− その6 かけ流しの湯宿 女満別温泉「山水」にてほっこり −
列車は女満別駅に定時到着。しかし立派な駅舎は旧女満別町(現大空町:気持ちはわからないでもないですが何だかなぁ。どうしてどこの市町村もイメージ優先の名前にしちゃうんだろ?))の公的施設を兼ねているらしく、日曜日の19:00過ぎには基本的に無人駅となっています。線路を跨線橋で越えて女満別湖側に渡り、Takema脳内に蓄積された地図の記憶を便りに、だーれも歩いていない暗い道をとぼとぼ。万が一道が間違っていたら悲しいよなぁと思いつつ進んでいくと‥



ん?これ?そう、この宿だぁ!

本日の宿「女満別温泉 ホテル山水」に到着です。実は上の画像は旧館(南館)を写したものでして、フロントのある新館(東館=鉄筋3階建て)はすぐ前にあるんですね。上画像にマウスオンすると新館画像に変わります。

この時間(19:30頃)に到着するということは予約時に伝えていたので特別に問題はありません。夕食もこれからでOK。ただし厨房スタッフ待機の関係上、


(時間が時間なんだからあきらめなさいって)

でも他の宿泊客さんは皆食事を終えた後だったからか、料理長さん自ら出てきて下さってのお話をいただけたりしてそれはそれでとっても嬉しかったんですけれどね。しかも最初のビールのみならず、ここで蕎麦ベースの焼酎「流氷一滴」900mlを注文したのは暴挙?いやいや、このあとそのまま部屋に持ち込むつもりでしたからね。



飲み物もふんだん、料理も「派手さはないがしっかり美味しい」ものばかりで悦楽三昧!

ちなみになぜこちらの宿にしたかというと‥。実は翌日に網走周辺観光をする都合上、宿は網走周辺である必要がありました。しかし市内中心部には温泉はないし、網走湖周辺の宿もどうやら「かけ流しを売りにしている」宿はほとんどない様子。あっても「網走からさらにタクシーで別の方向へ」とか「あのぉ、お値段が‥」というような種々雑多なTakema的問題があったわけです。

でもここ「山水」はかけ流しを売りにしているし(独立して建てられている浴場施設には地域の人がどんどん訪れるらしいのでお湯もいいらしい?)、しかも宿泊料金が旧館なら税込みで7140円(税込み2食付き)、さらには網走方面にはローカルバスでごく普通に移動できるとなれば、わざわざ市内や網走湖畔周辺に泊まる必要性はないぞというわけなのであります。

で、もちろん旧館に予約を入れていたわけですが、何とこの夜旧館宿泊客はわれわれ1組だけ。でも館内は完全にリニューアルされていてくたびれたところはどこにもないし、部屋は広くて気持ちよかったし(あとで館内図を見たら一番広い部屋だったことが判明。これぞ貸し切りの妙味!)、廊下には夜通しファンヒーターがたかれていて震える寒さとは無縁だったし。新館には10数名のお客さんが泊まっていたみたいでしたが、われわれとしては旧館の方がはるかに気分がよかったなぁ。
そうそうこの旧館なのですが、オーナーさんによると実は浴場棟の建設絡みで何と「建物ごと台車に乗せて今の場所に移動」したのだそうです。何日もかけてゆっくりゆっくり‥。このやり方って、いわゆる「貴重な建築文化財」の移動法としては聞いたことがありましたが、一般の建物にも用いられる方法なんだということを初めて知りました。ということは、「旧建物解体&別建物新築」よりも「旧建物の外内装をリフォーム+リフォーム済みの建物を移動」という方が安いというわけですね。

ここでもう一つ驚いたのは「移動する前にリフォーム完了」という手順でした。記憶違いだったら訂正しますが、躯体が歪む可能性のある移動のことを考えれば「移動後に外内装の手直し」をするのが自然な流れだと思っていたのに実際は逆だったとか。うーん日本の土木技術ってスゴイじゃないのさ。
夕食後は当然別棟のお風呂「美肌の湯」へ。しかしさすがに冬ど真ん中の北海道、雪が風に舞う中薄着での移動はこたえます。おまけに予想通り多くの外来のお客さんが織られたのでこの晩の温泉画像はなし。実はこちらのお風呂は23:00で閉館となるのですが、朝6:00から宿泊客専用で利用が可能なので、カメラの持ち込みは朝一番に勝負を賭けようと考えていたのです。

そして明け方、まだあたりが真っ暗な5:45過ぎに布団から出たTakemaであります。「6:00からのはずなのに妙に気合い入れすぎ」だって?いえいえそうではありません、実は昨日のうちに宿の方から「お風呂の建物はわたしが開けるんですが、だいたい5:40-45くらいには鍵を開けてますよ」という有力情報を仕入れていたのであります。ならばテッテー的に朝一番湯にこだわろうじゃあーりませんかというのが狙いなのです。以下、撮影時間が微妙に前後するため周囲が暗かったり明るかったりしますがお気になさらずに。

新館の目の前から浴場棟へは左上画像のような通路があります。しかしこの通路、色気もおしゃれさも何もない「実用性一辺倒」を感じさせますね。しかしこの通路があるのとないのとでは大違いで、旧館から歩いてきてこの通路にはいるとホッとします。もしかしたら冬季限定の通路なのかもしれませんが本当のところはどうなんでしょ?いや、この宿絡みの画像(個人サイト内のものも含む)を見ていると、宿を正面から撮った画像が見あたらないんですね。となれば通年この場所にこの通路は存在しているということかな?

さて浴場棟へは予想通り一番乗りです(そりゃそうでしょ 笑)。一般営業中は入浴料徴収のために係員さんがおられますが、この時間は全く無人、鍵を開けた方を含めどなたにも会いませんでした。ちなみにこちらの温泉、泉質はアルカリ性単純温泉、湯温は43.8℃ということですからかけ流しできる温度としてはギリギリというところです。もっともこの時期は加温もしているのでしょうね。

脱衣場のロッカーの数からすると一度にかなりの人数が入浴することを想定しているようです。カラン(シャワー)も18人分ありましたし。ちなみにシャワーも源泉を利用しているらしくかなりヌルヌルで、石鹸等の使用には違和感があるかも。ちゃんとかけ湯施設があるのが嬉しいです。ややぬるめに感じたのは、実はこのかけ湯こそ源泉そのままの湯温だったのかもしれません。

大浴槽に入る前にあらためてざざっと身体を洗い、いざ突入。うむぅ、ややぬるぬる感というかつるすべ感のある良い湯ではありませんか!完全貸し切りモードなので、1人で「にょほー♪」とか「うほほーい♪」などと歓喜の声をあげながらの入浴となりました。他にお客さんがいたとしたら、きっと自分の周りだけガラガラになったことでしょう(大笑)。

続いてはこのクソ寒い中露天風呂へ。昨夜入った時は2つの露天ともぬるめで、特に屋根付き岩風呂の方はかなりのぬるま湯モードだったよなぁ、今朝はどうなんだろうなどと思いつつ引き戸を開けようとすると‥

さては夜間のうちに扉の部分が凍っちゃったのかと思ってなおも開けようとしますがそれでも開か‥うわ、鍵がかかってるじゃないのさ!

どうやらこの時期の露天風呂は一般営業時間帯だけのお楽しみということのようです(残念)。それでも念のため鍵を開けて突入してみたのですが、当然入浴できるような湯温ではありませんでしたとさ(おバカ)。

というわけで再び内湯(ようやく大浴槽の画像が出てきましたね)に戻り、再びぬくまって安堵した次第であります。あー寒かった(笑)。このあとは朝食をいただき、さて最終日、盛りだくさんの一日が始まります!



いやはや、かなーりいい湯宿でしたわ。立ち寄りじゃなく泊まってヨカッタ。

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