− 久之浜温泉たきた館さん、「はちみつの湯」は相変わらず健在! −



ぬっほほーい♪うほほーい♪

というわけで、某野湯からは紆余曲折もありましたが?とにかく磐越道&常磐道経由で浜通りの久之浜温泉まで移動してしまったのであります!寄り道タイムが長かったんで明るいうちに到着できるかな?と思っていたんですが何とか!

というわけで「久之浜温泉たきた館」さん(音が出るので注意)。この宿は1年前の晩秋にバイクで来てみて「ぬはーこのお湯はいい!」と感じた場所、かつ今回何とか宿泊予約が可能だったので「だったらここしかないっしょ!」ということで、いわきエリアの他の宿をリストアップすることなくすぐに電話をした宿なのでもあります。ちなみに女将さんと話をしていた時「うちにはバイクのお客さんが結構来るんですよ」という話をしていただいたことなどを話すと「そういえば、『帰ったら自分のサイトにこの宿の情報をアップします』」と言っていた方じゃないですか?」と、まさにそのものビンゴ系で思い出していただけたようでした。というわけで今回も紹介しております!



Takemaの知る限り、阿武隈エリアの鉱泉宿の中で「ベストの整然性」を誇る宿と思われます。



新旧館はごく自然につながっています。「木造りのお姉ちゃん」もそのまま。で、おしんこどんは「まずはお茶」。日本人ですねー。

こちらの湯は鉱泉の沸かし湯なのですが肌触りが何ともよくてビックリした記憶があり、それで再訪を決めたというわけです。単純炭酸鉄泉との表示があり、しかも浴室内のカランやシャワーなど全てが源泉を使用しているとともに、加熱源泉は使い放題で、いわば加熱掛け流しでの利用も可能なのです!(もちろん無駄な出しっぱなしは厳に慎みましょう)。



嬉しくなりますね。なおカランから湯が出るまでには結構時間がかかるので覚悟しましょう。



まさに「はちみつの湯」というネーミングがぴったりのぬるぬる湯なのであります。泡付きもあります。

し、しかぁし!最近の原油価格の高騰はここたきた館さんをも直撃してしまったようです。昨年10月には単独でいきなり訪問してもすんなりお湯に入れていただけたのに、玄関に表示された掲示によると、最初は平日の日帰り入浴のみ要予約という感じだったのが、どうやら後から「土日」も追加されてしまったみたい?「3名以上」というハードルを含め、日帰り派には厳しいお湯になっちゃったようですね。惜しいなぁ‥。燃料費が安くなり、また予約なしで訪問できるようになったら嬉しいです。日帰り客用に置かれていると思われるソファーもちょっと淋しげですのでいつか是非!

さて、山あいに位置するとはいえ「久之浜温泉」の名前が示すとおり海から近いこの宿、海の幸をかなーり期待しての予約でありましたが予想的中!聞けばご主人は毎日市場に行って新鮮な海幸山幸その他(その他は後述)を仕入れてきておられるのだとか。やっぱりねぇ。で、それとは別に「久々に食べました」先付けのこのおつまみ!



実はあと2匹ほど乗っていたんですが食べちゃったあとの祭り。

うわー懐かしいぞイナゴの佃煮!自分も千葉県市川市育ちながら当時はあちこちに空き地があったんで、小学校低学年の頃は学校から帰ると「原っぱで遊んでくるねー!(決して「整備された広場」にあらず)」というと、母いわく「じゃ、1袋分のイナゴを捕ってきなさい!」とのノルマを課し、言われたとおりに取ってくると(楽しかったしね)、翌日の夕食にはまず間違いなくこいつが出てきたんですよね。いや全然違和感なし、食材というかおつまみとしてヒジョーにうれしかったです。

でも食べ慣れていない人には厳しいんだろうな。というのはこの日の同宿者2組さんはいずれも幼児連れの若夫婦、親自身が食べていないものを子供に勧められるかといえば難しいですよね。でも可食範囲を広げておかないと今後の食糧危機には対応できないし、まずはイナゴくらい食べられないといけません!

ちなみにわたしは蜂の子はわさび醤油で食べられます。あと、カミキリムシの幼虫(木の穴に塩水を流し込むと苦しくて出てきます)は子供の頃に生食したことがあるんで多分大丈夫?でも大型種だとビビるかもしれないなぁ。

あ、食事前にどんどんすごい話になっちゃいましたね。というわけでメインの食事なんですが!



関西では「ボタン鍋」とも言うはずのいのしし鍋、前出の女将さんに伺ってみると、何ともすごいお言葉が返ってきたのでありました。いわく‥

ご主人が精魂込めて畜養なさっているのだとか。「そ、その場所を明日拝見することは出来ませんか?」と申し出ると、奥にいたご主人と相談した上で「いいですよ、明朝主人がイノシシ舎の掃除をする時間に行ってみて下さい」とのお返事をいただきました。ちなみにあらかじめはっきり言っておきますが、こちらで畜養しているのはイノシシであり、交配したイノブタではないそうです!

「よーしよし!明日はこのお肉のご本尊に会えるぞ」と思いつついただきます。野生種ゆえお肉(特に赤身部)は歯ごたえある固さですが、これはこれでいいなー。

しかし、左上画像でおしんこどんがにっこりしているタイミングのあとにどんどん料理が出てきて、少食系のわが夫婦にとってはかなーり厳しい量でした。だって「出された料理を残すのはイケナイ!」というのがわれらがポリシーなのですから!‥でも厳しかった。われわれの場合、次回からはこの2/3の量に減らしてもらおうと心に誓った次第です。宿泊料金はそのままでいいから、何とか量を減らして下さい!(笑)。この夜は「部屋に戻ったら即寝」ということにはならずに済んだわれわれでしたが、かなーり苦しかった!

さてそんなわけで翌朝です。朝一番でお風呂をいただき(お子さん連れだと朝一番湯には行きにくいだろうなと思っていたんですが予想通りでした。それにしても小さな子を連れてここのような宿を選ぶとはなかなか親御さんのセンスもいい?ちなみにしつけもいい感じの各ご両親でした)、そのあと宿周辺の散歩へ。



朝日を浴びていい感じの宿ですね。ちなみにあのイナゴはこの界隈の田んぼで捕れたらしいです。地産地消の見本ですね。



道を挟んだ向かいの田んぼでは収穫作業の最終行程。ちなみにたきた館さんの敷地内にはこんな源泉施設が訪問者の度肝を抜くはず。

さて朝食もかっちりいただきました。朝一番からお魚(秋刀魚の一夜干し)を二人とも完食していたのが珍しかったようで、「全部食べちゃうお客さんは少ないんですよ」とのことでしたが、


(あ、昨晩イカの刺身を2切れ残しましたが、もうダメ、本当に食べられなかったんです)

その辺は夫婦そろって同じ発想ですからわかりやすいんですね(笑)。さてこのあとは前夜のお約束の通りイノシシ舎へと向かいます!



こんなほのぼのロードを歩いていくと、おお、見えてきましたイノシシ舎!



頑丈な柵の中にいたのは、イノブタならぬ野生種のイノシシ!



ご主人は朝の清掃真っ最中にもかかわらずいろいろとお話して下さいました。ありがとうございました!

さてご主人からはどんどん興味深いお話が出てきました。一気に(記憶の限り&あとから聞いた話も含めて)書き出しますが、記憶違いがあったらゴメンナサイ。
宿の名物として出しているここでの飼育イノシシ、基本的にはこの辺の山で捕獲した「ウリ坊=子供」のうちから育てているから、大きくなってきても危険はないよ、でも元々イノシシってのはきれい好きな動物だから、不衛生にしているとよくない(病気も出る?)んだよね。だから毎朝1.5-2時間くらいかけてイノシシ舎の掃除をするんだ、これがあるものだから夫婦揃って出かけるなんてのは出来ないね、1年365日やっているよ。でもイノシシはやっぱり野生の生命力があるから、真冬に水(川からポンプで汲み上げたもの)をばしゃーっと掛けると身体の下の方にツララが出来るくらい、相当寒いはずなんだけれど全然大丈夫だね。でもその野生種というのが災いするというか、肉がなかなか付かないんだ。こっちのやつは4年くらいなんだけれど、そいつは6年。その年数分食べているはずなんだけれど、その通りに大きくはならないんだよ。最近の餌代高騰はかなり厳しくてね、市場でも「もう売り物にならない」食材を仕入れたりするよ、イノシシは結構グルメなんでフルーツとかは大好きだしね。ちなみに(目の前にいる)こいつは今月のどこかで屠(ほふ)ることになるのかな。そのタイミングで泊まりにきたお客さんには「ラッキーだね!」という感じで生のいろんな部位を出したりするんだよ。え、何年も丹誠込めて育ててきた相棒を屠るということに抵抗はないのかって?いや、それはこの出会いも含めて「お互いの運命」ってことでやってるんだ、等々。

「イノシシ舎清掃の様子」

ものすごい水勢で○ンコやら何やらを吹っ飛ばしてます。ついでにイノシシの身体も一気に洗っていて、逃げまどう若イノシシが結構笑えるんですね

Wmv形式、1.39MB、34秒

ちなみにこの後ご主人から「すぐ裏にユズの木があるからどうぞ」と言われ、欲望のおもむくままに大きめの実を二つほどいただいたわけですが‥



こんな実をグルメイノシシの鼻づらに差し出してみると‥やっぱり(笑)。

というわけでしっかりイノシシ舎見学をタンノーしたわけです。さてたきた館さんから出発、今日は早めに帰らなきゃ!
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