− その1 和田小屋下から苗場山頂上へ −



いやー久々に長かったキツかった(苦笑)。

(2008/9/29.30)

何だか山がメインのお出かけというのは久々‥いや、この山行もきっかけはやっぱり温泉だったりするのですが(笑)。たまたま平日に休みが取れたのでどこに行こうかなと思っていたんですが、せっかく平日に出かけられる(&泊まれる)のであれば、休日には人が大挙して押しかけそうなところがいいだろうということでターゲットに据えたのが「苗場山中の赤湯温泉」だったわけです。そもそも赤湯温泉は温泉目当てであっても往復4-5時間は歩かねばならない山中の秘湯なのですが、そこで思い出したのが次の記憶。

むかーしむかしは山ばっかりお出かけしていたことが幸いして、中部以北の主な山については登山路の配置などがだいたい頭に入っているわたくしTakemaなのであります。苗場山はこれまで登ったことがありませんでしたが、以前「小松原湿原の避難小屋に泊まる計画で行ってみたいなぁ」とかなり真剣に考えていたこともあって、ルート図はだいたい頭の中に入っていたわけです。確か和田小屋から頂上経由で赤湯までは結構長かった気がしますが‥いいや、行っちゃえ!

いや一応改めてコースタイムなどは調べましたし、地図もコピーしたし、その上でおしんこどんに「今回の登山計画案を提示」したわけです。でも実はこの場合の「提示」とは「今度ここに行くかんね、わかったね」という、いわば確認のようなものです。つまり現地の山についての予備知識のないおしんこどんに「拒否権はない」わけですね(笑)。

というわけで力づくでしゅっぱーつ!



あちゃまーここから登るのかー(ちょっとショック)。

さて日付の変わる頃に千葉を出て深夜の関越道をひた走り。途中ちょこっと仮眠は取りましたが、やっぱりこっそりアドレナリンが分泌されているのか案外眠くないのはGWの真夜中走り+翌日はずっと元気いっぱいというのと同じ現象なのでしょう。というわけで真っ暗な中登山者用駐車場とおぼしき場所で再度仮眠です。

朝になりよーくよく調べてみると、ここはどうやら和田小屋よりもまだ下の場所みたい。でも「この先和田小屋関係者および利用者以外進入禁止」と書かれているのですから、マイカー登山者はここから登らなきゃイケナイというわけですね。うまくすれば登山リフトか何かが動いているかもしれないという仄かな軟弱性希望ははかなくも打ち砕かれたのであります。というわけで和田小屋まで‥なんだ近いじゃないのさ(汗もほとんどかかなかった)。

自分の記憶によると(この記憶とは「昭和の時代の記憶」です)、和田小屋からの登山道はじめじめっとした道が続くということでしたが、さすがに手入れがされていて(というかオーバーユースでどんどん道が荒れたからなのか)要所要所には木道が敷かれていたりします。でもスキー場を避けるように登っていくのは何だかなぁ。



というわけで下ノ芝へ。何の変哲もない場所ですが。

ちなみにこの日の天気予報は「曇りのち雨」。ということは早めの行動が吉を生むということなんですが、とりあえず天候の急変はなさそうなので(高曇り)、まぁマイペースで歩いていきます。



秋の山のちょっとしたお飾りですね(名前がわからないんで風流系コメントでごまかす)。

さて中ノ芝あたりまで来ると少しずつ越後の山の「いい感じ」が見えてきます。早めに色づいた木々の葉もそこかしこに。が、それと意気を合わせるかのように雲も上がってきているような?(苦笑)。

でもこの時点で雨の気配はなし。他に登山者はいない(2人が先行しているはずですが)ので休憩用の広場でのんびりしました。さ、指導標によるとここから35分で神楽ヶ峰だといいます。何だか思っていたよりあっけない感じです。でも「1日は終わってみなければわからない」んですよね(謎笑)。



木道ゆえ足場はしっかりしていますが地道に一歩一歩のおしんこどん。

で、登っていくと小松原湿原への分岐です。むかーしのガイドブック、山渓の「アルパインガイド」(「アルペンガイド」にあらず)によると、小松原湿原について「ゆっくり身体を休めよう、何の心配もない」だか何だか、とにかくものすごく桃源郷&メルヘンチックなガイドコメントが書かれていたんですよね。もはや手元にはその現物がないのでその真偽(記憶違いかも)については言いかねますが、とにかく20年前、彼の地に行きたかったんです!



ここが「彼の地」への分岐なんですね。でも時は流れ‥今回その道に足を踏み入れることはありませんでした。

ま、いつかまた行くこともあるのかな。「あっちに降りればまた温泉も‥」という、当時とは全く違った発想もあることですし(笑)。しかーししかし!何だかこれまでの頑張りがへなへなとなってしまう看板もありました(笑)。



あー、今週末からですかー。

この場所のすぐ近くまで楽勝で上がってこられるルートがあるというわけですね。それも「今週末から」!(この日は月曜日、運行は土曜日から)。

まぁだから空いていていいのだということにしましょう。実際この日に出会った登山客はせいぜい10人くらい、深田久弥氏撰の「日本百名山」の一山としてはかなり少ない登山者数です(ま、平日ですしね)。でもゴンドラが動き始めたら‥。いや自分はゴンドラがあったら「迷わず乗る」タイプなんですけれどね(苦笑)。

とにかくゴンドラを利用せずここ(神楽ヶ峰)まで来たわけです。目の前には苗場山本峰がそびえ立っています。ここからは一旦ぐぐんと下って正面の山肌を登り返すことになるわけですが、これが南アルプス南部であればいざ知らず、ちょっと頑張れば何とかなるはず!

と、まだ下りの場所で水場がありました。水場の存在はガイドブックで知っていたのですが、このシステムについては知らんかったぞ!

遊仙閣所有のプラケース&ペットボトル。と‥「ご協力お願いします」?これ、この水場の水を小屋まで背負い上げてもらえませんかとの、遊仙閣さんの「お願い」なんですね。それだけ頂上では水が不足しているということなんでしょうけれど‥うーん、「ならば登山者に協力してもらおう」というシステムは初めて見たぞ(笑)。で、どうしたかって?もちろん1人2リットルずつ背負い上げましたよ。こういう「変わり種」、大好きですからね(笑)。

さてここからは一気の登りとなります。とはいっても標高差的にはそうたいしたこともないのでのんびり‥いややっぱり日頃の生活ぶりの賜物か、息が一気に上がります(笑)。

日のあたりにくい斜面には先日降ったという雪がまだ残っておりました。一応まだ9月ですから(9/29)、今年の初雪見は早かったなーという感じです。と、そこそこ登ってきたあたりでやばーい状況が訪れつつあったのです。うわー来るんじゃないかとは思っていたのですが‥。

というわけで、われわれが頂上の一角に着いたとき頂上は半ばガスに覆われてしまっていたのであります。うーんちょっと残念。ま、今日は午後から天気が崩れるという予報でしたから、まだ雨にならないだけいいのかも知れません。もっともこのあと(苦笑)。



あれまーと思っていたんですが、



幸いこの時間のガスは滞留することがなかったため、しばらくするとご覧の通り。



あー、秋ですね。



池塘が雪に覆われるのももうすぐ。

というわけで「がっかりする」ということで有名な?遊仙閣のすぐ裏にある頂上へ。うーん確かにこれはがっくし系ですね。小屋の正面側はあんなに景色がいいのにねぇ。

でもまあ三角点がこっちにあるんだからしょうがないです。ちなみにこの日の登りは標高差約900m、あー久々にちゃんとした登山をした気分ですな(笑)。ちなみに日本百名山、これで60山踏破ということになります。もっとも「全踏破」へのやる気は全然ありませんから、次の予定は全く未定ですね。

さてそれではお昼ご飯といたしましょ。
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