湯けむり登山道

− 2009北海道ツーリング本編その9 やっと来られた大雪高原山荘! −

さてそんなわけで大雪高原山荘まで上がってきました。ここに来るのは全く初めてで、ページタイトルにも「やっと来られた」と書いたのにはわけがあります。かつてゼルビス(250cc)とかCB400SF-R(400cc)に乗っていた頃ならいざ知らず、現在のCBR1100XXブラックバードはダートが大の苦手、片道10数kmのダートの先にあるこの温泉を目指そうという気には全くなれなかったのです。

しかし今回の旅行のうち3泊4日だけはレンタカーでの移動というわけで、「ならばこの機会を利用して車で行っちゃえ!」という気になるのは理の当然、よってかなり早い時期に宿を予約したのでありました。あとで聞いたのですが、この温泉は営業期間がぐっと短いこともあり(6月上旬〜10月上旬)ハイシーズンにはすぐに予約でいっぱいになってしまうのだそうな。部屋数も全15室というわけで予約はお早めに。

さて国道から約10kmのダートに入ります。北海道の林道は一般的によく手入れされていることが多いのですが‥この道は無数の穴ぼこが至る所にぼこぼこぼこんとあいており、ここしばらくは石を入れるなどの手入れも行われていない様子です。国立公園内であるということや、この道がたぶん私道であることが影響しているんでしょうが‥

さてお宿のほうですが、客室や廊下、それに温泉などはリフォームされているようでかなり綺麗。入口のあたりにちょっと昭和のにおいを感じないでもありませんが、山の宿ということからしてこれはこれで味のある雰囲気といえるかもしれません。

この日は8月2日でしたがロビーにあるストーブにはしっかり火が入れられていました。さすが北海道での標高1260mは伊達じゃありませんね。ところで2F客室のとあるところに何やら屋根裏方面?に続く階段が。ん?「癒しROOM 山心」?(右上画像にマウスオンすると画像が変わります)。

ここは宿泊者なら誰でも自由に利用できるくつろぎスペースで、テーブルとゆったり椅子が置かれのんびりと時間を過ごすことができます。ちなみにCDステレオも設置されていて、備え付けのCDを見ると何と「ジェットストリーム」でありました。レルヒ少佐が使ったような(うそです)古いスキー板なども置かれています。でも出来れば夜はもう少し遅くまで使えるようにしていただけるとありがたいんですが‥。

さ、それではお風呂に行ってきましょう!裏手にあるという源泉から71度の硫黄泉が加水の上かけ流しです!



男女それぞれの露天風呂はシンプルですが開放感はまぁまぁ(両画像ともマウスオンで別画像に)。



内風呂の湯口は木彫りのクマ!なお建物の前には無料の足湯があります(両画像ともマウスオンで別画像に)。

というわけでお風呂に入ってきましたが、夕食までにはまだ少し時間がありそうなので裏手にあるという源泉地帯へ行ってきます。もちろん「念のため」タオルを持参したことはいうまでもありません(笑)。



上がってます上がってます湯気がもうもうと‥湯気だけ(残念無念)。

ここ、お湯が全然出ていないじゃないですかー!宿の源泉はここではなくもっと沢沿いの方なんじゃないかと思いますが、その入口がわからなかったので断念。ちょっと気になるところがあったんだけれどなー。


「どろどろの高温噴出湯?」

どろどろのブクブク、御覧の通りです。

Wmv形式、892KB、22秒


おっと、一ヶ所だけ「水分混じり」の泥湯がありましたね(上記)。ブクブクと湧出しているのはいいんですが、この湯気から察するにかなりの高温でしょう。アリ地獄の巣のように深くなってもいますし、これに入ろうと決心する人はいないはず。というわけでスゴスゴと退散。夕ご飯を食べて就寝。画像はありませんが夕朝食とも満足のいくものでありました。

明けて翌朝。今日はおしんこどん母が奈良にお帰りになる日なので、旭川12:00発の特急に間に合わせなければなりません。とはいえここから旭川ならさしたる距離もないので楽勝ではあります。というわけで‥その道中にあるという某所野湯に寄り道をすることに。

「このあたりかなぁ」と思われる場所に来ました。というわけでお二人には車内で待っていていただき、Takema単独で山の中に分け入ります!‥といえば格好良さそうな話ですが、この場所が本当に正しい入口であれば大した距離ではありません。ただしこのあたりはクマ生息地のまっただ中なので、あまり間違えてうろうろしたい場所でもありません。その割にはスポーツサンダルばきでうろうろしてるんですが(クマだけじゃなくてヘビにも注意しなさいよ!)。

小広いところを適当に進んでいくと、むむむ、右上画像のような湯だまりらしきものが!しかしあまりにもぬるく(温度は計測しませんでしたが)、またこの植物性ヌラヌラ原生生物の中に入っていくのは何だかなー(笑)。もっとも事前情報では「メイン野湯の手前にもぬるーい湯だまりがある」ということでしたからこれは間違いない!というわけで気をよくしてさらに奥に進んでいくと‥




「これだ、大雪高原温泉下の湯!」

動画では下流から上がって発見したように見えますが、実際は上流からアプローチします。実はタオルを本流で洗ってから撮影したものですから‥

Wmv形式、1.52MB、39秒


温泉タオルを飾ってまずは記念写真。ちなみに別の湯船に見えるかも知れませんが、撮影方向を変えただけで同じ湯です。

湯温は‥35.8℃と結構ぬるめです。それと、左上画像などを見るとたまり湯は結構清澄に見えていますが、やはりこちらも湯だまりの中には結構ヌラヌラが(笑)。というわけで服を脱ぐ前にまがりなりにもお掃除をして‥でも多分そうじゃないかなぁと思ってはいたのですが、

この臭いを嗅いで一瞬「入欲」が萎えましたがすぐさま反転、それはもちろん「ここまでやって来てたかがドブ臭にたじろいで入浴を断念するなんてありえないっしょ!」という野湯への飽くなき執念、いやそんなご大層なものじゃなくてただのみみっちぃ貧乏根性で入浴を決意したのでありました(苦笑)。

できるだけ底ざらいを行った上で入浴観光、いや違った入浴敢行です。実はこの時もちょこっと霧雨が降っていたのであまり長い時間は楽しめませんでしたが、根性を入れて徹底的に掃除をすれば結構いい湯になるような気もします。

で、湯上がりに身体を拭いたタオルにはいろんな黒と灰色のグラデーションのような斑点が付いてしまったので、すぐさま近くの川でゆすぐゆすぐゆすぐ‥。しかし完全には取れませんでしたし、その後しばらくはこの時のドブ臭まで再現してくれたようで閉口しました。なお、この時着ていたポロシャツ(この日がおろしたてだった)にはこの時の湯泥が付着してしまい、何度も洗いましたがその汚れはいまだに取れていません。「夏の思い出」として、これからあの服を着るたびにこの時のことを思い出すことになるのでしょう(笑)。

ちなみにこの日、道楽館でちゃんと身体を洗うまでの間のTakemaは、

周りの人がどこまで気づいていたかは恐くて聞けません。ね、おしんこどん(笑)。

さて野湯訪問を終えたあとはそのまま真っ直ぐ(いやちょっとだけ観光しました。銀河・流星の滝見学とか。実はこれらをちゃんと見たのは高校の修学旅行以来でした)旭川駅へ。おしんこどん母とはここでお別れ、新千歳空港直通の特急を見送ることとなりました。本当なら旭川空港から帰ってもらえるともっと便利なんですけれど、旭川から関西方面にはANA系のフライトがないんですよね。スターアライアンスのマイレージなものですからごめんなさい。

そのあと駅前のトヨタレンタカーで車を返却です。この4日間の走行距離は624.4km、案外走っていない気もしますが、初日は旭川〜天人峡温泉だけだったし、そうなると大体200km/日ということになりますね。今ざっと計算してみたら、今回のバイクの1日平均走行距離が150kmちょいであることが判明。となれば「結構レンタカーで走り回ったのね」ということになりますが、それはもちろん裏返しとしての



という「陰の声」とセットになっていることはあたり前田のクラッカー的に承知しております。でもまぁタンデムですしねーと心中で言い訳しつつ、ラベンダー号に乗り込んで深山峠を目指したTakema&おしんこどんだったのでありました。さーて明日からは再びバイクツーリングの日々が始まります!
[戻る] [次へ]