− その7 知内温泉タンノー後は「大相撲三昧」、そして暑サニ負ケズ花沢温泉まで! −
そして、この日の朝は早かった!朝5時半過ぎくらいでしょうか、おしんこどんが先だったかテント内でぽつりとひとこと。
夜中のうちは何とか持ちこたえた天気も、この時間になっていよいよ本領発揮開始ということでしょうか!というわけでガバっと即座に飛び起き、怒涛の撤収を開始しました!とはいえ、いざというときに備えて炊事用具や食料、さらには椅子やテーブルに至るまで、寝袋とマット以外の全てのものは昨晩のうちに車に積み込んでありましたから、作業はさっさと進みます。しかし、そうしているうちにも雨は「ポツ」から「ポツポツ」、さらには「ポツポツザーザーザー!」という感じでどんどん強まっていったのでした。
テントはフライシートこそ多少濡れましたが、まずは絶妙のタイミングで撤収完了!あーアブナカッタ。濡れない車内で朝食後、出発したのは6:30頃だったでしょうか。ちなみにRobくんのほうも早々と起き出していたのですが、いかんせんパッキングに時間がかかりますから「秒速撤収」というようにはいかなかったようです。でも、「雨はそんなに気にならないよ、気にするのは風だね」と言っていましたから大丈夫でしょう。
このあと、知内道の駅でしばし休憩(トイレ休憩といった方が正しいですが)。うーん、たぶんあのあたりにテントを張れと昨日の方はおっしゃっていたのだなぁと思いつつ、でもそれもちょっとなぁ。とにかく朝まで天気の方が頑張ってくれて何よりでした。
雨は断続的に強く降ったり止んだりの繰り返し。こんな状況で情報なしの野湯探しはやりたくありません。そこで、朝湯として知内温泉へ。ふふふ、ここは日帰り入浴可能時間が午前7時からなんです!というわけでレッツらゴー!
到着はまさに朝7:00ジャスト。ちょうど朝のご飯タイム直前ということで、メインの浴室はどちらも貸し切りでした。よーっしと喜び勇んで写真撮影後にかけ湯をしようとしてびっくり!
ちなみに浴槽周りは薄く千枚田状態になっておりました
噂には聞いていましたが、ここ知内温泉大浴場の湯はものすごく熱い!ここも「熱湯源泉原理主義」函館圏のエリア内だったわけです!しばらく(という名の一瞬)どうしようか考えましたが、やはりここでやせ我慢をして火傷すると、今後の旅行が「因幡の白ウサギ湯治行脚」モードに入ってしまいそうですので、ここは「加水あるのみ身体にやさしく!」という結論に達したわけであります。
エリア限定注水作業により、しばらくしてそのエリアのみ「お湯を揺らさねば何とか入れる」くらいの湯温となりましたのでいざ入浴。うーん、昨日Robくんが「ここに来る前に温泉に立ち寄ったけれど、熱くて熱くて湯船に浸かるどころの話じゃなかった」と話していましたが、どうやらこの湯船にチャレンジしたわけね。そりゃ当然だわ(笑)。彼は絶対にこもれび温泉に行くべきだったぞ!(ちなみに彼のふるさとカナダでは、ロッキー山脈エリアに硫黄(硫化水素)泉がいくつか出ているものの、これまた別ルートから聞いたところによるとカナダ(アメリカ)人はあの特有の臭いを嫌うため、湯船というか温泉プールに流し込む前に徹底的に臭いを除去し(「モッタイナイ」by ワンガリ・マータイさん)、さらには塩素を投入しちゃうんだとか)。いずれにせよ、熱い湯に入る習慣のない彼には「地獄の釜ゆで」に似た思いがしたでしょうね(笑)。
ところで、天井部分でつながっている女湯からはおしんこどんによる「どうしても熱くて入れない!」系の悲鳴に似た叫びが聞こえてきます。で、実は女湯から男湯へ抜ける扉(当然のことながら鍵は女湯側にあり)を通ってこちらに来たおしんこどん、湯温をチェックしていわく、
とのたまうわけです。いくら男女とも貸切状態とはいえ、Takemaが「あちらの世界=女湯」を訪問したりするとろくなことはなさそうなので行きませんでしたが(笑)、ものの本によると「加水しなければ湯温は48℃云々」とありますから、男湯のほうは朝風呂時にどなたかが加水したんでしょうかね。で、続いては別の浴室&混浴の露天風呂へ。
露天風呂は宿の中庭的な位置にありました。やや鉄の味がしましたが、よく見ると二つの源泉を流し込んでいるようで(中央画像)、ホース経由のほうが熱く、もともとの湯口からのものはぬるめでした。屋根付き、かつ周りの多くが壁などに囲まれていますからあまり開放感はありませんが、せっかくだもの、おしんこどん共々タンノーし、そして最後の中浴場(男女別)へ。寝湯にはお湯がありませんでしたが、こちらは大浴場に比べて多少湯温が低かったので楽勝でした。
これを見たおしんこどん、「うわーいいなぁ」系の声を発したわけであります(この日は8月3日)。そう、おしんこどんは大の相撲好き。「今日の一枚」コンテンツには両国国技館相撲観戦記などもありますし、千葉の船橋に地方巡業が来ることを知り、「うーん行こうかどうしようか」と悩んでしまうような人なのであります。ま、自分も人のことばかりは言えませんがね。
しかし、「その時」は案外早くやってきました。
国道228号線を松前に向けて南下していくと福島町に入りました。すると道路沿いにはいくつも、
と書かれたのぼりが掲げられております。どうやら松前場所より前に九重部屋力士が福島入りしている‥そうか、九重親方(元横綱千代の富士)はここ福島町の出身だったわけですね!で、そのまま道の駅「横綱の里ふくしま」目指して進んでいくと‥
おお、道の駅駐車場には相撲幟、立派な建物‥ん?何やら貼り紙が?(右上画像マウスオン)。
喜び勇むおしんこどん、というわけで相撲記念館にて朝稽古見学決定!
朝稽古はまだ始まって間もない時間です。というわけで入館料700円(青函トンネル記念館も近くにあるので、せっかくだし共通入場券を購入)を支払います。館内にはすでに鬢付油の香りが漂い、また「テッポウ」でしょうか、「ダン、ダン‥」とたたくような音がします。で、やや奥にある稽古土俵に行ってみると‥。
力士の皆さんが確かに朝稽古の真っ最中でした。しかも、黒に白地で「技」とプリントされたTシャツを着ているのは‥そう、まさに九重親方その人であります。残念ながら九重部屋の筆頭力士である千代大海は来ていませんでしたが、以前には幕内で相撲を取っていたことのある千代天山は来ているし、そもそも相撲部屋の稽古風景なんて見るのも初めてだしというわけで、Takemaとしてもドキドキしちゃいます。というわけで、最初の格下番付の力士の稽古風景から見学スタート!
最初はまだ髷(まげ)も結えない若い衆の稽古だったんですが、それでもその懸命の稽古ぶり(下手な動きをすると親方からすぐどやされる)をじっと見ているのはなかなか興味深かったです。が、彼らが兄弟子の力士とぶつかり稽古をすると、兄弟子の動きはもう全然違うんです。そしてその兄弟子がさらにその兄弟子に当たると、上の兄弟子はもういくら押しても全然後ろに下がらないし、またいとも簡単に投げられちゃったりして、まさに力の差は歴然。しかし今回の合宿参加中筆頭である千代天山も、次回の九月場所ではもう幕下まで番付を落としてしまっているわけで、となると、ウルフと称されて相撲界を一時期圧倒したこのTシャツ姿の親方は一体どんなに強かったんだろうと思わずにはいられません。
ちなみにこの場所での朝稽古はあくまで「力士の合宿」であり、単なる相撲紹介コーナーではありません。したがって家族連れの子供がちょっと飽きて話し始めたりすると、親方は「子供たち、話をするのなら外に行ってしなさい、ここはお相撲さんが真剣に練習している場所なんだからね」とピシャリ。うん、そうでなくちゃ!ちなみにそんな親方の携帯待ち受け画面が何だか可愛らしそうな画像に見えたのは気のせい?(笑)。
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さて、おしんこどんからすると「ずっと見ていたい」はずなのは山々。しかし、今日このあとのことを考えるとそう悠長にしているわけにもいきません。しかもこのあと「青函トンネル」の方にも行かなきゃいけないし(笑)。後ろ髪を引かれているはずのおしんこどんの背中に「もうある程度見たら行くよ」というような声を掛け、ついでに展示のほうも見学した上で外に出て出発です。あ、青函トンネル記念館は「ざざっと見学」だったのでまぁコメントはありません。
さて松前を通り抜けて今度は日本海側を北上します。そろそろお昼近くなってきたので今日の宿泊地を考えなければなりませんが、前線の影響で天気は昨日の午後から不安定(ちなみにこの日の日中は結構日も差してましたが)、しかも明日の晩から明後日にかけては台風が北海道方面をかすめる or 上陸という予報が出ていますから、わざわざ悲惨を求めてのテント泊はちょっとパス、しかも連泊という可能性も考えると、「居心地のいい宿」を選ばなければなりません。うーん、でもその前に目の前の課題となる温泉を一つ一つクリアしていかねば!というわけで、なかなかよいと評判らしい「花沢温泉簡易浴場」へ。
うーん、小さいながら露天風呂まで備えたこのお風呂が「簡易浴場」とはとても思えません!よくは分かりませんが、他の施設や整備の絡みでこういう名前を付けているのかもしれません。でもまぁ掛け流しの食塩泉は、この暑い日には何ともぴったりというか何というべきか、汗が止まらないじゃないのさ!
さて、上ノ国町内にはどうもめぼしい食事どころが見あたらなかったので、2kmほど戻ったところにある道の駅でランチといたしました。
道の駅併設の食堂には当たりはずれがありますが、ここは「当たり」!1300円の海鮮丼、アワビまで入り、海の幸が下の方まで詰まってます。
で、食事を終えてさてと思ったところで、カナディアンチャリダーのRobくんが到着!彼は今日江差のかもめ島キャンプ場まで行くということでしたが、実は本日彼とはこれで3回目の遭遇でありました。つまり、Takema先出発−知内温泉立ち寄り(抜かれる)−遭遇−Takema相撲観戦(抜かれる)−遭遇−Takema花沢温泉立ち寄り−遭遇、というわけでありました。うーむ、四輪車で移動している割に移動スピードはチャリ並みというわれわれの旅行って(笑)。
「Have a nice touring!」と声を掛け、われわれはいざ、次の湯を目指すのでありました。さてお次はどこへ?
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