− その3 知られざる屋久島の野湯を求めてPart1(トローキの滝探訪編) −

さてさて、7年ぶりとはいえ屋久島訪問もこれだけ回数を重ねてくると「いつもの場所を巡るだけ」というのではどう考えてもマンネリになってしまいます。もちろん今回は初めての夏の訪問ということもあり、行動パターンもおのずと変わってくるのではありますが、今回の訪問に際しわれわれは次のような目標を立てました。

さっそく初日からJUNさんとそのお友達に伺ってみると、何でも最近「あるカヌーイストが海からアプローチしたところ湯が湧いているのを見つけたという情報がある」ということでした。う、海からアプローチ?そりゃシーカヤックなんでしょうからカヌーイストにとっては当然なんでしょうが‥。で、その場所はといえば、沢が直接海に流れ落ちる「トローキの滝」にあるというのです!

とにかく「トローキの滝」という場所は特定できましたが、お友達もそれ以上詳しい情報はお持ちでない様子。ではでは、われわれが現地に行って「実地調査」をすればいいだけのことです!というわけで翌朝、しっかりご飯を食べていざ現地へ!

パジェロミニ@華のや号を駆ってとりあえずトローキの滝そばにある準「道の駅」のような施設へ行き、そこに車を停めて歩き出します。一応トローキの滝は観光地でもあるわけで、遊歩道は整備されています。途中まではね(笑)。

トローキの滝を遠望できる展望所(木の間越しに何とか見える程度ですが)からヒミツのルートを降りていくと(ちなみにここからのルートは急な岩場、通行については自己責任ですので念のため)、外海側の海岸に出ます。とはいえここから滝へは絶壁をへずっても行かれるかどうか?いやいやここから先陸路は無理です。海からアプローチするしかありません!というわけで‥



3月のバヌアツ旅行時に買いそろえたスノーケリングのセット、今回もぬかりなく持参しているTakema&おしんこどんでありました。って、ホントの目的は純粋に海でスノーケリングを楽しむためだったんですが、こんなところで有効活用できようとは思っても見ませんでしたわ。

とりあえず海側の浜でフィン等を着用します。ちょうどそこに居合わせたカヤックツアーのガイドの方にお聞きすると、確か滝の右側にあるらしいとか、出ているときといないときがあるとかと話しては下さるのですがイマイチ要領を得ません。これまでの話によると、ここの湯についてはまだごく一部の人しか詳しくは知らないはずだとのことなので、この方も実はあまりよく知らなかったのかもしれません。でもそれならば、目の前の滝壺目指しわれわれが探索すればいいこと。待ってろよぉ!



というわけで出発です!

ちなみに海に直接落ちるトローキの滝ですが、その滝壺はちょうど入り江のようになっていて、入り江の外側からアプローチしていくと、途中から水温が下がります。この日は猛暑ゆえ問題はありませんでしたが、水が冷たくなってくるにつれて「この先大丈夫なんだろうか」という心配とともに、「いったい自分たちって何でこんなことをやっているんだろう?」と、何だか不思議な気分にもなってきます(笑)。ちなみに万が一のことを考えてフローティングを着用していますから、途中で足がつっても溺れることはありません。そもそも泳ぎの下手なTakemaにとっては必要不可欠なアイテムなのであります。しかし、そもそも泳ぎの下手な自分が何でこんな変な探索をやっているんだろうか?(大笑)。

いよいよ滝壺エリアに進入してきました。塩分が薄い汽水域になっているようで、海底の岩もヌルヌルしている一方で、岩牡蠣らしきものもちらほらと。周囲は四方とも崖になっていて、滝に近づくには陸路不可。ここの湯がこれまで知られずに来たのもこれまで人が入ってこられなかったからなのかなぁと思いながら、岸沿いを反時計回りで滝に向かって進みます。

しかし、いざ滝に近づくにつれて滝壺の深さにびっくり。かなり深いです。というか底の部分は真っ暗状態で、どこまで深いのか見当が付きません。滝に近づくにつれて岸側の岩場もすぱっと切れ落ちる感じの傾斜になってきていて、ちょっとビビリも入ってきました(笑)。ちなみにお魚さんの姿が皆無に等しかったのは、やはり塩分濃度の問題なのでしょう。

しかし‥なぜだかお湯の噴出のようなものは全くない!ちなみにこの日は大潮で、普段の干潮よりも水位は下がっているはずです。岸辺に湯の湧出およびその痕がないか、もちろん海中もよく探索‥おっと、おしんこどん滝に近づきすぎ!ということで呼び戻します。滝を巡る水流がどのくらいなのかわからないので、あまりに近づきすぎるのは危険です。

でも、おしんこどんのその「命を賭けた探索」によってですら、お湯の気配は全く感じられなかったのです。おっかしいなぁ、

というわけでとりあえず撤退です。何だか無念の感はぬぐえませんが、こればっかりはしょうがないかな。で、今度は途中から反対側の岸を目指して泳いでいきました。しかし滝壺エリアの入口あたりまで来たところで急にあるものを発見したTakemaだったのであります。それは‥

海底付近が、水温の違う水同士が接するときに出来るモヤモヤ状態になっています!しかもその真上あたりは何となく温かい?一瞬、「冷たい川の水と温かい海の水がぶつかっているだけかも知れん」と思いましたが、そこを通過してさらに海側に進むと再び水が冷たくなりましたからそうとも言い切れません。しかし、ここでフローティングを外して潜っていけないのが悲しきTakemaの宿命だったりします(大悲)。

というわけで一生懸命カメラのシャッターを押したのですが、予想通りあの「モヤモヤ」を撮影することは出来ませんでした(「蚊柱」を写しても何も写らないのとおんなじようなもんです)。うーむ残念。しばらく砂浜でゆっくりし、まぁそれなりに楽しめたし本日のところはここまで!って、もう一度来る予定はないんですけれどね。

フィンを外し、岩陰で着替えてフツーの観光客姿になったところで(いや格好は観光客というより地元の人に近かったかも。バンダナ巻いてシャツのボタンはいくつか外したまま、それに短パンビーサン姿でしたから)、再び岩場を登って道路へと戻ります。と、この時脳裏に、


(川の「右岸」「左岸」とは上流から見た場合の左右を指すので、下流から見た場合とは反対になります)

などとも思いましたが、まあ少なくとも湯浴みが出来るような温泉の湧出がないことは確かなようでしたから、もうこれでよしとしましょ。それなりに面白かったし(Takemaはね)。

このあとは、トローキの滝の上流に位置する千尋滝(せんぴろのたき)へ。車で展望台まで上がれるので楽勝なのですが、展望台からはモッチョム岳が見えたりして何となく懐かしくなります。あの時はこの展望台脇の登山口からあの山頂を目指したわけですが、あれからもう7年なのね。月並みですが月日が経つのは早い!



モッチョム岳と千尋滝、どちらもマウスオンで別画像に変わります。

さてそろそろお腹も空いてきたし、お昼ご飯でも食べて再び海に行くことにしましょうか!
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