− その19 復活を遂げた朝日温泉訪問 −

午前中はニセコ山中の野湯×2+1湯をタンノーしたわけですが、そろそろ海が恋しくなりました‥というわけではないのですが、やはり今後の行程上「あの湯だけは今日中に行っておかねば!」というところがありました。それは「朝日温泉」。雷電温泉からぐぐっと山の中に入ったところにあり、ここも「CBR1100XXブラックバードが泣きの涙を流す」ようなダート路=バイクでは行きたくない道の奥にあるということ、そして一時は休業を余儀なくされながらも愛好会の皆さんのご尽力もあり近年宿の管理者さんが変わって再オープンしたということ、そして何よりも泉質がいい!(硫化水素泉)というわけで、是非一度は訪問しておきたかった湯だったのであります(長すぎだって)。

というわけでニセコから岩内に向けてぐんぐんと山を下りていきます。視界は良好、されと時々どしゃ降りに見舞われるというあたりにこの日の天候不順が如実に表れております。うーん、午前中の小湯沼行で雨に降られなくて本当によかったぁとしみじみ。

ちょうど岩内でお昼となりました。というわけでご飯を食べているうちに外はまたもやどしゃ降りモード全開!雨の降り方は「1年を通してもそう何回もあるような降り方ではない=尋常ではない」感じでした。ま、食堂内でトンカツ定食を食べながらの感想ですから実害は全くなかったんですけれどね(笑)。

岩内から海岸沿いに南下するわけですが、この日は直前までの豪雨ということで取り締まりもありませんでしたが、Takemaの野性の血、じゃなかった経験則は「ここはいかにもスピードやら何やらのジャイアントパンダ車がいるだろうな」ということを感じずにはいられません。ホントかどうかは岩内警察さんのみぞ知るところですが(笑)。

さていよいよ山道に突入です。いやはやしかしこれがまた「この奥に宿がある」とは思えないほどに荒れたダートとなっておりました。右上画像のように道路の真ん中が小沢になっていたりするのはまだ序の口で、それが幾筋にもなっていて「乗用車では腹を擦るかもな」という感じの場所も何箇所もありました。こちらは一応多少地上高の高いフォレスターなので問題はありませんでしたが、ブラックバードのタンデムだったら絶対に入り込めない、その自信はある!(笑)。登りはともかく下りで絶対に往生するって。とにかく進むことしばしで朝日温泉に到着です!

こんな山の中にどうして?と思えるような場所に、木造とはいえしっかりした感じの宿が佇んでおりました。ちなみに到着時には他のお客さんはいなかったのですが、どういうタイミングだったのか直後に1台、またそのあとに1台2台と、一気にラッシュモードになってしまいました!

それでも管理人さんと他のお客さんとが話し合ったらしく(笑)、露天風呂はそれぞれ貸し切りで使うようにしようということになったみたいです。で、一応一番最初に来ていたわれわれが露天風呂最初の貸し切り客と相成りました(あなありがたや)。

母屋の裏側から川を渡ったところにある露天風呂。休業前は屋根もなかったようですから、現在の管理人さん(オーナーではない)が自作なさったと思われます。ちなみにわれわれの到着時に管理人さんがいないと思っていたら、この露天風呂奥にて脱衣場の製作工事をなさっておられたんですね。いい意味でやる気満々の管理人さんですから、これからの朝日温泉に大いに期待が持てるところです。

で、露天風呂はご覧の通りのベスト環境&いいお湯。湯はやや温めながら大変心地よく、肩を壊した星飛雄馬はもちろんのこと、脳梗塞の療養に来湯している諸葛亮孔明あたりが湯に浸かっていても全く不思議ではありません(何のこっちゃ)。次の方のことを考えて早めに上がり、続いては内風呂へ。

さて内風呂ですが、ある種仮設、でもかえって明るくてよろしい半透明プラ波板のおかげでとっても開放的な感じです。20歳過ぎの若いお兄ちゃん2人(道内在住)が「1週間くらい、予約なしで2人で放浪しようと思ってうろうろしています」と話してくれたのを聞いて、何だか自分の若い頃を思い出したりして嬉しくなりました。いや、今も似たような行動パターンなんですけれどね(笑)。

朝日温泉に大いに満足し、再び荒れた道を下ったわけですが、おっといきなり重機が道をふさいでる?



そう、土砂(砂利ではない)を入れて道路上の凸凹を一気に埋めているではありませんか!やっぱりこういう手の入れ方は北海道らしいですね。内地だったら要所要所に土や石を入れてよしとするだろうに。でも、このおかげで重機とすれ違ったあとは「バンバンの舗装路(右上画像)」を下ることが出来ました。このタイミングだったらブラックバードも上がってこられたに違いありません!(でも多分「目に見えないふかふかの路面」に難渋したりもするんでしょうけれどね)。

このあとは再びニセコ五色温泉に戻りましたが、また雨(霧雨)ではないですか(悲)。それでもテントと合体させた大タープのおかげで直接濡れることはないのですが、それでも風に流される霧雨のせいで徐々に服がしっとりじっとりしてくる感じです。と、そんな時、お隣のファミリーテントから「もしよかったらこちらで一緒にやりませんか?」とのお誘いが。というわけで全然遠慮せずにお隣のリビングテントへ。

そこで「実はここに一昨日お越しになった時から『ただのファミキャン素人家族ではないな』と思っていたんです。あの雨の中全く動じず黙々とテントを張っていましたから」と申し上げると、実はこのご主人が道内探訪の達人さんだったのでありました。特に産業遺跡(「廃墟」と言うなかれ)についてはめっぽう詳しく、自分がずっと前に雨の中我路のキャンプ場に泊まったことをお話ししたら、「あの奥にはすごいのがあるんですよ」と教えて下さいました(「すごいの」についてはここでは詳しく書きません。ちなみに温泉じゃありませんので念のため(笑))。お話を伺っているうちに、ご主人もウェブ上でブログ等を運営しておられるのだとか。やっぱり!(笑)。というわけで、「野営人のアウトドア日記」にGO!

明けて翌朝。ありゃまーこの日もまた辺りはすっかりガスです。もっともこの日はテントを撤収して山を下るだけなので雨粒さえなければいいかなというところ。野営人さんにご挨拶&昨夜のお礼を申し上げて、そのままほぼ向かいのニセコ五色温泉へ。



宿泊の方々が出発の準備にいそしんでおられるタイミングを狙ったこともあり、こちらのお湯もほとんど貸し切りでした。昨晩はかなり混んでいたので、やはり時間差攻撃の勝利ですね(笑)。

さてこの温泉行脚も徐々に終わりに近づいてきました。函館からこのかたの北上ルートを考えると、Takema&おしんこどんがこれから目指す場所はおのずとおわかりかと思いますが?(笑)。
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