− その4 この日の湯めぐりPart1 小倉温泉&杣温泉 −



あー、貸し切り露天は悦楽の極みなのであります。

その昔、「ニューヨークの朝は1杯のコーヒーから始まる‥ダバダー♪」というようなコマーシャルがありましたが、おとうがご参加下さるキャンプの朝は「数杯のおとうコーヒー」から始まるのであります。これはもう定番。そして各自がトーストほかの軽食を済ませると、「それぞれの1日」が始まります。



ただ今朝のコーヒーを淹れております。朝ごはんはこれから。

実は今回「4組5人」でキャンプをしたわけですが、そもそもわれわれのキャンプはいつも「現地集合現地解散、日中の行動も基本的には自由=バラバラ」でありまして、昨日おとうとわれわれが一緒に行動したのはいわば例外のような感じでありました。というわけで今日は全員バラバラに目的地を定め、好き勝手に行動します!行った先で偶然出会うということはあり得ますが(謎笑)。

というわけで本日のTakemaの目的地は「杣(そま)温泉」。緯度的には秋田市よりも北になるわけで、秋田県最南部に位置するじゅんさい沼からは結構遠いのですが、なーにわれわれには1000円高速があるのさ。途中のPAでトイレ休憩をしようとしたらちんさんがすでに休んでいてビックリ。この後はしばらく先行したんですが、そのうち「Africa Twin」が「軽快速度」にてわれわれをスイスイのスイと追い抜いて行きました。何でもちんさんはこのまま能代方面まで北上するのだとか。でも「夕食は一緒」なのですから、ちんさんも今日はかなり走るよなー。

五城目八郎潟ICで高速を降り、ここからはR285で阿仁方面へ。すぐ先にある道の駅で休憩&買い物(今日の夕食の具材に「だまこもち」等)をしたんですが、そのすぐ先に「小倉温泉」の看板が出ていたので行ってみることにしました。

坂を上がっていくと、思っていた以上に立派な建物が現れてちょっとびっくり(左上画像マウスオン)。ちなみに駐車場の入口付近には右上画像のような源泉らしきパイプがありました。場所的に冬季の融雪用パイプと思われますが、源泉温度は19℃と低いですからどこまで雪を溶かせることが出来るのでしょうか。それともドバドバ系なんでしょうかね。

駐車車両の台数は7-8台というところで、湯から上がって休憩している人が一定数いるとすれば「もしかしたら貸し切り利用も?」期待できるところでしたが、脱衣場に入ったら3人の先客が。ん?でも皆さんお仲間&服を着始めているぞ。でももうお1人の先客が浴室におられるのでカメラ持ち込みはあきらめました(単独入湯の際は先客がいたらカメラを持ち込まない主義)。

そうしたらその先客さんがサウナに入っていった!大急ぎで身体を拭いて脱衣場に戻り(と同時に次のお客さんが脱衣場に入ってきた)、急いで撮ったのが下の画像だったのであります。撮影猶予時間約90秒、といったところだったでしょうか(笑)。

お湯は無色透明で、泉質は重曹泉ということですが成分があまり濃くないのか特にスベ感はありません。ちなみに浴室内は滑るので云々という表示があったので期待したのですが、たぶん浴槽縁の黒大理石の上が滑りやすいということなのでしょうね。ちなみにこちらの温泉は加温はもちろんのことですが循環も塩素殺菌もありということですが、吸い込み口に手をあててみても「吸ってます」という感じはありませんでした。オーバーフローもありましたんで、この日は「加温かけ流し」で運用していたのかなという気がします。お湯にあまり特徴がないのがちょっと残念だった気もしますが、湯上がりはいつまで経っても汗が引かずにかなり大変でした。

さてこの後は阿仁方面に向かいますが、さすがGWというわけでこの国道もかなり交通量が多くなっているようです。どこかにパンダ車が隠れているかもと思いつつ安全運転に徹しながら進んでいくと、上小阿仁村の市街地に入ったところで脇道から出てこようとしていたパンダ車を期待通り発見!(嬉しいんだか悲しいんだか)。でも「数台後ろにパンダがいる」というのは精神衛生上あまりいいものではありませんので、上小阿仁道の駅の分岐信号から県道214号、通称「くまげらエコーライン」方面に右折しました。パンダさんはそのまま直進、さよーならー♪大名行列渋滞を作らないでねー♪

くまげらラインはガラガラのガラで、しかもR105を突っ切って森吉ダムまで続いているんですね。杣温泉はダムのすぐ手前に位置しますが、何だかとっても道がいいと思っていたら現森吉ダムの下流域に「森吉山ダム」という、新しい、しかもはるかに大規模なダムの建設中だったんですね。そりゃー道も良くなるわなと思いつつ、ダム関係のお話は帰り道にまとめることとしてまずは杣温泉へ。

このあたりは温泉密集地というわけでもないしこういう機会でもなければなかなか来られないエリアなのですが、「へぇ、ここって秘湯を守る会加盟の宿なんだ、確かに県道からも奥まった場所にあるしね」などと戯れ言を言っている暇はありませんでした。だって!(ここで右上画像にマウスオンしてね)。

いや、なぜかと考えても野暮でしょう。とにかくちんさんがすでに「入浴の悦楽」モードに入っているのは事実のようです。いやーそれにしてもびっくらこきましたわ(笑)。

というわけで入浴料を支払い浴室へ。内湯にはちんさんのお姿がなかったので(というかだーれもいなかった)、これは露天風呂をタンノーしているに違いないと思って露天風呂に向かいます。すると。

お話を伺うと、鷹ノ巣方面から下ってきたとのこと。そうかー考えてみれば高速で北側まで行って下るか、途中ショートカットして一般道を走るかの違いはあるにせよ、よく考えれば似たようなルートでしたからね(でもR105との分岐からここ杣温泉までは往復で50kmくらいあるんですが(笑))。

というわけでほぼ入れ違いのタイミングでTakemaも杣温泉の湯に突入です。
ちなみにここだけの話ですが(ちんさんごめんなさい)、このあとTakemaが湯に入っている時に脱衣場の中から「チャリン」という金属音が聞こえました。あとで聞いたら「ちんさんの500円玉がスノコの下に落ちた」時の音だったんだそうです。でもここのスノコは固定式だったのか動かすことが出来なかったらしく、よって今でも?杣温泉の露天風呂男性側脱衣場にはちんさんの500円が「誰かに拾われる時を待っている?」のかもしれません(笑)。
右上画像を見るとそれほど広くないようにも見える露天風呂ですが、実はかなり広い浴槽です。源泉は3本引き込まれていて(うち2本は塩ビパイプ)、湯口はある意味場所的に偏っているのに、浴槽全体がほぼ均等な湯温を保っているのは不思議でした。この日は定期的にお客さんが来るから「自動撹拌」されていたのかな?



メインの湯は左上画像のように岩組みのなかから、そして2本の塩ビ管も(うち1本は多少湯温が低かった)。



お湯をタンノーしているすぐ脇には沢が流れ込んでいて風情はいいです。でも正面が「全面スノコ」で隠されているので眺望はイマイチ。

ちなみにこの後におしんこどんもやってきて「混浴露天」を楽しんだ次第です。さて続いては内風呂に移動してこれまたじっくりお湯を楽しまなければ。

クンクンとにおいを嗅いでみると石膏臭が感じられます。ヌルスベではなくさらり感のあるお湯で、こんなお湯に毎日入れたら幸せいっぱい夢いっぱい、今日の夕食お腹いっぱい、でも晩酌は一杯だけよという感じなのであります(おっと晩酌一杯だけは勘弁して to おしんこどん)。それにしても中央画像、ライオン口からだけでは投入しきれなかったお湯の痕跡がスゴイです。是非この時に入ってみたかった!(たぶん入れてくれなかったでしょうけれどね)。

ちなみにこの内湯の桶と椅子は小じゃれた木製なのですが、この焼き印入りのセット、売っていないかなーと思わせるシロモノでした。ついでに「Takema」の焼き印も押してもらって‥いや、お金がかかるだけなのでやめておきましょう(笑)。



でも「心惹かれる一品」であったことは間違いありません。

宿の裏側には祠と石碑があり、ついでに源泉施設もありました。石碑には次のように記載されており、こういう私的な「祈念碑」はちょっと珍しいので写真に収めた次第です。


【碑文の内容】


初代太七の時代から温度が低く 昭和三十九年六月 三代杣菊治氏がボーリング工事を施工し先代からの願望を達成。今後杣の湯が末代まで枯渇することなきよう祈念し碑を建立す。
平成元年八月建立 三代目某 四代目某



源泉槽をちらりと覗かせていただきました。いやいやこれからも全然大丈夫そうですね。

しかしちょっと驚いたのは「杣温泉」の「杣」が宿の経営者さんの名字だったということですね。そもそも「杣」という字には「山の人」という意味がありますから、まさにこの温泉宿はこの地域に長く住む方が営んできたということがよくわかります。というわけで長く守られてきた「いい湯」に入れていただきありがとうございましたぁ(感謝)。



ちなみにこちらは「秘湯を守る会」会員宿です。この立地を考えればまさに「秘湯」です。おしんこどんも嬉しそう(笑)。

さてここでお昼ご飯をいただき、さきほど来た道を戻るわけですが‥うわぁ何だかすごすぎる「森吉山ダム@湛水直前最終工事期」なのでありました!
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