こんなところがあちこちに。でも‥。 |
− 2009北海道ツーリング本編その25 羅臼界隈の野湯探し&移動 −
明けて翌朝は‥うっはぁ、朝からガスというよりは本格霧雨っ!今回のバイクツーリングにおいて初めての悪天となりました。もちろん連泊の中日なので部屋でゴロゴロしていればそれはそれで済むのですが、それってあまりにぐうたらなのではないかい?
とはいえこんな日に、「雨の中、意味もなく300kmほど走ってきました!」というようなことをやるようなバイタリティがあるわけでもありません。おしんこどんは旅疲れなのか「今日は私の休息日」よろしくゆっくりしたいとのこと。なるほどこれまですでにタンデムシートに2,500km以上座ってきたわけですから、その「退屈さから来る疲れ?」はかえって運転者であるTakemaよりもしんどいものであったかもしれません。ゆっくり休めおしんこどん‥。
しかし、疲れを知らぬ(というか貧乏根性丸出しの)Takemaは、何としても1湯くらいは浸かりに行きたいと思うのであります。いずれにせよこの日の夕食&翌日の朝食分は買い出しに行かなければなりませんから「どうせ一度はカッパを着なきゃいけないのならば有意義に着るべし」という神仏のご託宣に従い、霧雨が小やみになったのを見計らって「某野湯」に行ってきました。
山道から外れて踏み分け道に入って行きます。ただしこの界隈はヒグマ一族様のお住まいでもあります。オーナーさんの言によると「ここらには出ない」とのことでしたが、先日とあるTVでこの界隈のヒグマに発信器をつけて追跡したところ「比較的短期間に数十kmもの距離を移動したことがわかった」とのことですから、いずれにせよ油断は出来ません。
よって、熊よけの鈴をむやみに「チリチリチリチリちんちんちん!」と鳴らしながら進みます。ただでさえ沢沿いなので鈴の音がかき消されるだけでなく、木々の葉末から落ちる雨だれもまた鈴の音を消してしまいますからね。しかし、しまった折りたたみのスコップを持ってくるのを忘れたぞ(そんなのまでバイクに積んで来てたのね)。よって、過度の工事はせず、「必要最小限の手作業で何とか入れる湯だまりを探す」ことにしました。
川を遡っていくとやがてあちこちから源泉が湧き出ているエリアに到達しました。し、しかし!どれも源泉の量が圧倒的に少なく、入浴に適した量の湯だまりなどどこにもありません。先人の皆さんが手を加えた跡もほとんど見られず、これにはかなり凹みました(笑)。ちなみに源泉口そのものを見ていると、赤い鉄さび泉のど真ん中から硫黄系の別源泉が出ていたりして視覚的には楽しめます(右上画像マウスオン)。でもわたしは決して源泉見学をしに来たわけじゃないのであります!(笑)。
うろうろしているうちに、「こ、これは?」という感じの湯だまりを発見しました!
これは何だか「人工のニオイ」を感じさせますねぇ(笑)。
しかーし最大の難点のど飴がありました!それは‥
(「折り畳みバケツ」なんて物までバイクに積んでいたことがバレバレですね)
ここについてはかなり残念でしたが悔やんでも現実の状況を目の前にしては如何ともしがたいので観念するしかありません。しかも、一時はほとんど止んでいた霧雨がまた少し降り始めましたのでここはもう一刻の猶予もない感じです。というわけで、最初のあたりで「ここはいざとなれば何とかなる?」と思われた2箇所にターゲットを絞ることにしました。
まずはターゲットその1です。温泉絡みのムラムラが付いていましたが、上画像の右側からそこそこの湧出があるので「これは掘れば何とかなるか?」と思いまずはムラムラを除去(右上画像)。しかし手作業では深く掘り進めめることができず断念。画像中央のやや三角に見える石がネックとなりました。
というわけでターゲットその2に結構さっさと移動です。
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ここは上流部からの温泉流入と、すぐ脇の岩盤からのしみ出し(量は極少ですが気分的&絵的には悪くありません)とで、微妙にぬるめですがそこそこいい感じの湯温です。左上画像中央にある丸い石を撤去できればだいぶいい感じになると思ったんですがそうは問屋が卸さない(笑)。というわけであとは掘れるところをどんどん掘って「一点深し松本深志高校でせめて腰湯だけでも」という僅かな願いを叶えるべく励むしかありません(何を言っているか、長野県民以外はわからないかも知れませんが流してください)。あー、そうこうしているうちに霧雨がどんどん粒を大きくしてきたぞ!(いわゆる「ただの雨」になってきました)。
そんなわけで、ものすごく焦りながら最低限の写真を撮った上で‥
上の画像の左側に何となく見えているのが今回のTakemaの入浴地でありました。この日は本当なら別の沢筋を含めてもっともっと奥の方まで探訪してみたかったのに、ここだけにしか入れなくて残念(そもそも画像のピントが甘いこと自体この時の慌てぶりをホーフツとさせます)。でも、この時の「急速撤収」が正解だったことに気づいたのはこのすぐ後のことだったのです。
Takemaがカッパを着用し、傘を差して歩き始めた頃には‥
某キャンプ場にたどり着いた頃にはすんごいことになっておりました。Takemaもなすすべ無くわずかな屋根の下へと避難した次第です。15分くらいそのまま待避していたかもしれません。しかしそんな中でも昼間っから宴会を続けるファミテンキャンパー、さすがにお盆真っ盛りですね(笑)。
雨が少し小やみになったので、このまま一気に羅臼の市街地というかセイコーマートまで行って買い出ししちゃおうと思い、雨宿り場所にてバイクのキーを探してみたわけですが‥
ぐわー、さっきの源泉地帯のどこかに落として来ちゃったのか?とすればかなりの難行苦行ルート(結果的には無意味だったヤブ漕ぎもしたりしたので)をもう一度入念に探索しなければならないのか?こ、これは困った!
というわけでもう一度頭の中でこの場所に着いてからの行動を思い起こしてみると‥そういえばキーをデイパックだかポケットに収納した記憶そのものがないぞ。ということはもしかして?というわけでバイクまで戻ってきてみると、予想通りトップケースに付けっぱなしでありました。おーいおい、雨のこの場所(出入りほとんどなし)だから何とかなったものの、それこそ一昨日の道の駅あたりで同じことをしていたら「一瞬にして旅が終わってしまった可能性=鍵の盗難」だってありえたんですよね。気をつけなきゃいけません(大自戒)。
このあとはセイコーマートで買い出しをして、そして何だかわびしい感じのラーメン屋で昼食を食べてから宿へと戻りました(おしんこどんの昼ご飯は買い置きで何とかなるはずだったので)。結局雨はあの後ずっとそこそこ強めに降り続け、羅臼の野湯にあのタイミングで入れたこと自体が奇跡だったなという感じだったのでありました。
宿に戻ってきたのは14:00頃。もちろんすぐに大浴場で湯に浸かり(この時は羅臼の温泉らしくしっかり熱くて満足)、あとは部屋でTVを見ながらゴロゴロと惰眠惰休息と相成りました。はー、たまにはこういうのもいいな、たまにはね(笑)。
さて明けて翌日です。しかし相変わらず天気はよくありません、というか普通の雨天です(くっそー)。しかし今日は太平洋側の音別にある「yamanonakaカムイミンタラキャンプ場」までの大移動なのですから、あんまりダラダラしているわけにもいきません。というわけでまずは7:00過ぎに朝湯へ。風呂上がりにロビーでまったりしていたところで、かのオーナーさんがわれわれに再び声を掛けて下さいました!
も、も、もちろんです!というか、この朝の忙しい時期にわれわれにお付き合いいただいてよろしいんでしょうか?‥という詮索は愚の骨頂ですね。オーナーさんにはオーナーさんのお考えあってのことですから。というわけで車にてお送りいただき、羅臼最後の湯はやっぱり「山小屋で〆」といたしました!
はふー、何とも嬉しい湯でありました。そういえば上記野湯と味が似ていたような気も?(別源泉ではありますが)。
ご主人と思わず記念写真を御願いいたしました。われわれはいかにも系の軽装ですね(笑)。
というわけで、川湯温泉ラルゴさんに引き続き3泊してしまった峰の湯さんをあとにして、われわれはカッパ着用の重装備でひた走るのでありました。海沿いの国後国道を走り、実は標津市街で気になる湯もあったのですが、カッパがびしょびしょの途中で湯に浸かり、その後再び濡れ濡れカッパを着れば、これぞまさに「内湿外濡」という状況となり(ちなみにこの場合何と読むんでしょうね、ないしつがいじゅ?)、要は何にも嬉しくない湯めぐりになりそうだ」というわけでパス。
このあと中標津まで移動しましたが相変わらず雨が降っているので同様の理由でパス(入ってみたい湯はあったんだけれどなぁ)、ようやく雨が上がったのは標茶まで南下したあたりでありました。そのちょっと手前でカッパは脱ぎましたが、お昼ご飯と温泉を同時に楽しめる湯は?というわけで、標茶温泉『テレーノ気仙』へ。
公営に見えますが民営です(3セクか?)ちなみにスタンド用カマボコ板を紛失。荷物満載ですがサイドスタンドはアスファルトに‥大丈夫?
心配しながらバイクを離れましたが、この日この界隈は気温も高くなかったので助かりましたね(温度によって路面の柔らかさは大きく変わります)。さてそんなわけで肝心のお風呂へ。ちなみに先客さんは全員内湯側におられたのでささっとかけ湯をした上で露天風呂へと移動です。ここは以前の多和平滞在中におしんこどんとも来たことがありまして(その前=独身時代にはもっぱら富士温泉だったような?)、ここの湯はモール泉だとの記憶がありましたが?
あーっ、やっぱりそうでしたね。懐かしい湯でありました。
かなり濃い色との記憶がありましたが、前の方のページで紹介した原生亭温泉にはかなわない?いや、でもあっちの温泉は室内だったから周りの明るさに違いがあり一概に視覚的比較はできないかもしれないよなぁという感じです。もっとも、このツーリングの最後に「誰が何といってもここが一番黒いでしょ!」という湯が出てきたりしますので乞うご期待です。
もっとも「湯は黒きがゆえに尊からず」というのは誰しもが抱く共通認識であります。かつて長野の乗鞍近くの著名温泉地で「白」にこだわりすぎたこともありましたっけ(笑)。
お風呂のあとはお昼といたします。お互いそれぞれがラム焼き肉定食を注文いたしました。が、しかぁし!
あのねぇ、「お風呂上がりにお腹いっぱい食べてビールまで飲んじゃったら」、その後に待ち受けているのは
という状況しか考えられないのよ!‥とはいえ、「飲みなさい飲みなさい」と勧めていたのはTakemaの方だったりして(笑)。さてしかし、それほど眠くはならなかったみたい?ビールが「気つけ薬」として作用したのかも知れません(笑)。
さてここからはどんどんと釧路方面へと南下していきます。このあたりまで来ると天候も一気に回復し、やや風は強いながらも青空がどんどん広がってきました。結局このツーリングでカッパを着用したのは3日(のべ5時間程度)しかなかったのでありますが、この日が一番長かったかな(でも3時間程度)。
さて釧路湿原界隈までやってきました。実はこの界隈の湖に本腰を入れて立ち寄ったことはこれまでなかったのですが、このあとは「ある方」を訪ねに塘路湖へと向かいます。
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