつ味わい深いです。他のウェブサイトには「結構鉄っぽい味」と紹介されていることが多いですが、自分たちの場合、そんなには感じなかったなぁ。
というわけでここはお勧め!是非ペットボトル(もともと炭酸飲料が入っていた丸ボトルの方が膨張しないのでオススメ)をご持参下さい!
さてこの日は太陽が出るとそれなりに暑い日だったんです。するとおしんこどん、ここにて究極の発言をしてくれました!
「よぉっし、わたしはここで頭を洗おうっと!」
おそるべき発言です(大笑)。何とこの炭酸水にて頭をスッキリさせようという試みとは!ちなみにもうおわかりかもしれませんが、おしんこどんは時々こうやって思いもかけない発言を行動に移すんですね(笑)。となればそれを押しとどめるTakemaであるはずもありません(大笑)。というわけで‥。
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ちなみに、この井戸のすぐ脇にはこんな看板がありました。実は矢印の方向には現在この井戸水を利用した工場が建てられているのです!
「aWa心水?」「自販機で販売?」
実は国道から曲がってくると、この建物が否応なしに目にはいるはず。自販機もありますね。
自販機にはこのような貼り紙が。
そう、この炭酸井戸から数十mの近くにこんな「工場」が建てられているのでした。建物はホントにピカピカですから、まだ開業して間もない感じですね。ただし前述の通りここの水は明治-大正にかけて輸出されていたという歴史あるものですから、開業というより再興というほうがいいのかも。というわけで詳しくはこちらのサイトをご参照下さい!
「会津心水株式会社 − aWa心水 −」(まだ無許可リンクですがお許しいただけると思いますので‥)
「へぇ、欧州まで輸出するという壮大な事業なのに、会津若松までは馬の背に乗せて運んでいたんだぁ」とか、結構いろんな意味で勉強になります。それにしても当時この事業を興した人はすごいよなぁ。
というわけで、このあとは山の中の野湯に向かいます!しまったなぜビニールプールを使わなかったんだろう!