2005/5注
残念ながらこの滝ノ沢温泉、2005年3月に閉鎖されてしまったということです。以下の内容は往時の記録としてお考え下さい。あぁ、また一ついい湯がなくなっちゃったのね。
さて、大館市から少し離れた山の中に無人の温泉施設「滝ノ沢温泉」があるという情報はかねてから聞いていたのですが、どうやら相当わかりにくい場所(=山の中)にある様子。ただ時間はたっぷりあるし、だいたいの場所はわかっているしということでいざ突入してみました。
この温泉、確かに山の中にぽつんとある立地条件もさることながら、ここへの行き方をさらにわかりにくくしているのが「手前にある旧鉱山エリア」。地域内に道が錯綜していて、さらにいくつもの工場が現在も稼働していることから「ん?ここに入っちゃっていいの?」とかなり悩まされます。1/25000の地図もここではあまり役には立たず、我々も一回「自然に還りつつある林道」に迷い込んでしまいました(笑)。一度行ってしまえば「なぁんだ、簡単だ」ということになるんですがねぇ。
というわけで、見つけたときは快哉を叫んじゃいました(笑)。
完全に無人の施設ですが建物はかなり大きく、なんと完全に男女別です。手前が女湯、奥が男湯となっていて、脱衣場や浴槽の大きさなども全く同じです。しかもドアを開けてびっくり、昼間だというのに、無人だというのに蛍光灯が点いてます!注意書きをよく見ると消し忘れというのではなく、時間によって自動点灯(&消灯)するようです。うわぁびっくり。
脱衣場もこんなに広く、でもってしっかり清潔さが保たれているのが驚き。ここの管理者は大館市のようなのですが、市の職員以外の方もこまめに清掃をなさって下さるのでしょう。大変好感が持てます。
ところで、右上写真をよく見るとこんなふうに手書きで書かれています。
「ブレーカーを止めないで下さい。朝、水になっています」
ということは、源泉は自然湧出ではなくポンプアップでくみ上げているのでしょうか。無人の施設なのに電源入れっぱなしとは何ともぜいたくな、そして大変ありがたい施設です。
よくよく調べてみたら、この温泉は元々鉱物探査のためのボーリングで見つけられたものなのだとか。八九郎温泉などと同じですね。
というわけでいよいよお風呂へ。窓を開けようとしたらサッシの下に蛇が隠れていて一瞬どきっとしたのはご愛敬ということで(笑)。誰も来そうにないのでおしんこどんもこっち(男湯)に入れてもらいましょ。
というわけで極楽入浴。右の写真はうれしさを足指で表現したものですが、何かが変?
お湯はぬるめで無色透明。硫酸塩泉らしいです。味もほとんどなく湯触りも良くて気持ちいい。長湯をするには絶好でしょう。鉱山最盛期の夕方などには、関係者の方々でさぞかしにぎわっていたんでしょうねぇ。
ちなみに女湯脱衣場の方には記録ノートが置いてありました。利用者数調査のためにご記入下さいということでしたが、残念ながらもう書き込むスペースが残っていませんでした。誰か新しいノートを寄贈してくれないかなぁ(他力本願)。
男湯の洗い場はコンクリ、女湯の方はタイル張りでした。
端っこの方は滑るので注意しないとすってんころりんです。
建物の前を流れる小川には、土砂流出防止用と思われる柵が作られていました。しかしよく見てみると、その柵の材料は昔のトロッコ用レール。こんな所にも往時がしのばれます。戦前は悲惨な事件もあったようなのですが‥。
というわけで滝ノ沢温泉を堪能した後は一路北上。一つ気になっていた温泉に立ち寄ります。