− その1 小原温泉編 −

敬老の日がらみの連休、Takema&おしんこどんは家の事情でいろいろあってお出かけはかなわなかったのですが、連休明けの9/21はたまたまTakemaの職場が休業日にあたっていたことから、どこかへ行こうかなぁと一応は考えていました。でもどこに行こうとの明確な考えはないままその日の朝を迎え、「まぁいいや、いつもの通り走り出してから決めよう」ということにして出発したわけです。朝から風がやや強く、午後はもっと強くなるとの予報だったのでCBR1100XXくんは出番なし。うーん、この夏を含めあんまり乗ってないなぁ、通勤ばかりじゃかわいそうなんだけれど、最近とみに「横風恐怖症」にかかりつつあるTakemaとしては一応安全策をとったというわけですね。ちなみにおしんこどんはこの日は同行できず、Takema一人の行軍でした。

というわけで外環経由で東北道を一路北上し始めます。平日なので交通量はそれほど多くなく快調に走れます。佐野藤岡IC通過、「う〜ん、無難に日光から沼田に抜けてもいいかなぁ‥」。そして宇都宮IC通過、「そういや奥鬼怒エリアのあの湯のリベンジもいいかも?」。さらに那須塩原ICも通過してしまった頃には「そうだ、沼尻元湯に行くのもいいかなぁ」と考え始めこの時点での第一候補に昇格、結局「とにかく郡山JCTまで行っちゃおう」と決心しました。

しかし郡山JCTに近づいてきた頃、Takemaの中でまた新たなささやきが‥

もともと今回は野湯探訪という目的ではなかったので(日帰りだし)、それ関係の資料は一切持参していませんでした。あるのはバイク用のツーリングマップルのみ、しかもかなり古いバージョン(リング式の頃のやつです。実は最新版より細かな道が載っているので買い替えてません)。というわけでまもなく郡山JCTというあたりになって記憶の糸をひたすらたどりまくり、思い出したのが「確か小原温泉とかいう温泉近くにそれらしき場所があったぞ」という記憶。地図などは何もありませんが「まぁ行けば何とか見つけられるでしょ」というアバウトな感覚で目的地決定!ありゃ〜、福島県でも遠いのに宮城県まで突入することになっちゃった。日帰りなのに(笑)。

国見ICでようやく高速を降り、峠越えの県道経由で小原温泉を目指します‥しかしなぜか距離の割になかなか温泉に到着しないんです!その理由は‥秋の味覚をめぐるある人為的問題だったわけで。



ほらぁ、こんなのが道ばたにたくさんあるんだもん。

峠道のそこかしこには季節柄栗の木がたくさんあり、その根元周辺にはたくさんイガが落ちています。最初はそんな木々を横目にしながら「県道沿いだし、すでに拾われているか、小さすぎて採るに値しないかのどちらかだよなぁ、昨日までは3連休だったし」と思いつつどんどん通過しておりました。しかしある木のあたりで腰をかがめながらもぞもぞしているご夫婦を発見!しかも、おばさんが手にしている袋ははたから見ても妙にこんもり!

こうなるとTakemaの中に秘められていた狩猟採集民族の血が沸きたちます(そんなもんあったのか?)。おしんこどんは自分よりもその血は濃いはずだと勝手に確信しているTakemaですが、今日は自分一人だし、山の中に入るんだったら所有権云々が絡んでくるかもしれないけれど、県道のアスファルトあたりに落ちてるもんはみんなのもんでしょ!と、とにかく一気にひらめいて車を停め、思わぬ場所での「ソロ栗拾い」開始と相成ったわけであります。

ちなみに山栗は小さい方が甘いというのが定説です。確かに上の写真の栗はみんな小さいねぇ(確かに美味しかったのは事実)。しかしタダとなるとTakemaだってかなり真剣にならざるを得ません。これから徐々にこのザル上の栗が増えていくはずですからお楽しみに!あれだけいろいろな場所で採ったもんなぁ、少なくとも道路脇1m以内の場所で‥。というわけで結局小原温泉までに3ヶ所車を停めて栗拾い。上の写真の倍くらいの栗量になりましたわ。

いやぁ文章が長くなりました。というわけでとにかく小原温泉に到着です。まずは公共駐車場に車を停めてと。記憶では川沿いの歩道途中に確か‥ということだったので、奥に向かって歩き始めます。すると‥。

遊歩道は橋を渡っていくようになっているのに、なぜかまっすぐ進む道が。そしてその先には川沿いのりっぱな公衆浴場?があったのでした。受付はあるのですが誰もいません。というか、施設そのものが「まさに昨日完成しました!」という感じのピカピカ!中を覗いてみると男女別に別れたそれぞれの湯船にはお湯がたっぷり満たされています。「これ、どうなの?入っちゃっていいの?」。しかしあまりに出来たてなのでさすがに躊躇、ちらりと見学だけにとどめました(この数十分後、この自制が正解だったことを実感しました=後述)。

そもそも自分がここに来た目的は川沿いの野湯なのです。でも「ここが『旧野湯』だったとしたらさびしいなぁという一抹の不安も。そんな時、対岸の遊歩道から戻ってこられた初老のご夫婦発見!これはぜひ情報をお聞きしなくては!
Takema  「遊歩道を歩いてこられたのですか?」
旦那さん  「ええそうですよ、ずっと歩いていくとお湯が出ているところもありまして、
  私たちも足湯でゆっくりしてきた次第です。」
そ、そ、それだぁ\(^o^)/♪

というわけでTakemaも意気揚々と遊歩道を進み始めます。さすがに平日のお昼前ゆえ遊歩道は完全に貸し切り状態で、川沿いの道をぽくぽくと下っていきます。結果的に小原温泉でお見かけした観光客はあのご夫婦だけでしたっけ。



紅葉の時期には綺麗だろうなぁ♪(この写真は復路に撮影しています=左右逆)

歩くこと数分、いきなりほったらかしの湯と突然の遭遇です。穴の中からほとんど無味、無臭の湯が流れ出ています。それにしても、この穴はもともとどうして掘られたんだろう?



謎の洞窟からとうとうと湯が湧出してます。緑色は藻です。湯そのものは無味無臭!

ここの湯はそのまま川に流れ落ちているのですが、ちょっと熱めなのでそのままでは入浴は無理。ちょうど遊歩道の下側に、湯の流れを変えて流し込めばいい露天風呂になりそうな場所もあるんですが(上の写真にマウスオン)、適温になるにはかなり時間がかかりそうなのと、たまたまその水たまりに数多くの小魚が嬉しそうに泳いでいるのを見つけたのでやめました。自分の道楽のため小魚くんに生命の危機を強要するのもどうかと思ったもので‥(死後、「蜘蛛の糸」ならぬ「小魚の尾ビレ」で救われたりして←苦しいネタ)。

さて、そこからもう少し歩いていくと、今度はこんな不思議な場所も。

遊歩道の脇にまたもや謎の穴があいておりまして、中にはほぼ適温のお湯が湧いています‥が、その手前の一段低い場所はつい最近土と石が入れられたらしく、湯はたぶんその下をくぐり抜けて流れてしまっているのでしょう。それなのに、わざわざコンクリ製の階段が作られています。このままどうしようというのでしょうか、全く意味不明のままここを後にしたわけですが、その理由については数十分後「おぼろげながら明らかに」なりました(後述)。

そこから一投足で、目指す「足湯」に到着です!

ここもつい最近手が入れられたようで、というかまだ完成途上という感じで、「とりあえず作ってみたんで、まぁ入りたかったらお入り下さいな」という雰囲気です。右上写真には宿の建物が見えていますが、現在は休業中(というかかなり老朽化している様子)なので心配は要りません。いや、ここは「足湯」なのですから見られたって恥ずかしいことはないんですけれどね(笑)。‥それにしてもここ、足湯にしては随分深めに作ってあるなぁ、ついでに言えばさすがに平日の午前中だけあって、この遊歩道、自分以外誰も歩いていないなぁ‥(謎)。



ほらほらぁ、しっかり足湯してるでしょ♪でもねぇ、だぁれも来る気配がないし‥



そういうわけで、足全部を湯につけてみました。‥ん?ということは?(笑)。

さて、「濃厚なる足湯」を堪能したTakemaが吊り橋まで戻ってきてみると、前述の公衆浴場のあたりで係員とおぼしき方が作業をなさっている様子。というわけでこの施設の事情をうかがうことにいたしました。

この浴場はまさについ先日完成したばかりで、実はこの日、保健所による検査が行われるのだとか(だから湯が張ってあったのね。こっそり入ったりしなくてよかったぁ!)。んでもって正式オープンは9/25(土)なのだとか。料金は‥しまった聞くのを忘れた(苦笑)。



許可を得て内部の写真を撮らせていただきました。

ついでに遊歩道沿いの足湯その他の整備についてお聞きすると、これまた先日手を入れて多少整備したのだとか。ただいかんせん川沿いということで河川法その他の絡みがあり(ここでも河川法かい!)恒久的な施設を作るわけにはいかないのであのような「ある程度簡単に撤去できる」ような形にしたのだとか。なるほど、あの足湯だって湯船の枠を簡単な板張りにしてあったのはそういう理由だったんですな。

ついでに「あの中途半端な謎の穴=コンクリ階段付き」は何なのかとお聞きすると、「あそこについてはやはり関係各所との絡みが****、***(このあたり公開すると支障があると思われるため伏せ字)**。検査***、本格的に*******しまおうと考えているんですよ。だから今現在はあんな中途半端な状態にしてわけです」とのこと。なるほど、今の状態はいわば「世を忍ぶ仮の姿」というわけですね。こりゃ来年あたりに再訪してみるとすっかり様子が変わっているかも?

というわけで小原温泉をゆったり堪能したあとは、山を越えて山形県に向かいましょ。目指すは6月に初訪問を果たした広河原間欠泉っ!

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