− 阿武隈山地を回りたくなった経緯 −

子供の頃から地図を見ると都市ではなく田舎、すなわち地図上に情報が少ない場所を見るのが癖でした。バイクで走り回るようになってからも、地図を見る目はあまり「見どころ」のなさそうなページを追い求めていました。だから箱根とか伊豆とかはそれぞれ両手に余るくらいしか行ったことないよなぁ。

そんな自分には日本の中でもいくつか気になるエリアがあります。どうしても東日本に偏ってしまうのはお許しいただくとして、一つは北上山地エリア、そしてもう一つはこの阿武隈山地エリアだったりするのです。

どちらも有名観光地をあまり持たず(それぞれ龍泉洞、あぶくま洞という大きな鍾乳洞を持っているのはただの偶然でしょうが)、観光エリアとしてはどうしてもB級のそしりは免れぬところでしょう。でも、そういうエリアだからこそ絶対何かがあるはずだし、古き良きものだって残されているはず!結果として自分として楽しめるものは絶対にあるはず!と思い続けてきたわけです。

一時代前のバイク用ツーリングマップルには、阿武隈山中に数多くの鉱泉名が記されています(最新版では省略が多いため買っていません)。これは北上山地とはちょっと違う点でしょう。しかしここ数年ちょっと変わった温泉を東北で探し始めたTakemaとしてはこの違いは見過ごせません。

と思い始めたのはたぶん自分の中で自然の成り行きだったのじゃないかと思います。何年かかるかはわかりませんが(というかのんびりやりたい)、この鉱泉めぐりコンテンツをじっくり大切に続けていきたいと思いますのでよろしくです。あ、これまでの野湯関係もどんどん続けていきますのでご安心を(笑)。

というわけで、阿武隈夢繰り、いや湯めぐりスタートです!旅行記と一緒になっていますのでフツーに読んで下さいね。
【その1 湯岐温泉】(2005.3.5)

父の納骨も済み、事務的にはまだまだだけれど精神的には少し落ちついた頃だったんで、そろそろ日帰りお出かけを解禁しようかなというしょっぱながここでした。福島とはいっても茨城との県境を越えてすぐだし、まぁ気軽に出かけたわけですが、正直いって一抹の不安はありました。それは‥

ということ。千葉の平野部で降る雪などはたかが知れておりますが、さすがに県境の山間部では生半可なものじゃないでしょう。ついでにいえばウチの車は4WDではありますが、年中ノーマルタイヤなんです(苦笑)。

那珂ICを降りて国道をひたすら北上します。さっすがメイン国道、雪の「ゆ」の字もありません。でも、里美村あたりまで北上すると両サイドの風景にはかなり白いものが目立ち始めました。ところどころには除雪された雪山が嬉しそうにそびえ立っていますし、何だかいやぁな感じ(笑)。

しかしまぁ何とかR118とR349の分岐までは道路上に雪も全くなく問題なし。問題はここから。R349はここから山越えの細い道になってしまうのです。案の定、日陰に入ると結構雪が残ってます。凍ってます。やばいじゃん。

そろそろこの辺の分岐を曲がるのかなぁと思い、国道から外れて20mくらい進んだところで急停車。ありゃまー、日陰の急な下り坂が遙か彼方まで全面凍結してました。少し先のカーブからは傾斜も急になっている様子がうかがえます。どうしよう‥。

とはいえ、ノーマルタイヤでの強気はじぇったいにいけません。しかも完全に凍ってるし。というわけで他の回り道を探そうということにしてさっさと撤退。実はこの道、湯岐温泉に行く道じゃなかったことがわかってよかったよかった。その後温泉への正しい道も100mくらい圧雪になっている場所はありましたが、まぁこれならということで恐る恐る通り抜け、ようやく湯岐温泉に到着です。



湯岐温泉には3軒の宿があります。今回は一番手前の和泉屋さんへ。

実はここ湯岐温泉は、今から15年くらい前に一度来ているはずなのです。しかしその時の記憶はものすごい断片的で、お風呂の内部の映像とお湯がぬるかったこと、そして随分と急な坂を登っていったことくらいしかありません。急な坂はほぼ記憶の通りでしたから間違いはないでしょうが。今改めてネットで見る限り、前回は和泉屋さんより少し上にある共同浴場に入ったようです(湯船内側が青くペイントされている記憶があったので)。

ここ和泉屋さんのお風呂は浴場が二つあるのですがどちらも男女別ではなく混浴。脱衣場は別だけれど中にはいると男女同浴、というあれです。



ちなみに「八幡の湯」には女性専用タイムがあります(夕方)。

まずは39.8度の源泉(アルカリ性単純泉)を加熱した八幡の湯へ。こちらは内装も新しく、何だかこんなに山深い場所の温泉とは思えないくらい。ちなみにちゃんとオーバーフローしていましたし吸い込み口も見あたりませんでしたから、加熱かけ流しなのでしょう。途中から貸し切り状態になったのでちょっと失礼して写真をば。



どちらも同じ写真に見えますが、右写真ではおしんこどんがぼんやり写ってます(笑)。

続いてもう一つの「鹿の湯」へ。こちらは源泉がそのまま注ぎ込まれているようで、この時期はかなりぬるいです。まぁそれでも30度後半はありますから長湯していれば何とかなりますが、同浴のお客さんがいうには「ここはまだこれだけの温度があるからいいですが、ここからほど近いところにある志保ノ湯などは源泉が30度以下なので夏場じゃないとキビシイとのこと。そりゃそうだよなぁ(もちろん加熱浴槽もあるそうですが)。

というわけでTakema的にはかなり長湯したうえで上がりました。うー、この時期は早く服を着ないと寒い!(しばらくするとポカポカしてくるのはいいんですがね)。



ふぅ‥。

次の週も別の温泉に行ってきました。続きは次のページで。

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