太陽あり雲ありで最高の登山日和♪ |
− 2009北海道ツーリング本編その16 雌阿寒岳に登っちゃえ(10年ぶり) −
バイクで湯めぐりしながら朝夕食は宿のご飯たっぷりという旅行を続けていると、当然のことながら運動不足になってきます。このままではいけないでしょというわけで、この日は雌阿寒岳登山なのであります。昨日ほどではないですが今日もまぁまぁの上天気、ではではいってきまーす!
ちなみにここ野中温泉登山口から頂上までの標高差は800m、コースタイムは2時間半。下りはオンネトー側に降り、オンネトーの茶屋でお昼ご飯を食べて帰ってこようという計画ですから食料は非常食のみ、あとはカッパと防寒着と水のみの「軽装登山者」であります。ただし足回りは2人とも軽登山靴です。さすがに足でもひねったらナニですからね。
最初は針葉樹林を進みますが、やがて傾斜が結構急になってきます。あれーこのあたりでこんなに急だったっけ?というのも、ここ雌阿寒岳には独身時代の1999年に一度登っているのです。しかしあの時はガスがなかなか取れずに景色の記憶は全くなし。しかしこの登りの記憶も結構アバウトになっていたというわけです。
何だかムーミン谷にでも生えていそうな不思議な植物?を目にしたりしながら登っていくと四合目あたりでいったん視界が開けます(ちなみに左上の植物はいったい何という名前なんでしょ。ご存じの方がいたらお教え下さい)で、五合目まで来るとさらに視界が開けて小休止です。
イワブクロ(左上)とメアカンフスマ(右上)。どちらもこの辺りでは至る所で咲いていました。
弱すぎも強すぎもせずちょうどいい案配の風を受けながら涼んでいると、すぐ上で休憩していたご夫婦が思いもかけないお声を掛けてくれました。
ひゃー驚いた、こんなところでコマクサに出会えるとは!(休憩場所なので地面は荒らされがちですし)。ちなみに「何とか」と書いたのは、さすがに花期も終わりにさしかかっていてだいぶ色があせていたからなんですが、いやー今年の北海道の天候不順のおかげで(農家の方には怒られそうな表現ですが)8/7にコマクサを見ることができました!
ちなみにここ五合目からは、真下にずーっと続く「ハイマツの海」(といったら大げさかも知れませんが)を眺めることが出来ます。いやーこれってなかなかスゴイ風景です。というわけで‥
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ちなみにオンネトーを眺めるのであればここ5合目から6合目が一番です。7合目になると手前の尾根が視界をさえぎっちゃうんですよね。ちなみに右上画像は5合目から撮ったものです(右上画像にマウスオンすると7合目からの撮影画像に変わります)。そういえば1999年も5合目では結構大休止したんだっけ(ビールも飲んだ)。あの時はエゾシマリスがうろうろしていたようでしたが、今回は天気がいいため警戒して出てきませんでした。
そのかわり7合目ではさらに広い展望が待っています。登ってきたな!という悦楽にも浸れていい感じですが、悪天時はここから先がいやーな感じなんですよね。ただし登山道ははっきりしていて(だって「日本百名山」ですから!)よほどボーっとしていない限り道から外れてしまうこともないでしょう。
ちなみに上でも書いたとおりこの日は8/7だったんですが、思い起こせば8/2に小雨に降られて以来この日に至るまで好天が続いています。厳密に言えばわれわれが再びバイクで走り出した8/4からは雨の気配すらありません。「(遅まきながら)北の大地に夏がやってきた」という一番おいしいタイミングを満喫することが出来たとは、今年もなんてラッキー!
ところでこの7合目には何だか「妖怪からかさ小僧ミニ」みたいなのが岩の上に鎮座しておりました(右上画像マウスオン)。しかもよく周辺を見回すと、ちょっと目立たない場所にしっかり太陽光発電のパネルが。この小僧は何?最初は「アメダスの無人雨量計測計かな?」と思っていたんですが、頂上をはさんだ別の場所にもありましたし雨量観測機器であればこんなに至近距離に設置することもなさそうですね。となればこれは地震計?でもこんな岩の上に設置するかな?結局謎です。
というわけで、傾斜角のどんどん増した斜面をジグザグに登っていきます。99年はガスで真っ白の中を登った記憶しかありませんから、気分的には「初登山」のような感じです。
火口壁まで登ってくると、いきなり「新しい展望&ジェット機のエンジンを髣髴とさせる轟音」が耳と目に入ってきます。眼下にはその名も赤池と名付けられた火口湖が。うわー成分が濃そう、あそこまで降りていけば‥いや、よい子の皆さんはやっちゃだめですよ(ものすごく不安定な岩と砂の殿堂エリアになっているはずですから。ついでにボッケもね)。でも見ているだけでも、
(「別に?」と思う人は拙サイトをご覧いただかずとも結構です(笑))
この色はスゴイですなー鉄分が含まれているんでしょうかと思いつつ、よーく火口内を眺めてみると‥
そのすぐ近くには緑の池もあったりするんで油断禁物です(何のこっちゃ)。赤池の近くからはジェットエンジン噴気口があります。さすが火口、お元気ですね(謎表現)。そして火山らしい「キワドイ地形」もあったりするわけで、わたしゃ右上画像の「岩渡り」はじぇったいやりたくありません。たとえ1000万円払っても‥。1000mバンジーだったらやると思いますが(何のこっちゃ)。
ただし登山道は火口壁沿いとはいえ安全な場所を通っているので(何を基準にして「安全」というのかは別の論です)、そのまま緩やかな上りをめぐって頂上へ。うわー景色と音と、何だかいろいろと楽しい頂上だぞ♪
無意味に汗拭き温泉タオルでポーズをとる40代半ば夫婦。構図はどっちもさえてません(あ、撮ってくれた人ゴメンナサイ)。
さて、今回初めて知ったことが1つ。それは「阿寒湖周辺にある元気いっぱい活動中の火山は雌阿寒岳のみではない」という現実でした。もちろん雌阿寒岳の火口からもいろいろと噴気が出ていますし、雌阿寒岳そのものに対する火山情報もこれまで時折出ていました。しかし‥
これはかなりの衝撃でした。前日の某野湯もその界隈だったんですが、このつながりは全く考えていませんでした。で、あらためて調べてみるとこのページ(北海道釧路土木現業所)の航空写真が一番わかりやすいですね。自分も北海道に自意志で(最初は修学旅行だったんで)来てから20年以上経ちますが、恥ずかしながらこの火口については全く知りませんでした。前回登山時はガスの中だったし‥うーんすごいぞ雌阿寒エリア!マチネシリ周辺は今後の課題になりそうです。でも盛夏の道東訪問は数年に1回ですから次回はいつになることやら?(苦笑)。
さて頂上からの景色はなかなかすごいです。さっきまでの赤沼もすごかったですが、頂上南部に見えている「青沼」もかなり「行きたい感」を増殖させます。
赤沼は「命をかけて」という雰囲気バリバリでしたが、青沼は堆積もしっかりしてるし行かれるかも?(でも素人がいくとナニなので×よ、死にます)。
さてそれではオンネトー方面に向かいましょう。すぐ正面には阿寒富士がまさに「ボク富士山でーす」と自己主張するかのようにそびえ立っていますが、往復で1-1.5hのアルバイトをけちって行くのはやーめたっと(無欲というかやる気がないというか‥たぶん後者)。
あの人たちの行く道にわれわれも向かうことになります。
奥に見えていた火口にも近づいてきました。かなり活発に活動しているようです。
阿寒富士の上りは結構キツそうです。だってさぁ‥(右上画像マウスオンで拡大)。
白い雲と噴煙とが一体化しています。火口からは直線で100mくらいしかないところに登山道があるというのもスゴイ話。
阿寒富士への分岐でしばし休憩です。ホントに穏やかな天気、しかも昨日みたいに完全快晴じゃないので時々太陽が隠れてくれるので嬉しいです。たぶん昨日登った人は暑さでヒーコラ言ってただろうな(だって野湯への登りだって大汗だったもん)。ちなみにこの下から再びハイマツ帯に入っていくことになりますが、この辺りには砂礫の中に高山植物がそこそこあってなかなかヨロシイです。
メアカンフスマとメアカンキンバイ。キンバイのほうは一斉開花じゃなく順繰りなのね。
こちらでもコマクサがまだ頑張ってました。そういえばコマクサってケシ科なんだそうな。
降りていくと再びオンネトーが見えてきました(でも結構遠いのね)。というわけでおしんこどんはむやみに張り切って降りていきますが、Takemaは進んだと思ったら止まり、また進んだと思ったらまた止まりの繰り返しです。そして止まったところではハイマツ帯の下をのぞき込んでいます。画像はありませんが何をしていたのかというと、
昨日昼食を食べたクマゲラのご主人は、われわれが明日雌阿寒岳に登るんだというお話をしたところ、「雌阿寒岳のハイマツにマツタケが出るから探してごらん、ただし7合目以上だよ」と教えてくれたのです(ただし国立公園内のため法的には採取禁止ですが)。野中温泉コースは登山客も多いですがこちらのコースはあまり人もいないし、それならばもしや?と期待しての行動だったわけですが、しょせん素人がすぐに見つけられるわけもありませんでした。でもこういう楽しみがあるとただの下り道も面白いですね。
しかし5合目あたりから下は、いやまぁキノコ軍団のオンパレードでありました。
一番左上のキノコなんぞは味噌汁の具にしてもおいしそうですね。右下の画像で真ん中に写っているのは枯れ葉ではなくあれ全体で1つのキノコだったりします。タバコの箱を置いてみましたから大きさは想像がつくと思います。その一方で左下のキノコは何だかあまり食べたいとは思いませんねー。
しかし「素人判断でキノコを食べるとじぇったいろくなことにならない」というのは百も承知です。というわけで写真に撮るだけで我慢した次第です。おっとこのあたりもまだ国立公園内だっけ。
そんなこんなで、無事オンネトー登山口まで降りてきました。
すっかりお昼を回っていたので、このあたりで唯一のお食事処である「オンネトー茶屋」へ直行したことは言うまでもありません。お腹減ったーっ!
おしんこどんは「熊笹餃子定食」、Takemaは「ぶっかけ山菜うどん」を注文。お腹が減ると力が出なくなるおしんこどん、何とかパワーダウン前に食べられてよかったね。ちなみにTakemaもお腹は減っていたんですが、まだここはゴールではない(これから景福まで45分の山道歩きが待っている)ので軽くうどんにした次第です。基本的に蕎麦派のTakemaがうどんにしたのは、「そばとうどん、どちらがお勧めですか?」と聞いてみたらご主人がすかさず「うどんです!」とお答え下さったから。しっかりコシのあるおいしいうどんでございました。
熊笹餃子は餃子の皮に熊笹のエキスを練り込んでいるのだそうで、なるほどの色が特徴。アイデア賞ですね。山菜ぶっかけうどんは大体予想したとおりの見かけでしたが山菜がしゃきしゃきしていてビックリ。しかし何よりも嬉しかったのは、小鉢に盛られたお漬け物。
ちなみに餃子定食の方には2種類、一夜漬けも添えられていていいなぁと思っていたら、Takemaのぶっかけの上にも載せられていました(笑)。あの大きさあの太さにしてこの柔らかさって一体?と思えるほどでしたっけ。その他オンネトーラーメンも人気のようで、この茶屋は見逃せませんぜ旦那!(何のこっちゃ)。なお営業期間は5-10月末、営業時間は10:00−18:00ということです。公式ブログはこちら。
さて、しばしまったりしたあとは再び山の中へ。対岸の道道経由でも帰れるのですが山道経由よりも時間がかかることと、「自分たちが地道に歩いている横をどんどん車が追い抜いていくといらつく(はず)」というのと、「何より道幅が細いので気を遣う」とことから遊歩道経由としたわけです(アカエゾマツ純林コース)。
最初の15分ほどはオンネトーの湖岸を進みます。ふふふ、この景色はこの歩道を歩く人しか見られないんだぞと思うとちょっと嬉しくなりますが、至ってごく普通の湖岸歩道に過ぎないんですよね(笑)。そして湖岸沿いをそのまま進んで車道に出る道を左に分けると‥
「うそだろー、登りだなんて聞いてないよ!」とブツクサ言いながら進んでいくと、気のせいか傾斜角が少しきつくなったような。雌阿寒の山の神が機嫌を悪くしたかな?(笑)。結局オンネトーの湖岸から100m少し登らされました。でも誰もいない静かな道だったし、これはこれでよかったかもと今となっては思います(喉元過ぎれば‥)。
そんなわけで14:45、景福に無事帰還です。ビールをオーダーしたことは言うまでもありません。それにしても天気が絶妙で最高でした。ちなみに上記オンネトー茶屋のブログによると、われわれの訪問時(8/7)を中心とした連続6日間は「晴れか快晴」の日々が続いたのだとか。いわゆる「オンネトーと雌阿寒岳の短い夏」ど真ん中を堪能することができたと言えそうです。よかったぁ!
そしてお風呂、さらには夕食ビールと進みます。とてつもなくハードな山旅というわけではなかったので「心地よい疲れ」という感じでビールがおいしい!さーて明日はまたバイクにまたがるゾー!目指すは川湯温泉!となれば、宿は「2回目訪問にして常宿の」?
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