− その1 秋山郷の「逆巻・小赤沢・屋敷」温泉を一気にタンノー♪ −
あー、いつもの通り極楽極楽♪今回の湯めぐりはほぼ貸し切りの湯が多かったのだ。
(2008年11月22−24日)
11月には3連休が2回ありましたが、文化の日絡みのほうはどう考えても紅葉シーズンの盛りでどこに行っても混雑がミエミエ。Takemaは土曜日に仕事が入っていたこともあり、そっちの連休は「おうちでゴロゴロ」と相成りました(計画的にね)。
かくしてもう1つの「こっちの3連休=勤労感謝の日絡み」のほうは、関東北部や甲信越界隈の紅葉はすっかり終わり、かといってスキーシーズンにはまだ早く一番中途半端で空いている時期なのではないかという「狙い目連休」なのではないかという感じなのであります。やっぱしお出かけならこっちでしょ、どこに行こうかなー。
というわけでターゲットにあげたエリアは、これまで東北中心主義のTakemaゆえあまり重点を置いてこなかった甲信越、しかも北信州界隈なのであります。関東人があんまり気軽に行こうとしないエリアとなると‥
このような結論に達するにさしたる時間はかかりませんでした。紅葉の時期ならいざ知らずこの時期ならどう考えても空いているでしょうし、自分としてもこれまで四輪で行ったことは皆無、二輪でも志賀高原から雑魚川林道を下って走ったのが400cc時代に2回と、現在のブラックバードで和山温泉を往復したのが1回だけ。でもまだまだ未湯の湯も多いわけですから、これは行く価値が十分にありそうです!
しかし天はなかなかやさしくないというか、Takemaにとっては困った試練を与えてくださいました。Takemaは雪道に関してはほとんど素人、というのも20歳代前半に現みなかみ町界隈の凍結路でオカマを掘って以来雪道には極力侵入せずというポリシーを貫いてきたわけですので。
そんな中、この連休直前には北からの寒気が一気に入りこみ、目指すエリアにはかなり早めの積雪(約30cm)が降り積もったというニュースが伝わってきました。でももう秋山郷最奥部に位置する切明温泉の宿は予約しちゃったし、明日の未明には出発するつもりでしたから、これはきっちり雪道走行の修行をしなければというやむを得ぬ使命感に駆られたTakemaだったのであります(笑)。
さてそんなわけで3連休初日へと日付が変わる頃千葉を出発。外環も半額、そしてもちろん関越道もお安くなっている時間にぐんぐんと北上します。さすがにこの時間はすいてますね、嵐山PAにあんなに車がいないのを見たのは初めてでした(驚)。で、月夜野ICで降りて一般道へ。いやこのまま関越トンネルを越えるのが一番簡単なんでしょうが、雪道初心者のTakemaは、
(えらいっしょ?)
猿ヶ京温泉エリアまでは全く雪もありませんでしたが、最初のチェーン脱着場を越えたあたりから路面に雪がちらりほらり。Takema車はフルタイム四駆のフォレスターであり、しかも足回りには3シーズン目とはいえ「まだ硬化してませんから今シーズンはいけますよ」とタイヤ会社さんからおすみつきを得たスタッドレスを履かせているのですから、雪国にお住まいの方から見ても「まぁ足回りとしてはとりあえずOKでしょ」と思っていただけるかと思います。しかし!
猿ヶ京からだましだまし、無雪期にバイクでギュギュンととバンクさせたのと同じ道を(いやそれとて大してバンクさせられない悲しいTakemaのライテクなんですが)、それこそ登り坂でもアクセル安定&カーブ手前ではフットブレーキよりエンジンブレーキ、という感じでそろそろと進んでいきます。このあたりになると路面全体が雪と氷で凍てついていましたしね。
時間が時間ですから(まだ朝8時前)上下線ともガラガラだったんですが、それでもルーフトップにスノーボードを積んだ1台が一気に追いついてきましたんでささっとウィンカーを出して「お先に行ってね」。対向車が来ないことを確認したその後続車はわだちも何のその、そこそこのスピード(でもさすがに無謀な速度でなく)行っちゃいました。
それからしばらくして、また後続車がやってきました。峠のトンネルにだいぶ近くなってきた場所だったので、今度はチェーンの脱着場に頭を突っ込んで車線を空け「お先にどうぞ」。通過後にバックして車線に戻り再び安全速度で峠を目指していくと、カーブを曲がったしばらく先で‥
このスカイライン、もともとそんなにスピードを出して追いついてきたわけじゃなかったんですが(1台目のほうがはるかに速かった)、見事な日陰とはいえあそこまで尻を振っているというのは尋常ではありません。ということは‥
あーもしそうだとしたらそれってわたしの20代前半の無謀行為そのものです(笑)。あースタッドレス四駆でよかった。でもトンネルの先からは下りになるのでこれまたビビってました。滑り出したら止まらないと思うと‥。でも皆さんもっと早いスピードでスイスイ走ってますね。自分は、ほとんど人気のない苗場集落内の前方信号が赤になったのをよいことに、多少強めにブレーキを踏んでみたのですが(もちろん路面は全面凍結)、あれ?こんなに普通に止まるの?(驚)。
でもその後は路面が露出してくれたのですっかり安心、何だか「地に足が着いた」ような気分でした。もちろんゆっくり行きましたけれどね。
左上画像はかなり下ってきたあたりですので路面状況もかなりマシです。かぐら界隈まで来れば普通走行可能でしたし(右上画像)。
さて、湯沢から再び十二所峠を越えて飯山側へ。国道路面は完全に除雪されていて問題なし。ホームセンターコメリで「何か面白いものはないか」休憩を挟み(なかった)、いよいよ国道405号を秋山郷へと向かいます。こちらは除雪はされているものの、その後にもまた降ったのか奥に進むにつれて路面にもそこそこ雪が。最初の立ち寄り湯は逆巻温泉なのですが、国道から分岐して宿へ向かう道は見事に真っ白。わだちがあったのでまぁ何とかというところですが、なかったら進入を躊躇したことでしょう。だってやっぱり雪道こわいんだもん(笑)。「まんじゅう恐い」とは別よ(笑)。
宿の前はすっかり除雪されていて一安心、というわけで川津屋さんに立ち寄り入浴をお願いしてみると快くOKをいただきました。ロビーの椅子に熊の毛皮が掛けられているところが何ともいえず秋山郷ですねぇ(謎)。ちなみにここも秘湯を守る会の宿だったのね。お風呂は二箇所あるそうですが、この宿の本家本元は「めいそうの湯」と名付けられた洞窟風呂です。先客はおらず貸し切りで利用できました。
洞窟風呂の名の通り、浴槽の奥にあるぽっかりあいた穴(洞窟)から湧き出した湯がそのまま注ぎ込まれているようです。宿の立地(かなり険しい場所にある)からいっても、自然湧出泉であることに間違いありません。お湯は無色透明ややぬるめで薄ーく塩味、石膏臭ありで長湯向き。ここまで結構冷えていた身体をじんわりとあたためて、まずはこの日最初の湯にしっかり満足。
さて続いてはほんの3kmほど進んだ先にある結東温泉‥といきたいところなのですが、「萌木の里」の真ん前まで来たところで「まぁー、今回はここはいいか」とパスすることに。ここの自慢は露天風呂とのことですがもう季節的に湯を入れているとは思えませんでしたので‥。
さらに南下していくと、中津川の本流にかかる前倉橋の先は長野県になります。秋山郷について調べようとすると、説明がいわゆる越後秋山郷と信州秋山郷とに別れていて非常にわかりにくいです。行政区分の問題は仕方ないにしても、せめて観光系の公式ウェブくらいは一本化して欲しいところでありますわ。
さて前倉橋を渡ると路面は‥一面の洪水です(笑)。というのも路面に雪氷の付着を防ぐため、うまく路面全体にはるか上から水を流しっぱなしにしているわけなんですね。このあたりは傾斜が急ですから不定期な除雪ごときでは危険きわまりないためこのような方式が採られているのだと思われます。しかし豪快でした(笑)。
さて長野側に入ると道路脇に真っ赤な幟が目に入るようになります。次に目指す小赤沢温泉楽養館のもので、モノトーンに近い景色の中では何とも目立ちます(笑)。
国道からの分岐を登っていくと、あれま真っ白な野ウサギが道路を走り抜けました!さすが秋山郷、真っ昼間にウサギが飛び出てコンニチハとは。なお帰り道、今度はキツネが飛び出したことを付け加えておきます(いい感じだなー)。どちらもものすごい跳躍力を披露しながら雪の中を走っていってしまいましたとさ。
さて楽養館周辺は昨日までのうちに結構な積雪があったようで、駐車場付近は除雪してありましたが施設の周りは「これでまだ11月なの?」といわんばかりの冬景色でした。
でも入口にしっかり「営業中」の看板を見つけてほっと一安心。ま、一応三連休の初日ですからね。先客とおぼしき車の姿はなく、これはまたもや貸し切り湯か?と胸が高鳴ります。浴室棟へ向かう通路にはすでにしっかりと雪囲い&カバーが取り付けられており、雪に対する準備はほぼ万端というところでしょう。そんなわけでいざ浴室へ!
出たぁ見事なまでの赤湯!赤茶色の湯がとうとうと掛け流されていて何とも嬉しいじゃありませんか!実はここ楽養館にはもう10年以上前(15年以上?)に入浴したことがあるのです。あの時はバイクで志賀高原側から雑魚川林道を降りてきたんだっけな。もちろん千葉から日帰りの予定だったんで何とも慌ただしく入浴を済ませたせいか、その時の記憶として覚えていたのはこの「目にも鮮やかな赤茶色の湯」だけだったんです。でもその色の記憶は全く間違っていなかったなとわれながら嬉しくなった次第。
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しばらく誰も入っていなかったことを示す成分の膜に嬉しくなりながら、適温の湯にどっぷりと浸かります。それにしてもものすごい赤濁り湯で、透明度はほんの少ししかありません(上の両画像をご覧いただければわかると思いますが)。
湯面ぎりぎりにドパッ、ズビズバッと断続的に流し込まれる源泉を口にしてみると‥ぶはっ「激塩激苦」っ!うーん、ここの湯の飲泉を日々続けていたら少なくとも「患者さん、塩分摂りすぎですね」と生活習慣病患者に認定されちゃうかも知れません(笑)。
さてそうこうしているうちに次のお客さんが入ってきました。どちらからと聞くとなんと滋賀県からお越しになったのでそうで、「そりゃ遠いところからご苦労様です」とつい口にしてしまいましたが、考えてみれば千葉からここだって決して近いとは言えませんよね(苦笑)。
ちなみに今日は切明温泉に泊まる予定なのだそうで、「宿は違うみたいですが実はわれわれも切明泊まりなんですよ」というところからしばらく温泉談義に。何でも最初は屋敷温泉に泊まるつもりだったのだけれど、予約の電話を入れたら経営者のおばあさんの腰痛がひどいことからこの連休は泊まり客を取らないことにしたのだとか。うーん、次の立ち寄り湯はまさにその屋敷温泉のつもりだったんですが大丈夫かなぁ?ちなみにこの方とは、予想通り切明の河原にて再会しました(笑)。
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昼食をどこで食べようかちょっと迷いましたが、もう少し奥にもどこかあるだろうと勝手に思いこんで出発しました。が、これが大失敗、結局切明まで昼食を食べられる場所は一箇所もなかったのでありました。ま、切明で食べられたんだからよしとしましょ(シーズンにもよると思います)。
さてそんなわけで屋敷温泉へと向かいます。秀清館の駐車場には先客の車なしというかわだちの跡すらありませんでしたから宿泊客も全くいないということなのでしょう。うーん、立ち寄り湯は大丈夫なのだろうか?
建物の駐車場側にある露天風呂も開店休業中、いや違った閉店休業中でお湯は来ていませんでした。しかしこりゃまた見事にオープンな露天風呂ですね。あ、鉄パイプの柵があるからシーズン中はよしずか何かで目隠しをするということなのか、そうかそうか。
いやそんなことはいいとしてとにかく入浴の可否を聞きに行かなければ‥と、ここで1台の車が到着。降りてきたのは工事関係の方々のようです(ミニ黒板持って降りてきたしね)。目指すは‥あれ、みなさんも秀清館さんに御用が?ほぼ一緒に玄関に入って「ごめんくださーい」(笑)。
出てこられたややお年を召した女将さんに入浴を申し出るとなんのためらいもなく「はいどうぞどうぞ」。やったー。というわけで玄関を上がって浴室棟へ。後でネットで確認していたら、日帰り客は別の入口から入れるのかな?ま、勝手もわからなかったしね。さてそんなわけで本日3湯目にして3回目の貸し切り湯をタンノーすべく浴室の扉を開けてびっくり!
濁り湯なのではなく透明感のある緑色の湯が目の前にたっぷーり!最初、「これは浴槽内が緑色に塗られているのではないか?」とも疑いましたがやはりどうもそうではないみたい。湯船の底から突き出ていた湯抜き栓が全く見えずにしっかりつまずきましたからね(苦笑)。また浴槽の洗い場側には段差があるのですがこれまたほとんど見えず状態でした。浴槽内には結構大量の白い湯の花が舞い、そしてなによりも浴室全体に漂う濃厚なる硫黄臭!もう、いっぺんで気に入りました。来てよかった&また来るぞ!と思わずにはいられない秀逸湯でございました。
そうそう、浴室内には1人用の寝湯もあり、そちらにも常時湯が注がれているんですが、こちらは全く完全な無色透明湯なんですよね。内部がブルーに塗られていることもあって、この色のコントラストは何とも不思議でした。
別源泉とは全く思えませんしねぇ。
もちろん源泉は無色です。味は比較的美味しかったぞ。
湯上がりに先ほどの女将さんとしばしお話をしていたら、「日によって源泉の温度も違うんでね、湯温が低いと湯の中に含まれている成分が結晶して湯の花になるんで、そうかい、今日は緑に見えたかい」と、ごくごくあたりまえのように説明してくださいました。この時期は湯を回していない露天風呂も、「寒い日なんかには真っ白に濁っちゃうときもあるんだよ」ということでした。なるほど。
無雪期は露天風呂に回していると思われるお湯は、宿周辺の消雪用に使われているようでした。「でもね、この湯気のせいで室内の金属がすぐ駄目になっちゃうんだよね。TVなんかも壊れるのが早いよ」とは上記女将さんの弁。うーん、やっぱりいいことばかりじゃありませんね。
そうそう書き忘れてました。こちら秀清館さんの浴室棟ですが木造の本館とは全く趣の違った妙に近代的な?作りなんですよ。
いやはや何だかここまでのマッチングは今まで見たことがなかったんで何とも形容しがたいんですが、なんだかこれはこれでなかなか良いのかも?ちなみにこの時の外気温は+2℃くらいでしたが、窓がはめ殺しであるにもかかわらず浴室内は湯気の殿堂サウナ状態になっておらず程よい感じでした。絶妙の換気モードかと。
駐車場の脇には池があったんですが、そこには隣の民宿さん浴室の余り湯と沢水の混ざった水が流し込まれておりました。魚が元気よく泳いでいるところを見るとまさか源泉100%の余り湯であるとは思えませんが(笑)。しかし水が落ちるあたりの岩には硫黄系の成分がこびりついていましたし、やっぱりちょっとは源泉も入っているのでしょうね。その成分に適応した魚たちのみが生き残れるということでしょうか(笑)。1羽だけいた鴨(だいぶ人慣れしていた)は「日々足湯」をしているということになるのかも。
さて、屋敷温泉の湯をすっかりタンノーしたあとは、まだ早いんですがいざ切明温泉へと向かいます!
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