− その2 大満足のお昼ご飯、そして「いいじゃないのさじゅんさい沼キャンプ!−

さて川魚料理のお店を目指して川沿いの道を進んでいくと‥「あれ、さっきの橋を渡るんじゃなかったっけ?」。どうやらまたも道を間違えたみたいですが、でもこの細道の先にも何やらお店があるみたいなのでとりあえず進んでいくと、薄久内川沿いのこぢんまりとしたお店に行き当たりました。

前に来た店(今調べ直してみたら「神室亭」というお店だったらしい)とは川を挟んで反対側のお店なのですが、お昼を回った時間なのに先客の姿なし。確かに目立ちにくい場所にあるお店ではあるんですが「GW初日のお昼時に誰もいない」とは?まぁでもお腹もかなり減っていたことだし、こちらで食べることにしました。ところがこのお店が何とも大正解だったのです!

店内には映画「釣りキチ三平」のロケ協力店であるということやそれに関する新聞記事の切り抜きが多く掲示されており、明らかに地元の方の経営であることがわかります。で、面白いのは「定食」にあたるメニューが3種類しかないこと。しかも定食の内容についての説明書きは一切ありません。出てきてみてのお楽しみ♪というロシアンルーレット的な雰囲気がありますが、ちょうど3人ということもあり3種類頼んでみることにしました。

注文後すぐに、すでに熾されていた炭火のまわりにかなり型のいい岩魚が並べられました。一瞬「え、こんなに?」と思いましたが(だって一度に7尾も焼き始めましたからね)、実はこのあとやって来た「予約のお客さん」の分も同時に準備し始めたからだったんですね。そしてやがて「本日のランチ」がわれわれの眼前に姿を現したのでありました!

左上から順に「三平丼」「一平定食」「三平定食」です。三平丼は岩魚を甘辛く煮付けたどんぶりに山菜と香の物を2つ付けた定食ですが、おしんこどんいわく「他の2つに比べたらちょっと物足りなかったかも」。そして中央の一平定食は岩魚の焼き物(塩焼きかみそ焼きかどちらかを選択します)をメインにしてご覧の通り、そしてこちらのお店のフラッグシップメニューである三平定食は、岩魚焼き物*2(塩&みそ)に、さらに岩魚の刺身まで付いて3匹を使った豪華版!あのぉ、その割には「一平」と「三平」の価格差があまりないようにも思うんですが(笑)。

ちなみに最初はそれほどの期待感なく入ったお店でしたが、実はこのお店も養魚場の併設施設のようですから新鮮さや身付きのよさは天下一品。お店を出たときのわれわれ3人は、

という意見で衆議一決していたのでありました。ちなみにお店の名前を聞かずじまいだったのでこれまたあらためて調べ直してみたら、その名も「イワナの里」秋田県湯沢市秋ノ宮字桑沢18-3、TEL:0183-56-2112)だそうです。お近くへお越しの際は是非どうぞという感じです。特に関東近辺の観光地の食堂で岩魚の塩焼きなんぞを頼んで「味も何もしょっぱさばかり、身もパサパサだったし‥」と辟易したことがある人は是非!イワナに対するイメージがぐんと変わりますよ。

さてこのあとはスーパーで夕食の買い出しをしてからじゅんさい沼キャンプ場へと戻りました。と、ここでのらさんちんさんとが相次いで到着!



のらさんのご尊顔は畏れ多いのでぼかしを入れてあります。ちんさんバイクもぼかし‥てないですが、ちんさん提供画像をトリミングしたものです。

ここでお二人から、それぞれ「それぞれの恐るべきGW」のお話を聞いてしまったのであります。まずのらさんですが、GW前後半を続けて休むことができたということで、何と先週のTakemaオフキャンプ参加後そのまま一気に陸路九州へ!別府の湯をタンノーなさったあとさらに中国地方に移動して「知られざる名湯」の多いという島根方面へ徐々に移動したそうです。で、そこまではいいんですが、この前日に三朝温泉(鳥取県)をタンノーしたあと、一気にこの「1000円高速」を利用して宮城の自宅まで走り抜け、家に帰ってみたら誰もいなかったのでキャンプの荷物を積んでそのままここにやってきたそうなのであります!長い説明になりましたがこれはスゴーイ!

ちなみに「途中関西圏の有料区間をはさんだんで、2300円ちょいかかっちゃいましたよ」という発言には一同爆笑でした!あのー、鳥取から宮城まで2300円ちょいって‥。ちなみにTakemaも常磐道三郷から谷和原までは有料区間なんで750円+1000=1750円だし‥それに600円プラスしたら山陰から東北まで高速で移動できるとは夢のような話です。
ただし、だからといってTakemaは現行の政策に賛成はしません。この「物流業界全体のバランスを考えない撒き餌」および「継続性のなさ」、また「道路公団民営化の形骸化」として最低です。与党による苦し紛れの政策としか言いようがないですね。というか与党も野党も「選挙民におもねる」ネタはもうやめましょうよ。
続いてちんさんです。バイクとはいえTakemaより数時間遅く出たため渋滞に巻き込まれるのは必定、よって少しでも空いている道としてTakemaと同じく常磐−磐越道を選んだそうですが、よせばいいのに東北道で事故が発生し何と通行止めに!そこで北へ上がるための通路を止められた東北道利用者が北関東道経由で常磐道へ一気に殺到!よって、この日の日中にちんさんからおとうに入ったメールによると「磐越道のいわき−郡山JCTは全線にわたり断続渋滞、合流後の東北道も盛岡までほぼ全線で断続渋滞」というすごいことになっていたというのです。

これは「1000円高速」の悪しき弊害でもありまして、「一度乗ればどこまで行っても1000円」ということは「どこかで降りてまた乗ったら2000円かかってしまう」というセコイ計算により、どんなに渋滞していても下には降りまいという感覚が働いたんでしょうね。ちなみにバイクゆえすり抜けが出来るちんさんも、古川ICまで来たあたりで「ここから盛岡ICまで全線渋滞」という表示を見て古川ICで降りたそうです。そしてそこから鳴子−鬼首を通る国道108号がガラガラなのにビックリなさったんだとか。さもありなんというところですね。



というわけで全員がテント設営完了。ちなみにおとうのXR600はこの日「不動車」でありました。さすが「まったりおとう」の称号は伊達じゃない(笑)。

ところで、今でこそ「ごくありきたりの(マイナー)キャンプ場」に甘んじているここじゅんさい沼キャンプですが、実はかつて場内に温泉浴室があったのを知る人はあまりいないのではないかと思います。

掲示によると「平成5年11月に温泉施設が完成」ということですが、時期が時期ですからこの年は使わなかったでしょうね。実質は平成6年のGWから使われたはずです。しかし‥

じ、実質たった2年だけの独自源泉かけ流しだったとは!でも、このことについてはかつて木地山キャンプ場の管理人さんにお聞きしていました。その時の内容を一部改変して引用します(GWキャンプ2006より)。
管理人さん

「そうなんですよ、ここ(木地山)の湯は見た目こそ透明ですが成分が濃くて、どんどん詰まってしまうんです。だから管の内径もどんどん細くなってしまっているんですよね。 源泉の方、見に行かれましたか?湯がでている部分はもうコンクリートみたいになっちゃってますから。それに、バンガロー内に設置してある水道の蛇口などももう全部変色しちゃってますが、これもまた温泉の成分によるものです。」
Takema

(写真を撮らせていただいた上で)「ちなみにこの塊の成分は何なんでしょうか?」
管理人さん

「カルシウム分ですね。この付近(キャンプ場周辺)の源泉はどこもこんな感じで、カルシウム分以外の成分もあって金属の釘などはどんどん腐食してしまいます。車なんかも腐食が早いですよ。ちなみに下の方(小安峡)の湯にはほとんどこの(余計な)成分が含まれていないんでほとんど問題はないんですけれどね。そういう意味で、この源泉は大 きな問題を抱えているといえます。害ばかり、といった感じでしょうか。」
Takema

「ところでこの付近といえば、上の岱の地熱発電所あたりも同じような感じなんでしょうかね?」
管理人さん

「そうです。だから生産井(熱水を汲み上げる管)もつまりがひどくて、もちろん定期的に清掃は行っているんでしょうが、いよいよ厳しいということになるとその井戸を放棄して新しく掘削しているようですよ。」
じゅんさい沼もまさに「詰まりやすい源泉」エリアに属していますから、そういう事情は考えなければなりません。しかしもっと大きな問題は「自治体の方針」なんですよね。

市町村合併の嵐が吹き荒れ地元の歴史的な地名が各地で失われてしまったのは皆さんご存じだと思いますが、やはり「大と小」が合併したあとの運営方針は「大」が基準になるのは仕方ないところです。ちなみにじゅんさい沼は旧湯沢市、木地山は旧皆瀬村に所属していましたが、じゅんさい沼の源泉に対し旧湯沢市の見きわめ(=あきらめ)はとてつもなく早かったわけですね。設備投資はしたとはいえ、今後の維持管理費を考慮して温泉の再掘削はせず封印という選択をしたわけです。

で、現在閉鎖中である木地山キャンプ場ですが、拙サイト掲示板にコメント下さったエスパパさんによると、「昨年の地震の影響で温泉とトイレが使えなくなったそうで、修理&修繕を行えば大丈夫ですが地元自治体の財政難もあってそこまでお金がまわせず、しようがなく営業を止めているそうです」ということでした。ということは新湯沢市の方針としては、

いや、可能性としてゼロとは言えません。そもそも旧湯沢市と旧皆瀬村との境界線近くにそれぞれが作ったキャンプ場ですし、それとは別に旧湯沢市が整備した川原毛の園地におけるキャンプを黙認している現状では、木地山とじゅんさい沼それぞれの有料キャンプ場にお客が集まるはずはありません。この辺についてはどこをどう再整備するかを含めいったんきちんと考えて今後の維持管理計画を立て直した方がいいと思うのですがね。川原毛の園地キャンプ禁止および大湯滝に向かう県道に(時期限定の土日だけでも)時間制ゲート閉鎖を行なってもいいと思うんですが。そのぶんお客は木地山やじゅんさい沼に流れるんじゃないかなぁ。

さて話を戻しましょう。「かつてじゅんさい沼キャンプ場にも温泉があった」、その形跡を追いたいと思います。

園内には立派なトイレを併設した旧入浴棟があります。現在はシャワーのみ使用可能となっていますが、考えてみれば木地山は露天風呂のみで洗い場なし、石鹸やシャンプーも使えませんでしたから「身体を洗う」という点については難点の多いキャンプ場であったとも言えます。とことん山は確かシャワーもあったと思いますが、GWなど多客期には絶対にオーバーユース必定でしょう。

で、ここじゅんさい沼の場合は24h利用可能のシャワー(もちろん石鹸&シャンプー使用OK)があるにもかかわらずGWでも利用者数は少なく(実情及び分析については後述します)、しかも周辺には泥湯ほかいくつもの良質湯があります。ということは、たとえば

ということも可能でしょう(もちろん逆パターンもOK)。これってものすごくゼータクなキャンプライフだと思うのですが‥。いやでも話がそれましたね、というわけで旧入浴棟の室内に進んでみましょう。

脱衣場には2基の洗面台もあり、非常に清潔に維持されています。Takemaはトイレの手洗い場で歯を磨くのが個人的に大嫌いなのですが、ここなら気持ちよくハミガキも洗顔も出来そうです。で、いざ浴室の扉を開けてみると‥



あまりにもわかりやすく封印されている旧湯船、何だか小上がりとしてくつろぎたくなるような板の間の空間になっています(もちろんここでの寝袋宿泊は禁止です(笑)。雨の日のびしょ濡れライダーにはもしかしたら別の場所での特典があるのかも知れませんがないのかもしれません)。

シャワーは3基、お客さんがいる時はボイラーが稼働しているので結構すぐにお湯になります。お湯の量もまずまずで、身体を流す際にもイライラすることはありません。あとで聞いた話ですが、ちんさんは朝シャワーを欠かさなかったのだとか。いずれにせよこの「シャワー室」があるというのはこのキャンプ場における大きなメリットと言えるでしょう。



さてしかし全員が揃ったところで、「夕ご飯前に風呂でも行きますか」というタイミングで前述のシャワーというのはちょいとサビシイ話でもあります。もちろん泥湯、または秋田いこいの村の湯でもいいんですが、実はこれまで8年にもわたりこのエリアに来ていながら、いまだ一度たりとも入浴を果たしていない湯がすぐ近くにあったのであります。それは、

なのでした。でもこの続きは次のページでということで。あー、何だか昨今の民放TVのような切り方でごめんなさいね(笑)。
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